「髑髏城の七人」の稽古も追い込みです。衣裳パレード(本番の衣裳をシーンごとに着てみて修整を加える稽古終盤の恒例行事)もやりました。しかし、まだまだ調整していかなければならないトコロがありますから、まだまだ変化していきますよ。ていうか、ココに来てみんな暴れ始めました。どうなることやら。
さて、Macファンならご存じでしょうが、先日新OSであるMac OSX Lionがリリースされましたね。さらに新MacBook Airを始め、いくつかの新製品も発売されました。「ドクロ」のスタッフの中にもさっそく新MBAを買っちゃった人もいますよ。とはいえ、Apple StoreでのBTO(Build To Order:通販で色々カスタマイズするコト)で最強マシンにしたらしいので、届くのはもうちょっと先のようですが。
そんな話を書きながらも、私には特に焦った気分はありません。それは何故か。それは、私にはMBAを買う気持ちがないからです。MacBook Pro 17"とiPhone4とiPad2があれば自分の必要は満たされますから。私にとって過般最大パワーと過般最小サイズと過般大画面の三つがあれば必要充分なんです。
人によって必要なモノはそれぞれです。何が最高なのか、何が決定なのか。ホントにバラバラです。パワーを求めるのかサイズが重要なのか? スピードが大事なのか軽さが必要なのか? その人が必要としている一番重要な要素が何なのかによって、適したモノが変わります。「コレを買えば全部安心!」みたいなコトはないんですね。「アメトーーク!!」で宮迫さんが言うトコロの「いっちゃんエエヤツ」では無いんです。まあ、アレはアレで大事な見解だとは思いますけど。
てなワケで、今回の発表で私が注目したのは「Lion」です。だってライオンなんですよ! 百獣の王ですよ! これまでネコ科の動物名で統一されていたMac OSXですが、ココに来てライオンが来たってコトはコレがOSXの完成形であるハズです。ハズなんですが、世間での評判を聞いてみるとどうやらそうでは無さそうです。どうやらOSXIへの橋渡しのようなんですよ。
かつて私が初めてMacを使い始めた頃のOSは「漢字Talk System7.1」と呼ばれた物でした。まあ、OS7時代ってコトですよ。今にして思えばなんとも貧弱なOSでしたが、日本版Macを制御できるOSはそれしかなかったし、それでもできることは山ほどありました。その創造性、その先進性、そのポテンシャルは高くて、狂喜乱舞して触っていました。その後、7.5.3や8.6、9.2といった名作OSがリリースされ(間にはどうしようもないバージョンもありましたが)、ついに10が出ることになります。ここで、かつての創業者であるスティーブ・ジョブズが復帰し、全く新しい技術に基づいたOSが完成しました。その名もOSX。この「X」は「エックス」ではなく「テン」です。ローマ数字の10です。ココからまた新しいApple社の歴史が刻まれていったワケですよ。
もちろん、ご想像通り、初めてのOSXである10.0 Cheetahは不安定でした。何事も、走り始めは未熟なもんです。Macユーザーの間でも、「Xはまだ未熟だから」とか「ソフトや周辺機器が対応してないから」という理由で導入を躊躇われていたもんです。私もそうでした。なにしろ根本から変わっているので、今まで買ったソフトや周辺機器が動かない上にしょっちゅうフリーズするんですから。しかしその後、10.1 Puma、10.2 Jaguarと進化し、ずいぶんと安定して使いやすくなりました。私が導入したのもJaguarからかな。その後は順調に10.3 Panther、10.4 Tiger、10.5 Leopard、10.6 Snow Leopardとリリースを重ね、どんどん完成していき、ユーザーの不満は消え、みな満足して使っていたのですよ。ね、ネコ科ばかりでしょ。
ココに来て10.7 Lionのリリース! もちろんユーザー達は興奮し、更に快適なユーザビリティを得るために早速インストールしちゃったワケですよ。ところがどっこい! Lionが目指したのはiOS的な使用感。そう、iPhoneやiPadで人気を得たiOSの操作を採り入れるコトでした。つまり、今までの使用感を更に洗練させるコトが目的ではなく、次の進化への布石となる変化。要するに、OSXIへの橋渡し的な役割が与えられていたのです。
もちろんOSXの今までの機能を更に進化させた機能も多かったのですが、それもまたiOS的な発想も多く、今までのユーザーは戸惑うことしきりだったようです。また、かつて動いていたPowerPCチップ用のソフトが動かなくなっていたりしたので、長く使っているほど困ることが多いようです。
そう、これはかつてOS9からOSXに変化した時に似ている変化です。64bitカーネルに完全対応し、古いアーキテクチャを排除する。どうやら、次のOSは本当にOSXIとなり、完全に新しいモノになるぞ、という布石のようです。次のOSに変わる時に発生するであろう混乱を少しでも緩和しようとする、まさに橋渡し的OS。それが悪い訳では全然無くて、いずれ起こるであろう問題を事前に知らせるという変革期にありがちな進化ですから、必要な混乱だと思います。
なんか他人事みたいな書き方ですね。そりゃそうですよ。それは、私がまだLionにバージョンアップしていないから! だって確かにややこしそうなんだもの。ここは様子見に徹した方が安全です。実際、知り合いにもいち早くLionにバージョンアップして困っちゃって、苦労してなんとかダウングレードした人もいるんですから。OSを新しくする時には慎重に。それが判っていてもやってしまうのが真のAppleファンなのかもしれません。けど、私はもう一寸待ちますよ。でも、バージョンアップしたいなら止めません。それこそが真のApple愛なのですから!