えー、明日8/16(日)夜9時のTBS日曜劇場「半沢直樹」にちょっとだけ出演しております。7年振りに帰ってきた大人気ドラマの続編でして、歌舞伎俳優の多さでも話題を集めております。が、主演の堺雅人さんも含めて小劇場系の俳優が多く出ているのも注目です。第四話までは古田新太くんに池田成志さん、山崎銀之丞さん、戸次重幸さん、土田英生さん、加藤啓さんなどに加え、ミュージカル系や新劇系も多いですね。なんか知り合いが多くて見ていて楽しいのですが、第五話には私も出ることになってしまいました。他にも山西惇さんや八十田勇一さんなど、公演中止になってしまった舞台俳優が次々と!
あ、「若様組まいる」でも一緒だった入江甚儀くんも出てるよ!
それと、後藤ひろひとさんが原作のWebマンガ「やめとけ! チキンマン」(主婦と生活社)に応援コメントを書きました。後藤さん原案のよわよわヒーローと脱力モンスターが闘ったり闘わなかったりする、無料で読めるマンガですのでよろしく!
さて、前回はオープンワールドゲームの魅力をお伝えしましたが、いよいよ「Ghost of Tsushima」についてですよ。時は鎌倉。元寇によって壊滅した対馬全域を舞台に、ただ一人生き残った武士である境井仁(さかい・じん)が、跋扈する蒙古軍や無法者たちをバッタバッタと斬りまくるゲームです。
広大な対馬の至る所に蒙古軍の砦があり、島中を蒙古兵が巡回している中、仁と愛馬の一人と一匹が対馬を走り回ります。いつでも閲覧できる地図は、始めこそ全面が雲に覆われていますが、仁が通過したところから雲が晴れて明らかになっていきます。町や寺、野営などが点在しており、そこでは島の住人が暮らしていて、鍛冶屋や鎧屋などが営業しています。島のあちこちに生えている竹や麻を集めれば店で装備を強化できるトコロは名作「the Witcher 3」っぽくもあり、ストーリーを追いながら各地の拠点を開放していくところは人気作「アサシン クリード」っぽくもあり。オープンワールドの名作を巧くまとめたような作りになっています。
残された最後の武士である仁は武士らしく正面から闘おうとしますが、敵に見つかると捕虜が殺されてしまったりするために、仕方なく暗殺という手段を採り入れなくてはならなくなります。そして「冥人(くろうど)」として、蒙古軍からは恐れられ島民からは頼られる存在として噂が広がっていくのです。
とはいえ、それらの戦い方は自由に織り交ぜられます。まずは暗殺で敵の数を減らし、ある程度まで減ったら姿を現して乱戦に持ち込むこともできます。
このゲームで特徴的なのは「一騎打ち」システムでしょう。敵の一団と出逢った時に一騎打ちを申し込むことができます。すると一人目の敵と睨み合い、△ボタンを押しっぱなしにし、敵が打ちかかってくる直前にボタンを放すコトで一太刀で斬り捨てることができます。スキルをレベルアップすると続けて三人まで斬り捨てられます。コレが決まると圧倒的に有利になるのですが、敵もフェイントを交えてきますので中々タイミングが難しい。失敗すると一気に体力が削られる上に、一対多の乱戦になってしまうので、何としても成功させたい。息を止めて半目になって敵の動きを見つめ、斬られる寸前に△ボタンを放して斬り捨てる。この瞬間がこのゲームで一番気持ちの良い瞬間かもしれません。
闘いが終わった後、タッチパッド上で指を右に滑らせると、血振り(刀の血を振り落とす)をして納刀します。実は、この操作は必要ないんですよ。放っておいても仁は勝手に納刀します。ですが、尺八が鳴る中、敵が倒れ、血振りをして納刀するという一連の動作をやりたくなるんですね。劇団☆新感線の座員として、やはりこれは外せません。
また、ストーリーの要所での強敵との一騎打ちでは特別の演出が施されます。睨み合う二人の剣士、仁の背中越しに敵にフォーカス、敵にカメラが寄って抜刀、仁の手元にズームイン、ゆっくりと鯉口を切る。騒ぐ風、揺れる薄。いかにも時代劇にありそうな一コマですが、よく考えれば西部劇の決闘も同じ構造です。黒澤映画が大好きなアメリカのクリエーターが、多大なるリスペクトを込めて美学を求めた作品です。
美学といえば、映像の美しさも特筆モノです。薄のなびく平原、赤や青の花一色に染められた草原、夜空に輝く月、高くそびえる峰。時代劇映画や、「HERO」などのチャン・イーモウ監督の中国映画で見られる美しい絵作りが印象的です。そこら中に死体が転がっている殺伐とした光景と対照的に息を呑むほどに美しい自然描写。仁の心の葛藤や、殺戮の繰り返される重いストーリーとのバランスを取るために必要なのかもしれません。
このように、随所に時代劇リスペクトの感じられる今作ですが、個人的には以前にご紹介した「STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー」と似た印象を持っています。剣を主体としたスタイリッシュなアクション、攻撃よりも受け流しからのカウンターが有効なデザイン、色味やアングルに凝った映画的な見せ方。
そもそも、「STAR WARS」自体が黒澤映画に影響を受けまくって作られているのですから当然といえば当然です。時代劇や中国映画、西部劇やマカロニ・ウェスタンなど、こだわりの強い作品の要素を巧く取り入れて、レスポンスの良いアクションと重厚なストーリーを組み立てていったことが成功の要因ではないでしょうか。
他にも、風などの表現を巧く利用したプレイヤーの誘導とか、異様に早い読み込み時間とか、金色の鳥やキツネを追っていくと重要なポイントに辿り着けるとか、ついでにキツネを撫でることができるとか、膨大な収集要素とか、それぞれに特殊な能力のある鎧とか、能力は変わらないが見た目が変わる笠・鉢巻き・鞘などの数の多さとか、物凄く細かく設定できるフォトモードなど、様々な手法でプレイヤーを飽きさせない工夫が凝らしてあります。
軽快で流麗な剣戟が楽しく快適にプレイできるというワケですよ。買うかどうか迷っているあなた、コレはオススメですよ。
最後に、このゲームをプレイした方には是非とも見て頂きたいのが、長崎県観光課が作成したこちらの特設サイトです。ゲームの解説に加えて、ゲーム内で見られる風景と、元となった対馬の景色が対比して紹介されています。場所によってはかなりリアルに再現されていたりするので、「そうそうコレコレ!」って気分になって対馬に行ってみたくなるハズですよ!
この動画がゲーム中で描かれる神社っぽい感じ。対馬の霊峰・白嶽の頂上なのですが、このような岩場や美しい景色がゲームにも反映されております。
結構な長い時間プレイしてきたつもりですが、どうやらまだ半分くらいのようです。9月頭までには終わらせて「Marvel's Avengers」に備えたいですね。先日配信された体験版的なベータ版でも相当に面白かったですよ。