2012/04/09

テシタル地上派 022 米沢の巻

いやあ、ちょっとバタバタしている間にずいぶんと、それはもうずいぶんと更新が滞っていましたね。いや、私も色々と忙しかったのよ。稽古は始まるし映像の仕事とかしたし面白いゲームに出会ったし見に行かなきゃいけない舞台もあったし。それらについてはまた近いうちにご報告しますよ。
その間、デジタル関係にも色々な変化が起こっていますよね。アレとかアレとか。ソレについても早くお話ししたいので、書く書くと言いながら書いていなかった米沢話はサクッと進めてしまいましょう。書く書く詐欺。

あれは二月上旬。冬まっただ中の季節に東北山形は米沢に行って参りました。「十一ぴきのネコ」の山形公演ですね。主催の一方であるこまつ座さんは故井上ひさし先生の故郷である山形県川西町にある川西町フレンドリープラザ(映画「スウィングガールズ」のロケ場所としても有名)での公演が行われることが多いのです。そうそう、この川西町フレンドリープラザには井上先生の蔵書七万冊が寄贈され、その一部(といっても莫大な量)が公開されている「遅筆堂文庫」があります。我々も拝見させて頂いたのですが、その量もさることながら、多分野に渡るその興味の向き方や、さらにはその全てに目を通し、気になるポイントには赤線が引いてあるコトに驚きました。驚異的な読書量です。
そして行われた山形公演。素晴らしい音響効果の劇場、広くて快適な楽屋、そして何よりも会場一杯のやたらノリの良いお客様が印象的でした。たったの1ステージでしたが、実に楽しかったです。
ただね、なにしろ雪が深い。劇場の駐車場にはドカンと雪が積もり、駐車スペースを空けるために除雪された雪がその上に乗っかるものだから、とにかく雪の高さがスゴイ。なので駐車場の一隅には「かまくら」が掘られ、そこが長塚圭史さんの楽屋ということになっていましたよ。

入り口には演目にちなんでネコの雪だるまが作ってありました。スタッフの遊び心です。


劇場は川西町でしたが、宿は米沢駅前でした。やはり山形南部の置賜地方の中心は米沢。独眼竜伊達政宗の生まれ故郷であり、江戸時代は上杉家の領地となった由緒ある街。伊達家や上杉家にまつわる歴史遺産が多くあります。私にとっても初めての米沢ですからできれば色々見て回りたい。しかし時間がありません。なにしろ一泊二日だったから。なので、どうしても行きたかった「上杉神社」にだけ行ってきました。


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上杉神社は米沢城趾にある、上杉謙信公を祀った神社。併せて上杉家中興の祖である上杉鷹山公も合祀されています。また、大河ドラマ「天地人」でも有名になった直江兼継にも所縁があり、米沢上杉家にとってはとても重要な神社です。
なにしろ入り口からスゴイ。

毘沙門天の旗印。雪にも映えます。
そしてこちらが本殿。

質素ながら端正な造りです。いかにも上杉家らしいですね。

ただ、参道にあった鷹山公の銅像が、降り積もった雪で雪衣を纏ったようになっていました。

座像だからなおさら雪だるまっぽくなってしまっていますね。ちょっと可愛い。

すぐ横の「伝国の杜」エリアには米沢市上杉博物館があったのですが、さすがに時間が無くて(なにしろ昼本番の日の朝に行ってるから)エントランスホールだけ見に行ってきました。大河ドラマの影響で直江兼継人気が高いんでしょうね、マスコットキャラクターの「かねたん」が飾ってありました。

なお、兼継といえば兜の前立ちの「愛」が有名ですが、これはいわゆる「LOVE」ではなく、「愛染明王」とか「愛宕権現」の一字を戴いているというのが定説です。

なにしろスゴイ積雪でしたから、恐る恐る滑る滑る参拝したのですが、神社とホテルの間の歩道も大変なことになっていまして歩くのも大変です。

この真ん中の細いスキマが歩道。右の雪壁の向こうが車道、左の雪壁は民家。歩道を歩くのも一苦労でした。

そんなこんなの山形の旅。今度は雪のない季節に行ってみたいですね。

2012/02/24

テシタル地上派 021 バーチャルシティ2の巻

ご無沙汰しております、粟根まことです。「十一ぴきのネコ」は既に大阪公演まで終わり、つまり大千秋楽も無事に終え、ネコ達はそれぞれ新たな旅に出掛けました。
私はと言えば、原稿をあげたり芝居を見たり次の映像仕事の衣裳合わせをしたり、まあなんかこまごまと仕事をしておりました。では、その合間には何をしていたのか?
実は久しぶりにMacでゲームをしておりました。私、基本的にMacでゲームはしないようにしているのです。だって仕事道具だし、情報収集のツールだし。ゲームはゲーム機で! せいぜいiPad2まで! なんとなくそのような決まりがあるんですよ、マイルールとして。

そんな私がMacで唯一プレイしてしまうジャンルが「都市建設シミュレータ」。業界的には「ミニスケープ」とも呼ばれていますが、要するに「シムシティ」タイプのゲームですよ。フィールドに道をひいて住宅地を建てて工業地帯を建てて消防署を建てて、みたいにして見ていると、徐々に建物が成長して大きくなって収入が増えて、で、更に商業区を作ってモニュメントを建てて、とドンドン街が成長していくのを楽しむシミュレーションゲームです。
割と「見ているだけゲー」の雰囲気もありますが、なかなかそうもいきません。工業区が増えると収入も増えますが環境値が悪くなったり、住宅区が増えれば交通手段を用意しなくてはならなくなったり、あちらを立てればこちらが立たず、住民達のいろんな要求をクリアしながら成長させていかなければならないというまさに「都市建設シミュレータ」なんですよ。ジレンマとの闘いです。まんま現実世界と同じなんですね、都市なんか造ったことないけど。しかし、実に熱くなっちゃうんです。
私、遅刻なんて滅多にしないのですが、一度だけゲームに夢中になって遅刻したことがあります。その時プレイしていたのが、同じく都市建設シミュレータの一つである「CEASAR III」というゲーム。もうちょっと、もうちょっととか思いながら時間を気にしてプレイしていたのですが、気がついたら撮影の時間を過ぎていて電話で呼び出されました。いやあ、怖いですね、ミニスケープ。

