2021/03/28

地テシ:201 「BRAVELY DEFAULT II」楽しい! の巻 第二章

先日、私が長年宣伝美術を担当させて頂いているプロジェクトKUTO-10さんの「かもめごっこ」を拝見致しました。ホントに自分勝手な登場人物ばかりで誰にも感情移入できないのに、セリフがいちいち心に刺さってくるあたりがまさにチェーホフ流。地方のアマチュア劇団の話なので、地方のアマチュア劇団出身の私としては特に揺さぶられました。いよいよ本日3/28の14時が千秋楽です。下北沢 シアター711ですよ。


さて、前回はNintendo Switchの「BRAVELY DEFAULT II(ブレイブリーデフォルト2)」の快適さについてお話し致しました。メニュー画面での操作やフィールドでの移動などが実に練られたシステムで、まさに痒いところに手の届く作りになっています。その分、プレイヤーはストーリーや戦闘に集中できるというワケです。
快適だからといって戦闘が単調になるワケではありません。それぞれの敵には様々な属性(火や水など)と武器(剣や槍など)に対して耐性があり、こちらの攻撃を半減したり無効にしたりしてきます。敵の弱点は戦闘中にいつでも見られるのは親切なのですが、逆に言えば敵の弱点を常に意識しなくてはならないというコトです。
さらに、こちらの攻撃に反撃するカウンターや、特定の行動に反応して嫌な攻撃をしてくるジャマーなど、一筋縄ではいかない厄介な敵も多いのが悩ましい。そりゃこっちだってカウンターやジャマーが使えるんだから、敵だけ使えないなんて不公平ですからね。

特にボスはとにかく嫌らしい攻撃や反撃をしてきます。このボス戦が面白いんですよ。ボスを倒すと、そのボスが持っているジョブを手に入れることができます。つまり、その嫌らしい攻撃や特性を持っているジョブを自分が使うコトができるようになるのです。そのためには、今手に入れているジョブを組みあわせて適切な攻撃をしていかないと簡単に全滅させられるというワケです。
ボスはHPも高いのでとにかく長期戦になります。頻繁にこちらのピンチを立て直しながら、ちまちまとボスのHPを削っていきます。歯が立たずに全滅してしまっても、ジョブとアビリティを考え直してから再挑戦すると意外とあっさりと勝てたりするところがこのゲームの醍醐味。
ボスの弱点や攻撃の属性、単体攻撃か全体攻撃か、物理攻撃か魔法攻撃か、狙ってくる状態異常は何か。それらを見極め、こちらのジョブや武器を整える楽しさ。戦闘が面白いRPGは楽しいのです。

また、行動の順番を前借りできる「ブレイブ」というシステムも面白い。通常のコマンド選択式RPGならば自分の順番が来るまで待たなくてはなりませんが、ブレイブで前借りすれば最大四回連続で行動できます。連続で攻撃してもいいし、アイテムで戦闘不能を復活させてすぐさま魔法で回復させてもいい。様々な行動を連続で行えます。
しかし前借りするだけなので、もちろんその後しばらくは行動できません。チャンスと取るか、リスクと取るか。壊滅しかけた戦線を瞬時に立て直してもいいし、有無を言わせずたたみ掛けてもいい。ブレイブによって一気に戦略が広がります。


このように戦闘が面白くも難しく、駆け引きの必要な奥深いシステムになっているのですが、それを支えているのがジョブとアビリティなのです。様々なジョブを育ててアビリティを集め、組みあわせていく。これを考えるのが楽しいんですよ。
ジョブというのは白魔道士とか吟遊詩人などの個性豊かな能力を持つ職業です。アビリティというのはそれぞれのジョブの持つ特殊能力ですが、その内のいくつかは他のジョブでも使うコトができます。つまり、それらの組みあわせ方によって戦闘が面白くなるというワケです。

