2014/06/05

地テシ:056 今、世田谷が熱い! の巻

長かった「蒼の乱」(57ステージ!)も無事に終了し、次は「ラストフラワーズ」(62ステージ!)の稽古です。なんだかついこの前まで一緒だった人たちとまた一緒になりますよ。もう毎日毎日顔を合わせている人々なワケですが、でも大丈夫。「ラストフラワーズ」では約半分が新しい顔ぶれですから。これもまた楽しみですね。どうなるか判らないけど。

さあ、米apple社が待望の新OS X・Yosemiteと、新iOS・8を発表しましたね。
http://japanese.engadget.com/2014/06/03/wwdc-2014-ios-8-os-x-yosemite-swift/#continued
YosemiteはiOSっぽいフラットなデザイン。iCloud Driveや新safariなど、ネットとの親和性を更に向上、iPhoneとの連携も強化されてハンズフリーで通話できたり。
iOS8は複数のアプリを簡単に行き来できたり、キーボードが改良されたり他社キーボードを使えるようになったり、ユーザビリティが向上しているようです。また、写真アプリが強力になる模様。
いずれも正式リリースは秋頃になるようですね。ハードウェア関係の発表が何もなかったのが残念です。


いやあ、しかし暑いですねえ。6月上旬としては異例の暑さですが、まあ異常気象というほどでもないそうですよ。しかし北海道は相当に暑いそうで、お体にお気を付け下さい。梅雨入りするとちょっと涼しくなるらしいですが、今度は雨が心配ですね。西日本の皆様は大丈夫でしょうか。
さて、北海道や西日本も暑いですが、東京も暑いですよ。そして、特に今、世田谷が暑いです! いや、熱いです!

私は「ラストフラワーズ」の稽古が始まるまで観劇週間でして、色んな劇場に足を運んでいるのですが、二日続けて世田谷で刺激的な体験をしました。
世田谷の劇場といえばもちろん世田谷パブリックシアターとシアタートラムでしょう(実は下北沢も世田谷区なんですけどね)。世田谷パブリックシアターでは「THE BIG FELLAH ビッグ・フェラー」、シアタートラムでは「関数ドミノ」が上演中です。

http://setagaya-pt.jp/theater_info/2014/05/the_big_fellah.html
「THE BIG FELLAH ビッグ・フェラー」は北アイルランドのテロ組織・IRAのニューヨーク支部が舞台。その闘争の物語を30年に渡って点描していくのですが、とても重い内容なのに描き方が軽やかなのです。手練れの俳優陣に優秀な若手演出家が描き出す人間くさいテロリストの日常。さっきまで笑って観ていたのに、急に足元の地面がガラガラと崩れていくような感覚。
鮮やかな演出も、生き生きとしたキャストもスタッフも印象的なのですが、特に小林勝也さんがお見事でした。たった1シーンにしか出ていないのに! そして加湿器をオススメしてくれた成河さんの可愛さったら!
「蒼の乱」でも民族闘争が描かれていました。それぞれに正義があり信念があり生活がある。この作品が、つまり北アイルランドとイギリスとの抗争を描いた舞台が現代のロンドンで上演された意義は計り知れないと思います。

http://setagaya-pt.jp/theater_info/2014/05/post_361.html
「関数ドミノ」はイキウメの作品。イキウメといえば昨年の「獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)」の衝撃が忘れられません。作・演出は数々の賞に輝く前川知大さん。前川さんの作品は佐々木蔵之介くんのTeam申や「奇ッ怪」シリーズでも拝見していますが、イキウメの公演を観るのは今日が二回目です。
ある交通事故で起こった奇跡。あり得ない現象を説明するために、ある男が提唱するドミノという理論。前川さんお得意の現象説明SFです。勝手な印象でごめんなさい。でも、個人的には、前川さんの作品って、クリストファー・ノーラン監督の作品群のように、設定されたあるSF的事象を説明するコトによって揺れ動く人の心を巧く描いているように思うのです。
今作でも、スタイリッシュな演出と達者な劇団員たちが観客の心を弄びます。次々と変わる場面と疾走感、あからさまな笑いではないが的確な面白さを笑っている内に、気がついたら氷のような冷たい手で締め上げられているような感覚。

どちらの作品も、軽やかに演じられていく内に心根が寒くなるような感覚を味わうという、演劇の醍醐味が詰まった舞台でした。「ビッグ・フェラー」は6/8まで、「関数ドミノ」は6/15まで。
そういえば先日無事に沖縄で大千秋楽を迎えた、ねずみの三銃士「万獣こわい」のシリーズもそういった傾向を持つ作品ですね。ちょっと括り方が大雑把すぎるかもしれませんが、こういうピリピリくる演劇作品って堪らないんだよなあ。そんなピリピリを求めて劇場に向かうのかもしれません。いや、ほんわかした作品も大好きなんですけどね。要するに舞台が好きなんでしょうね。
皆さんもこの梅雨、雨にも負けずに色々と劇場に行ってみて下さい。いろんな刺激がありますから!