2012/07/12

テシタル地上派 029 スリバチカフェ2 その一

さて、前回は「東京地形関係のイベントに行ってきましたよ」ってトコロまで書いたんでしたよね。いや、コレがホントに面白かったんですって!
そのイベントのタイトルは「スリバチカフェ2」! ん? スリバチ? カフェ? 2? と色々と疑問に思うことは多かろうとは思いますが、まあそういうイベントなの!

この話を面白がるには色々と前提条件がありまして。まず、「東京スリバチ学会」という集団が居ることを知って下さい。
学会とは付いていますが、要するに東京のデコボコを知って楽しもうよというような団体のようです。多分。
いや、私もよくは知らないのよ。面白そうな団体がいるなあ、程度の認識しかなくて。ただ、会長である皆川典久さんが今年の頭に出版された書籍「東京「スリバチ」地形散歩」という本も買って読んで面白かったし、あと「タモリ倶楽部」にもご出演なさっていたし。とにかく東京地形ファンとしては気になる学会だったのですよ。

次に知って頂きたいのは国土地理院から「数値地図5mメッシュ(標高)」というCD-ROMが発売されており、このデータを読み込めば誰でも日本の大都市ならばその詳細な標高データを手に入れられるというコト。
もちろん私も持っていますし、これを「カシミール3D」などの3D地図作成ソフトに読み込ませれば、あっという間に美麗な3D地図が描けるのです。

もう一つだけ、知っておいて頂きたい技術がありまして、それを「プロジェクション・マッピング」と言います。これは「立体物に動画を投影して、その立体物が動き出したかのような効果を出す映像技術」です。ほら、普通プロジェクタで動画を映し出す時って白い壁とかスクリーンに映すじゃないですか。結婚パーティーで二人の生い立ちとかなれそめとかを紹介する時とかさ。それをあえてデコボコのある立体物に映し出すことによって不思議な感覚を得ることができるのです。

演劇好きの方ならば、最近ケラさんがナイロン100℃の映像でよく使っている技法、だと言えばおわかり頂けるのではないでしょうか。ほら、セットにセットの映像を映し出して人が現れたり消えたりするヤツ。ちなみに映像作家は上田大樹さんで、新感線の映像も手がけて頂いています。


さて、これらの情報は理解しましたか? いや、理解して頂いていなくても構いません。何となく、ああ、そうなんだとだけでもご理解下さい。で、とりあえずこのまま説明を続けますと、「数値地図5mメッシュ(標高)」のデータを使って1.5m×1.5mの立体地図(木材ボードを削って15cm位の厚みのある本当の立体です)を作った人がいて、これに東京の道路や鉄道、川などをプロジェクション・マッピングで投影する15分の映像を作った人がいて、それが展示されているギャラリーがあって、そこで書籍「東京「スリバチ」地形散歩」の大ヒットを記念してイベントが開かれた、というのが「スリバチカフェ2」なのです!

ええと、私の盛り上がりに対してついてこられますでしょうか? 個人的には待ってましたとばかりのアイデアなのですが、今ひとつ伝わりにくいかもしれませんね。
東京のデコボコを可視化しようという企画は以前からありまして、もちろん私が大好きな国土地理院発行「1:25,000 デジタル標高地形図」という地図がありますし、
先述の「カシミール3D」によるPC画面上での3D表示方法はありました。
しかし、やはり立体を理解するには立体が一番なんです。
デコボコを立体で直感的に鑑賞できる! しかも、そこにプロジェクション・マッピングされる! これはなかなか有りそうで無かった企画です!

と、やや興奮気味にご紹介しましたがおわかりでしょうか? そしてここまでの前提条件を書いているだけで結構なスペースを使ってしまいましたので詳細は次回に。

なんだよ! ここまで書いて後は次回かよ! とお思いの方もいらっしゃいましょうが、まあそういうことです。
待ちきれない方は「スリバチカフェ」で動画とか検索とかして頂けると大体は判ると思いますよ。