この面白さは何かに似ているな。そうだ! 懐かしの「FINAL FANTASY V」と似てるんだ。そうそう、これはFF奇数番の楽しさです。昔のFF奇数番が好きだった人には文句なくオススメできます。
ええと、FFといえばスクウェア(現スクウェア・エニックス)が制作した、言わずと知れたRPGの名作シリーズですが、初期のFFでは偶数番と奇数番での特徴が違いました。FF4やFF6などの偶数番は固定ジョブのキャラクターが多数登場するストーリー重視で、FF3やFF5などの奇数番は少数キャラクターとジョブチェンジを駆使するシステム重視と言われています。

BD2では四人の固定メンバーに20を越える多彩なジョブが用意されています。ジョブが成長すれば様々なアビリティを覚え、そのジョブとアビリティを組みあわせて様々な効果を得ることができます。いわゆるシナジー効果ですね。
比較的汎用性のある組みあわせもあれば、限定的ではありますが絶大な効果を生み出す組みあわせもあります。その掛け合わせを考えながら試してみるのが楽しいんです。
20種類以上のジョブのそれぞれに10個以上のアビリティがあり、そのどれもが個性的なのが驚きです。単体で強力なモノもありますが、他のアビリティと組みあわせるコトで効果的になるモノもありますので、新しいジョブやアビリティを手に入れるたびにワクワクします。だもんで、ついついプレイしてしまうというワケですよ。


私もようやく4章に突入し、ストーリーも急転直下に慌ただしくなってきました。ジョブもアビリティも随分と増えましたが、まだまだあるようです。
キャラクターも可愛らしく、また表情豊かで声優さんも達者なので、要所に入る会話部分も楽しめます。本当にキャラクターの表情が見事なんですよ。それほど可動パーツは多くないのに感情表現が細やかです。
個性豊かなボスたちが次々と襲ってくるので、ストーリーも楽しくなる上に撃破後のジョブ入手も嬉しい。つまり、ストーリーの面白さと戦闘の面白さが直結してくるのです。
ストーリーが進みましたらまた改めてご報告致しますが、昔ながらの王道RPGでありながら、新鮮な楽しさを感じられる今作。是非皆さまにもお楽しみ頂きたいと思います。Switchのストアには5時間までたっぷり楽しめる体験版もありますからね!


2021/03/21

地テシ:200 「BRAVELY DEFAULT II」楽しい! の巻 第一章

ええと、念願の、待望の、垂涎の、まあとにかく待ちに待ったPS5をようやく手に入れた私です。さぞや素敵なPS5ライフを送っているだろうと思いきや、今現在メインでプレイしているのはNintendo Switchの「BRAVELY DEFAULT II(ブレイブリーデフォルト2)」という体たらく。
最新マシンよりもこっちの方がいいのかと聞かれれば困ってしまいますが、久しぶりに、ホントに久しぶりにコマンド選択型RPGをプレイしたら経験値稼ぎが楽しくなってしまったんですよ。いやあ、楽しいよねレベル上げ。

最近のゲームのトレンドといえば、だだっ広いフィールドで冒険しまくるオープンワールドや、大人数での対人戦バトルロイヤル、超ハードな敵とのシビアな戦闘が特徴の死にゲーなどのアクション系が人気です。私も近年はオープンワールドゲームを中心にプレイしてきました。
しかし、あるゲームのCMがそんな私の注意を惹きました。「ジョブチェンジを駆使して世界を救え!」 お、これは! 私はジョブチェンジシステムのあるRPGが大好きなのです。
それが「ブレイブリーデフォルト2(以下BD2)」。そういえば10年程前にNintendo 3DSで初作をプレイしたなあ。行動回数を前借りするブレイブというシステムが斬新で面白かったなあ。
そんなことを思い出しながらついついSwitchのカートに入れてしまいました。しかし、コマンド選択式の純粋なRPGなんて長らくプレイしていないんですよ。バリバリ3Dのアクションゲームで撃ったり切ったりばかりしてきたんですよ。そんな私でも楽しめるのでしょうか。

ええと、結論から言いますと、全くの杞憂でした。むしろ久しぶりの経験値稼ぎとレベル上げにハマってしまいました。王道プレイ。いや、王道プレイではあるんですが、それを支えているのはこのゲームの快適さです。このゲームのポイントは「快適さ」と「ジョブチェンジの楽しさ」にあると思っています。今回はその快適さについて解説していきたいと思います。



