2020/05/17

地テシ:148 おウチでゲームでフィットネスで の巻 リングフィット アドベンチャー篇

ゲームでフィットネスで! 前回は手軽に自宅でボクササイズが楽しめるNintendo Switchの「Fit Boxing」について書きました。二回目の今回は同じくSwitchの「リングフィット アドベンチャー」について書きましょう。大人気につき品薄で、各量販店でも抽選販売になっているゲームですよ。え? ゲームだったらダウンロード版とかあるから品薄とか関係ないんじゃないの?
いえ、このゲームでは同梱の特殊な器具が必要でして、この器具が運動のキモなんですよ!

取りあえず、任天堂公式の紹介動画をご覧下さい。8分ほどありまして結構長いですが。


もう、この動画を見て頂ければ余すところなくこのゲームの内容がご理解頂けると思います。ただ、それでは今日こうやって解説記事を書く意味が無くなってしまうので、ちょっとまとめたり補足してみたりしてみましょう。


同梱で付いてくるリングコンという輪っか状の器具とレッグバンドという太ももに固定する器具。これが重要です。それぞれにJoy-Conを取り付ければ、身体の動きをかなり正確にトレースできます。
リングコンは、船舶や航空機にも使われている「繊維強化プラスチック」という材質で出来ていて、強く押し込んだり引っ張ったりしても壊れません。反発も強いので、フィットネスジムにある器具のように身体を鍛えることが出来ます。
しかも、どれくらいの力で押しているのかを感知してくれるんですよ。リングコンの内部に「高精度力(ちから)センサー」が搭載されていて、そのデータをJoy-Conに伝えているようです。初めて使う時にJoy-Conをアップデートさせられたので、その連携が出来るようになるのでしょう。
しかも、右Joy-Conの下部に付いているモーションIRカメラを使って脈拍を簡易的に調べることもできるのです。親指の血管に赤外線を当てて、血中ヘモグロビンに反射させて計っているんですって。凄いね。
詳しくは任天堂のQ&Aのページで御確認下さい。

メインとなるアドベンチャーモードでは、いわゆるファンタジーRPGのようなストーリー仕立てになっていて、ひょんな事でリングコンの妖精(リング)を助けた主人公が、悪のドラゴンっぽい敵のボス(ドラゴ)を倒すための旅に出ます。
フィールドでの移動はランニングです。そう、左の太ももにレッグバンドを着けて足踏みすると、主人公が走ります。階段や沼ではもも上げをしないと進みません。途中でお金や素材を吸い込んだりしながら走っているとザコ敵に出逢います。

敵との戦闘も運動です。頭上や身体の前や体側や膝の間でリングコンを押し込んだり引っ張ったり、身体を捻ったり傾けたり、スクワットやもも上げやヨガをすることで敵に攻撃が出来ます。コレが意外と回数が多い。いや、ある程度の数をこなさないとトレーニングにはなりませんからね。
戦闘中もリングが運動の指示を出し、励ましてくれます。「最高だよっ!」とか「自分を追い込んでいこうっ!」とか「キレッキレだねっ!」とか、ほぼボディビル大会のかけ声です。
また、運動が足りないと「もっと深く腰を下ろして!」とか言われて、修整すると「良くなったよ!」とか言ってくれるのでなかなか手は抜けません。動作をキチンとやらないと、敵へのダメージも小さくなってしまいます。
攻撃の種類も豊富に用意されており、物語を進めることで徐々に開放されていきます。リングコンとレッグバンドの二つだけなのに、実に多彩な運動をこなすことが出来ます。私もまだまだ序盤なので、これからどんどん新要素が出てくるのでしょう。

全体的にかなりRPG風にしてあるのが面白い。戦闘はコマンドバトル風に敵の弱点を狙って攻撃できます。運動の種類によって単体攻撃だったり範囲攻撃だったりするのもそれっぽい。マップでの移動はスゴロク風で、所々に宝箱やミニゲームがあるのも楽しい。町ではアイテムを買ったり、人々からヒントやクエストがもらえたりもします。
敵を倒すとEXPがもらえて、レベルアップすると攻撃力と防御力が上がっていくのもRPG風。ただし、このEXPは通常のRPGのように「経験値(エクスペリエンス ポイント)」ではなく「エクササイズ ポイント」あるところがカワイイですね。冒険が進むと敵も強くなりますが、プレイヤーの体力を表すハートも増えていきます。ハートのメモリが1/4ずつなところとか、かなり「ゼルダの伝説」っぽく仕上げてあります。
また、RPGらしく収集やクラフトの要素も入っています。お金を集めてウェアやアイテムを買ったり、素材を集めて回復ドリンクを作ったり。飽きさせない工夫が随所に見られます。

もちろん、アドベンチャーモードだけではなく、気軽に遊べる「お手軽モード」もあり、鍛えたい部位だけを連続でトレーニングできたり、自分の好みでメニューをカスタムしたり、ミニゲームだけをプレイしたり、運動能力を測ったりできます。さらに、ゲームを起動せずにリングコンだけで鍛える「ながらモード」もあるんですよ。

全ての運動時に、画面の端に「ミブリさん」というお手本のキャラクターが出てきて、正しいフォームを教えてくれるのがとても大事。ゲームの始めと終わりに準備運動を促したり、コミカルに健康豆知識を教えてくれたり、任天堂らしい細かな配慮が光ります。任天堂のゲームは導入とか継続とか、実に細やかな心配りがあるのが嬉しいですね。

全般的に、身体を動かす楽しさを前面に押し出しているのが印象的でした。初期のプロモーションビデオでも、みんなとても楽しそうに動いていますよね。



ただ、アドベンチャーモードはゲームとしてとても楽しいのですが、ストーリー部分やら準備部分やらがありまして、純粋な運動時間は掛かった時間の半分足らずになります。30分くらいプレイするとシステム側から「そろそろ休憩しますか?」と終了を促されるのですが、運動をした時間をまとめると15分足らずです。まあその時点でも結構疲れてはいるんですが、なんとなく動き足りない感じ。本気でトレーニングしたいならば、カスタムモードで自分好みのメニューを作った方が良いのかもしれません。
また、ゲームの道中、ランニングしながら収集とかルート分岐とかがあるので、ついつい速度を緩めて収集の方に集中してしまうのも残念です。ていうか、ランニングに集中しろよ俺!

Fit Boxingとリングフィット アドベンチャーを比較するとすると、とにかく無心に身体を動かしてカロリーを消費しようとするのがFit Boxing、楽しく身体を動かしてまんべんなく身体を鍛えていこうとするのがリングフィット アドベンチャー、って感じでしょうか。どちらも楽しくプレイできますし、どちらもカロリーを消費しますし、どちらも身体が鍛えられます。お好きな方を選んで、もしくは私のようにどちらもプレイしてしてもいいんです。大事なのは継続してプレイするコトだと思いますので、時々は休みながら、楽しくプレイしてみて下さい。
ま、ワークアウトが終わった後、床に飛び散った汗を掃除するのも大変なんですけどね。

そんなこんなで順調にゲームでフィットネスを続けている私ですが、次回は別のゲーム機でのフィットネスをご紹介したいと思います。ええと、PS4ですか? いえいえ、違いますよ。