ゲームに於ける快適さの指標にも色々あります。ロード時間が短いとかメニュー操作がしやすいとかレスポンスが早いとかボタン割り当てが適切とか、まあ様々あると思いますが、各ゲームごとに色々とアイデアを凝らしています。
でね、このBD2ではコマンド選択型RPGとしては上記の要素はもちろん、考え得る限りのユーザーフレンドリーさでもって快適さを実現しているのですよ。なんかプレイの隅々にまで及ぶ快適さ。よく考えられているなと感心します。

まずね、町が広くない。リアルサイズの町を等身大のキャラクターが走り回って迷子になりそうな最近のRPGではなく、こぢんまりとした町を小さな主人公たちが走ります。しかもRスティックを押し込めば町全体が見られてお店やクエストの場所が一目瞭然。コレは便利。迷わない。
しかもBボタン押しながらだとダッシュするので移動も楽チンです。ダッシュはフィールドでもダンジョンでも有効なので移動にイライラしません。

フィールドでの移動と言えば、昔のRPGではランダムエンカウントと言いまして、歩いていると突然モンスターに襲いかかられるのが普通でした。しかし今作ではシンボルエンカウントと言いまして、モンスターが歩いているのが見えるのです。で、モンスターとぶつかれば戦闘開始です。
モンスターとぶつからなければ、つまり上手いこと避けていけば戦闘せずに進めるのです。いや、もちろん戦闘しなくては経験値がもらえないのでレベルは上がりませんが、先を急いでいる時とかHPが減っていて戦闘したくない時とかにはとても楽です。
しかも今作では、自分よりも明らかに弱い敵は逃げて離れてくれるのです。これが実に便利。と言いますのも、BD2ではフィールドでも剣が振れるのですが、剣が敵に当たってから戦闘に入るとこちらの行動回数が増える「ブレイブ」という状態になります。しかも敵の背後を取って戦闘に入るとこちらが先制できるので、逃げる敵に背後から剣を当てて戦闘に入ると圧倒的に有利な条件になるのです。

更に! BD2では複数の敵と連戦するともらえる経験値が増えるのですが、複数の敵が逃げると大体固まりますので連戦に持ち込みやすいのです。つまり、自分よりも弱い敵が逃げる時には無視して先に進んでもいいし、あるいは連戦を狙って追い込んでたくさんの経験値を狙ってもいいのです。どう、この親切設計!
弱い敵ならば比較的簡単に倒せますので狩りにはもってこいです。もらえる経験値は少なめですが、連戦でのボーナスを期待すればそこそこはもらえます。しかも特定の敵を呼び寄せるアイテムもありますので、ガンガン連戦を狙えばガンガン経験値をもらえるというワケです。

フィールドで剣が振れるのには別のお得さもあります。フィールド上の草を刈ると時々アイテムが出てきます。お金や消費アイテムだけではなく、武器や防具も出てきます。これが大事。結構強めの武器が拾えたりします。
またフィールドでは夜と昼の概念があるのですが、それぞれで恩恵のあるアビリティがあるので昼になるのを待ったりする場面もあります。その時にはただ待つのではなくて草刈りに専念すれば時間もつぶせるしアイテムも手に入るというワケです。一石二鳥!

フィールドや町ではいつでもセーブができますが、いわゆるダンジョンの中ではセーブができません。また、HP/MPを回復できるテントも使えません。これはまあ、よくある制約です。もし全滅してしまったら最後のセーブデータからやり直しです。
しかし、BD2が親切なのはオートセーブが頻繁にされていること。エリアが切り替わるごとくらいにオートセーブされています。つまり、手動セーブが随分前でもオートセーブからやり直せば割とすぐに取り返せます。
しかも、ダンジョンの中間あたりとボス直前くらいには、入り口に戻れるワープホールやセーブポイントが用意されています。これでダンジョン探索が格段に楽になります。ここを拠点に宝箱を探したり経験値稼ぎをしたりもできますし、ヤバくなれば回復したりセーブしたりできますからね。至れり尽くせりとはこのことです。


これだけ快適とか便利とか楽チンとか書いてしまうと楽すぎて単調になっちゃうと思うじゃないですか。単純作業の連続だと思っちゃうじゃないですか。ところがどっこい、そうはならないのがBD2の面白いトコロ。割と序盤から属性半減とか無効とかカウンターとかの厄介な敵が出てきてしまうのです。
ただ「戦う」を連打していれば勝てるような戦闘ではなく、属性魔法や強化弱体や特定条件などを駆使しなくては勝てない戦闘なんですよ。つまり戦闘が面白い。それを実現するのがジョブチェンジシステムなのです。
てなワケで、快適さについて説明するだけで長くなってしまいましたので、次回はBD2のジョブチェンジの楽しさをお話ししたいと思います。

ええとザックリと言いまして、昔のファイナルファンタジーシリーズが好きな方にはオススメのRPGです。懐かしくもあり、そして最新の面白さもあるというコマンド選択型RPGの完成形みたいな名作だと思いますので、気になる方はゼヒ!




2021/03/19

地テシ:199 プロジェクトKUTO-10「かもめごっこ」始まったよ! の巻

昨年の春から、芝居のできなかった半年と芝居がノンストップで続いた半年を過ごしてきましたが、しばらく舞台の仕事がなくなったためにようやく知り合いの舞台を観に行くことができるようになりました。既にいくつか拝見致しましたが、いやあ、やっぱり舞台を生で見るのって面白いよねえ。楽屋に挨拶に行けないのは残念ですが、とにかく舞台ができてそれを客席で観ることができるコトが嬉しいのです。
配信や記録映像ではいくつも観ておりましたが、この一年で客席で見た作品といえば昨年の「カチカチ山」ゲネプロだけですよ。しかも関係者だからね。
例年ならば何十本も舞台を観ている私ですが、昨春から今春までの一年での客席観劇がたったの一本なのは悔しい限りです。

その前に最後に観劇したのはなんだっけ。そうそう、昨年三月のプロジェクトKUTO-10「なにわ ひさ石 本店」でした。あの時も出演していた劇団☆新感線の「偽義経冥界歌」が上演中断していたから観に行けたんだよなあ。
そしてこの三月。毎年春の風物詩のようにプロジェクトKUTO-10の新作「かもめごっこ」の公演が始まりました。毎年春に公演があるから、大抵自分の舞台と重なっていてなかなか観に行けないんですよ。宣伝美術を担当させて頂いているのにね。

旗揚げ公演からほぼずっとチラシを作らせて頂いているプロジェクトKUTO-10さんは、工藤俊作さんが主宰する劇団。劇団というかプロジェクトです。固定した作家も演出家もおらず、工藤さんが気になる作家さんや演出家さんにお願いして作品を作るため、毎回作風が変わるという面白いプロジェクトです。
最近では主に大阪を中心に活動している若手の作家さんや演出家さんと組んで、主に大阪を中心に活動している俳優さんと共に新鮮な化学変化を楽しめる作品を作ってきていましたが、今回は第二十回公演と言うことで、第一回公演の時と同じく作・三枝希望さん、演出・岩崎正裕さんという布陣で臨みます。
しかも「かもめごっこ」というタイトルからも判る通り、チェーホフの「かもめ」からインスパイアされた作品になっているようです。



大阪公演はウイングフィールドにて3/18〜21、東京公演は下北沢 シアター711にて3/25〜28です。
様々な感染対策をとっての上演となります。最新の空気清浄機や検温器、消毒器を用意しているそうです。しかも、二時間ちょっとの芝居なのに、途中で換気をするために休憩も挟むそうです。
もちろん私も観に行きますよ。一年振りのKUTO-10。どんな作品になっているのか、とても楽しみです。


2021/03/14

地テシ:198 PS5で「MAQUETTE」! の巻

ねんがんの PS5を てにいれたぞ !


というワケで、前回はPS5を手に入れた経緯とその凄さを解説致しましたが、ハードウェアはマシンでしかありません。ソフトをプレイしなくては意味がありません。ですので「ASTRO's PLAYROOM」でPS5コントローラの凄さを体感し、「THE PATHLESS」でハイスピード移動に陶酔し、「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」で美麗さに驚き、「イモータルズ フィニクス ライジング」でポップな神話世界を楽しんだりしております。それぞれちょっとずつだけどね。


しかし、一番最初にハマってエンディングまでプレイしてしまったのは3/2に発売された一人称再帰的パズルゲームである「MAQUETTE」です。
一人称再帰的パズル? ええ、公式にそう書いてあるのです。再帰的とは大雑把に言って「あるモノを構成する要素の中に、あるモノそのものと同じものがある」コトでして、いわゆる入れ子構造ですね。フラクタル画像のように、あるモノを拡大していくとそこにまた同じモノがある構造です。ちょっと違いますが、マトリョーシカ人形をイメージして頂くと判りやすいかもしれません。



「MAQUETTE」(マケット)はいわゆる「脱出ゲーム」の一種です。部屋の中にある様々なモノを観察し、操作してカギを探し出し、出口から脱出する。ブラウザゲームによくある、あの脱出ゲームに似ています。
しかしこちらは一人称再帰的パズルですから、もちろんタダの脱出ゲームではありません。一人称ってコトは主人公目線でして、しかもフィールドを自由に動き回れます。
まずプレイヤーは素敵な音楽が流れる綺麗な庭園にいます。道なりに庭園を進むと、壁の所々に文字が浮かび上がります。どうやらある男が過去を思い出しているようです。広い庭園を歩いて、指示に従っていけば簡単にカギが手に入り、庭園を出る事ができます。ここまでがチュートリアルを兼ねた第一章。

第二章からが「再帰的」パズルの始まりです。目の前にはメリーゴーラウンドを思わせるような赤い屋根の大きなドーム。周りの四方にはお城があったり公園があったり。
よく見ると、赤屋根ドームの中には今自分がいるのと同じ風景のミニチュアがあります。真ん中に赤屋根、四方にお城や公園。さらによく見ると、ミニチュアの赤屋根の中にはもっと小さなミニチュアが見えます。そして、自分がいるフィールドの上を見上げれば巨大なドーム状の屋根。あ、これ多分赤い屋根だ。

そう、これが再帰的な部分。つまり入れ子構造です。自分のフィールドとミニチュアは繋がっているのです。ミニチュアの中にある小さな赤いキューブを移動させれば、自分のフィールドにある大きな赤いキューブも移動します。これで大きすぎて動かせなかった大きなキューブを移動させることができて道が開けました。
しかも、ミニチュアの中にあった小さな赤キューブをミニチュアから取り出し、自分のフィールドに置いてからミニチュアセットの中を見ると、更に小さくなった赤キューブがあります。
そう、このゲームは、再帰的な入れ子構造を利用して、オブジェクトのサイズを変えながら行動範囲を広げていくというシステムなのです。様々なオブジェクトのサイズを大きくしたり小さくしたり、フィールドとミニチュアの間を行ったり来たり。ああでもないこうでもないと何度も試行錯誤しながら解法を考えていきます。
最終的には自分までをも小さくしたり大きくしたり。小さくなった時のフィールドの広さったら! 家のデカさったら! 足の遅さったら! 夢の中でもがいているような気分になります。

パズルは章立てになっていて、だいたいフィールドの四方にある四つの謎を解いたら次の章に進みます。章ごとに謎解きのパターンが変わるので飽きません。
基本的にヒントはありませんが、壁に浮き上がる文章がちょっとヒントになってはいます。あと、文章が浮き上がる壁の場所は重要なヒントになっています。次の回答はこの壁のあたりにあるよってワケです。
判りやすい謎もあれば、全く見当も付かない謎もあります。私も二箇所ほどホトホト困り果てました。二時間くらいああだこうだしても解法が判りません。そんな時にはそれまでの考え方を捨てて「こんなコトしてみたりして〜」と大胆にやってみたら解けたりもしました。

クリアした後にプレイ時間を見てみたら約10時間でした。何度かロードし直してるから実際にはもうちょっと掛かっているとは思うのですが、まあ短めのゲームですね。
でも、プレイしている時は何時間も没頭してしまうほどの面白さです。ちょっと悩んで、こうかなとトライしてみてダメで、そうこうするうちに急にピカーンッとアイデアを思いついて成功した時の気持ちよさよ!
それとは別に、ダメ元で「こんなコトしてみたりして〜」が正解だった時には思わず「あッ!」と声が出ましたよ。「コレが正解なんかい〜!」とツッコみながらも、いや確かに理にかなっているなと思ったり。

美しいフィールドを歩きながら謎を解いていくところは「The Witness」を、大きさを変えながら解いていくところは「SUPERLIMINAL」を、絵本の中を冒険しているような気分になるところは「GOROGOA」を、こんなコトしてみたりしてが解法に繋がるところは「風ノ旅ビト」や「THE PATHLESS」を、切ない恋物語を描いているところは「florence」を、そして入れ子構造を利用して大きさを変えるところはVR専用ですが「a fisherman's tale」をそれぞれ彷彿とさせますが、それらとはまた違った面白さがあります。これらのゲームがお好きな方ならば、間違いなくオススメです。
このゲームの開発元はGRACEFUL DECAYさんですが、販売元は面白いインディーゲームを見つけてリリースすることで定評のあるANNAPURNA INTERACTIVEさん。私はこの会社のゲームが好きでして、上記のGOROGOAも風ノ旅ビトもflorenceも、あるいは「DONUT COUNTY」も「OUTER WILDS」もANNAPURNA INTERACTIVEさん。いやあ、ハズレがない。これからも注目の会社ですよ!



美しくノスタルジックな風景と素敵な音楽の中で解いていくバラエティに満ちた謎。そして紡がれる一組の男女の甘く切ない物語。これがもう、ホントに甘くて切ないのよ。そう、このゲームで描かれている風景は、この二人の恋物語の風景なんです。その恋物語がどんな結末になるのかはもちろん見てのお楽しみ。
ただ、注意して欲しいのは、できる限り自力で解いて欲しいというコトです。ネットで検索すれば攻略法を書いたサイトや動画が見つかりますが、やっぱり自力で解いた方が満足度が違います。私も迷いながらもなんとか自力で全て解きましたが、終わってから攻略動画を見たら若干違う方法で解いたりしていました。解法が一つではないのも面白いトコロ。
ちなみに、PlayStation Plusに入っていると、ゲーム中に公式のヒント動画を見ることができますが、これはヒントといいながらほぼ答えを言ってしまっているのでご注意下さい。

ようやくPS5を手に入れたのに、主にプレイしているのはPS4でもプレイできるゲームとか、Switchのゲームとかなのは不思議ですが、まあそれもまたよし。こうなったらもうXbox series X/Sもなんとかして手に入れたいところですが、こちらも品薄で手に入りません。
というワケで、次回はSwitchの「BRAVELY DEFAULT II」について書きたいと思っています。王道ながらも新しい要素も多い、快適で楽しいコマンド選択式のRPGらしいRPGですよ。


2021/03/07

地テシ:197 ついにPS5が来た! の巻

2/21にダイラブが終わってもう二週間。久しぶりにのんびりな日々を過ごしている私です。コロナ禍によって昨年4月に「偽義経冥界歌」博多公演が中止になってから五ヶ月間、全く舞台の仕事が無かった私です。当分舞台の仕事は出来ないと思っていた私です。しかし、そこから10月の「浦島さん」「照らす」、12月の「オリエント急行殺人事件」、今年2月の「今日もしんでるあいしてる」まで、意外なことにノンストップで舞台ができた私です。
舞台のなかった五ヶ月間から一転してこの半年は本番終了から次の稽古始めまで余り期間がなく、割とみっちりと続いておりました。このような社会情勢の中でも舞台ができるのは本当に嬉しいことです。舞台や音楽ライブなどのライブイベントの現場はまだまだ厳しい状況ですが、なんとか続けていけるようにそれぞれのカンパニーが最大限の努力を続けております。我が劇団☆新感線も「月影花之丞大逆転」を上演中です。皆さまもよろしければこれからも舞台をお楽しみ頂ければと思います。

 
さて、てなワケでね、久しぶりにみっちりゲームをプレイする時間ができました。本番を抱えているとなかなかみっちりとはプレイできませんからね。
そして! そんな時期に最適の! 中々手に入らないと噂の最新ゲームマシンであるPS5が! 超ハイスペックで超美麗な画面のPS5が! めくるめくゲーム体験ができるPS5が! ついにウチに来ましたよ!



PS4と比べてみました。デカいよ! 高さが1.5倍くらいあるよ! でもそれほど重くはないよ!
そして、コントローラの滑り止めのザラザラが、実はPSシリーズのアイコンでもある○×△□であることも確かめましたよ!



SIEが昨年11/12に発売したPlayStation 5は余りの人気に比して供給量が少なすぎて主に抽選販売となりまして、これが中々当たらないんです。私も発売日にゲットするべく本家のソニーストアやいくつかの家電量販店での抽選に応募しておりましたがことごとくハズれ、二次抽選とか三次抽選とか、まあとにかく応募しまくっていましたが全然当たりませんでした。
そんな「今日もしんでるあいしてる」の本番期間中。ある朝、メールをチェックしているとソニーストアからのメールがありまして「PlayStation5抽選販売」との件名ですから、また落選の通知かと何気なく開いてみました。そして何気なく読んでいましたら「当選されましたのでお知らせ致します」とか書いてあるんですよ。ん? んん? まさに二度見です。

当選? 当たったの? そういえば落選通知メールなんてモノはないのでして、当たった人にだけ通知が届くんでした。その通知が届いたってコトは? ええと、当選したって書いてあることは、当選したの? ええ、そうでしょうとも。当選したから当選したと書いてあるんでしょうよ。つまり当選したんでしょうよ。困惑して何度も同じ事を書いてしまっていますが、要するにPS5が買える権利を手に入れたってコトですよ。
困惑したままソニーストアに飛んで購入手続きをし、困惑したままヨドバシ.comに飛んで外付けSSDを購入し、困惑したままPS4からのデータ移行について詳しく書いてあるサイトをブックマークし、そして困惑したまま下北沢・本多劇場へと向かったのでした。
一週間ほどで届くとのことでしたので、来週にはPS5がウチに来るってコトですか? 来るってコトでしょうね。不思議なモノで、嬉しさよりも困惑が勝っています。半信半疑というか疑心暗鬼というか。なんか現物が来るまでは安心できない気分なのです。とりあえずこのことは忘れて本番に集中しましょう。そんな一週間。

実はね、ウチのPS4が今年に入ってから不調なんですよ。カタカタと異音がするんです。HDDを2TBに換装しているからそのせいかとも思って差し直してみたりしましたが、どうやら違う。ディスクドライブでもなさそうだ。おそらく冷却ファンかもしれません。まあ、初代PS4だしな。
プレイ自体は問題なくできるのですが、やはりカタカタうるさいのが気になります。ハードウェアの為にも良くないしって気もしてあまりプレイできていなかったのです。困ったな。よし、こうなったらPS5だ。実はPS5ならばPS4のソフトも走るんです。そしてもちろんPS5の最新ゲームも楽しめるんですよ。そいつぁ好都合だ。よし、なんとしても早いことPS5を手に入れよう。うん、そうしよう。とは思っていました。
いや、だからといってねえ、急に当選通知を送ってこられてもねえ。困惑しますよ。いや、全然困ってはいないんですが、実感が湧かないってコトですよ。

そんな二月下旬のある日。大きな荷物が届きました。ええ、そりゃPS5でしょうとも。丁度本番も終わりノンビリしていた日々でしたよ。早速開梱してセットアップしましょう。外付けSSDも繋ぎましょう。PS4を外して替わりにPS5を繋ぎましょう。
データ移行に関しては、これ以上PS4さんを酷使するのも可哀想なので、各ゲームのセーブデータに関してはクラウド経由で、ゲーム本編に関してはPS5に直接ダウンロードしました。今までのアカウントでログインすれば全てが簡単にセットアップできます。
そんなこんなでやっと実感が湧いてきました。ああ、PS5が手に入ったんだなって。


さて、PS5といえば最大8K対応でレイトレーシングにも対応した超美麗画面、高速SSD採用での爆速ロード、3Dオーディオ対応、さらにほとんどのPS4のゲームがそのまま動く後方互換性など、大人気機種であるPS4の正統進化と呼べる最新ゲームマシン。しかもディスク無しのデジタルエディションなら四万円以下という驚異のお値段なんです。

しかし、PS5の最大の特徴はDualSenseと呼ばれるコントローラだと思います。歴代PSのコントローラは機能的にもデザインもあまり変わってきませんでしたが、PS5ではちょっと大きくなって丸みを帯びた形になり、切り替えの入ったツートンカラーになっております。
このコントローラには様々な最新技術が納められているのです。まず、ハプティックフィードバックと呼ばれる振動機能。Nintendo SwitchではHD振動という精度の高い振動を採用していましたが、あれをもっと精密に、もっとプレイとの親和性を高めたモノです。
操作するキャラクターがコンクリートを歩いているのか、砂地を歩いているのか、草地を歩いているのか。そういった感覚を実に明確に振動で伝えてきます。コントローラに付いているスピーカーからの音と相まって、まるでそんな地面を歩いているかのような感覚を与えてきます。
また、L2/R2ボタンにはアダプティブトリガーと呼ばれる機能が付いています。L2/R2ボタンは車のアクセルや攻撃に割り当てられることの多いボタンですが、このボタンにプログラムできる抵抗力が付いたんです。つまり、弓を引き絞る時の抵抗力や、急ブレーキを掛ける時の抵抗力などを指先で感じることができるのです。トリガーが、重い。これは実に新鮮な感覚です。精密な振動と相まってプレイの臨場感が格段に増しました。

PS5にはあらかじめ「ASTRO's PLAYROOM」というゲームがインストールされています。多彩なステージで可愛いキャラクターを操作しながら、PS5とコントローラの様々な機能を体験できるゲームです。こういう丁寧な導入は任天堂がお得意なのですが、ここに来てやっとSIEも本腰を入れたようです。
このゲームをプレイすると、美麗な画面と臨場感のある音響だけでなく、コントローラの凄さが判るようになっています。技術デモ的なゲームなのですが、楽しく高性能を体験できるんですね。
あと、このゲームで楽しいのはフィールドのソコココでキャラクターたちが撮影を行っているのですが、それが過去の名作PSゲームをモチーフとしているのです。これは何のゲームかなとか考えるのも楽しいですよ。

あと、ホーム画面も新しくなっています。いわゆるダッシュボード画面ですね。PS4のダッシュボードも優秀でしたが、あれがもっと進化した感じ。使いやすさもそうですが、爆速ロードによってキビキビ動きます。これによってそれぞれのゲーム間やメディアプレイヤーへの移動が楽になりました。

そして今回の最大の変更点。それは、決定ボタンが○じゃなくて×になったことだー!
今までは右端の○ボタンが決定でした。任天堂で言うところのAボタンですよ。右端ボタンで決定という長年親しんできたルーティンを根底から覆され、今までキャンセルだった×ボタンで決定しなくてはならないという違和感! いや、まあすぐ慣れたんですけど、今度はSwitchでプレイする時にまた困惑するという体たらく。いやぁ混乱するわ。

ええと、こんな感じで楽しいPS5ライフを送っております。やりかけていたPS4ゲームや、もちろんPS5ならではの最新作もちょっとずつプレイしていますが、実はSwitchの「BRAVELY DEFAULT II」がやたらと楽しくて、ついついこちらをプレイしてしまっています。なんじゃそりゃ。

「BD2」については近日書きたいと思いますが、それよりも今書きたいのはPS5の「MAQUETTE」という3Dパズル。PS5で一番最初にハマったゲームです。ですので次回はこちらで。なお、PS4ユーザーの方は1,980円で買えますが、PS5ユーザーでPlayStation Plus会員の方は3月のフリープレイですから無料でプレイできますよ。お見逃しなく!