そして、今まさにハマっているミニスケープが「Virtual City 2:Paradise Resort」というゲーム。Mac版だけではなく、Win版やiOS版、Android版なども出ているようです。これは都市育成の中でも「流通」にポイントを置いたゲームで、「物資や人をどう運ぶか」が勝敗を左右します。例えばパイを作るためには「穀物農場」で取れた麦を「製粉所」を経由して「パン屋」に届けねばならず、同時に「酪農場」からミルクも運ぶ必要があります。で、出来上がったパイを「ショッピングモール」に届けて初めて人の手に渡るようになります。
同様にして家具や車や化粧品を作り、モールや他の都市に届けて商売をし、そして儲けた金で居住区を大きくしていくのです。各面ごとに達成すべきミッションが設定されていて、その時作るべき建物も指示されます。十五分ほどで終わる簡単なものから一時間以上掛かる難しいものまで様々ですが、制限時間を越えても面クリアはできます。ただ、制限時間内に達成した方がもらえる開発費が高く、開発費を貯めて新たな建物を開発していくので、必然的に好タイムを狙うことになっていきます。
一面の時間が短いのがミソで、好タイムを狙ってついつい何度も挑戦したくなっちゃうんですよね。好タイムを狙うと「見ているだけ」なんて悠長なコトは言っていられません。常に建てられる建造物を考え、どの工場と工場を繋ぐかを考えながらプレイしなくてはなりません。結構忙しいですよ。しかもミッションは35面ほどあるので、結構長い間遊べます。

そんなこんなでプレイしていましたが、やっとついさっき、最終面をクリアしました! とはいえ、いくつかの面でベストタイムを出していないので、チマチマと好タイムを狙って完全クリアを目指したいと思います。ってまだやるのかよ!
iOSの方はiTunes Storeで、Macの方はApp Storeで簡単に買えるので、都市育成ゲームが好きな方はチラッと見てみて下さい。無料のお試し版もありますよ。デベロッパーの公式HPはこちら。
http://www.g5e.com/
スクリーンショットなども掲載されていますから、気になる方は覗いてみて下さい。

てなワケで、やっと気分が落ち着きましたので、近いうちに山形訪問記なんかも書きたいと思います。クリアするまでなんか気持ちが落ち着かなくてね。いやあ、ホントに都市建設シミュレータは怖いですよ。みなさんもほどほどにお楽しみ下さい。

2012/02/10

KUTO-10

今更ではありますが、「十一ぴきのネコ」東京公演が無事に終了いたしました。
そして、あろうことか山形公演まで終わっていますよ。
月日は百代の過客にして、なんか、行く年来る年、旅人来たりて柿を食う。
違うか。

まあ、そんなワケで公演はドンドン進んでおりますが、
このブログが進まないのはなぜだ?
それは、私が風邪をひいて寝込んでいたからだ!
ええと、近いうちにまとめてご報告いたします。

さて、それはそれとして!
私がチラシデザインをさせて頂いた
プロジェクトKUTO-10の第12回公演「楽園!」の幕が開いたようです。
まずは大阪公演から。
そして来週には初の東京公演もありますよ。

ちょうど「ネコ」の大阪公演と被っておりまして、
大阪では拝見できませんが、
来週には東京にて拝見しようと思っております。
そんな記念すべき公演ですが、
まあぶっちゃけて言えば余り売れていないようです。

なんでだ!
KUTO-10面白いのに!
特に今回は割と取っつきやすい演目のようですので、
ちょっと気になる方は覗いてみて下さい。
大阪でも東京でも良いですよ。
是非是非!

2012/01/25

青春漂流記

先日、劇団鹿殺し「青春漂流記」を見てきました。
例によって鹿殺しらしい、若さ溢れる勢いのある舞台でした。

が、今回はいつもよりも洗練されたような印象がありました。
場面転換とか話の流れがスッキリしていて、
今までよりもこなれた感じを受けたんですよ。
これが成長ってコトなのではないでしょうか。
毒っけが少ないとも思いますが、
こういうストレートな時があっても良いのではないでしょうか。
絵的にも美しい見せ方ですし、展開もスッキリしていました。
すんません、
なんか偉そうな言い方ですが、ここ何作も見ている先輩として、
若手が育ってきている嬉しさからの発言だと思って下さい。

今作には聖子さんや仁さんなどの新感線組が初出演している上に、
廣川さんや谷山さんなどの常連組も劇団員も大活躍で、
ベテランと若手が上手く噛み合っていたように思います。
聖子さんはもちろん話の中心で大活躍だったのですが、
個人的には廣川さんの「ジョージさん」が素敵でした。

これからもドンドン公演を打って頑張って欲しい劇団です。
今週いっぱい、紀伊國屋劇場にて公演ですよ。

と、これだけ誉めておいてなんですが、
見るまでタイトルが「青春放浪記」だと思っていました。
すんませ〜ん。

2012/01/20

スパマロット

先日、赤坂ACTシアターにて上演中の「スパマロット」を見に行ってきました。
もうすぐ50歳だと言うのに、池田成志先輩が
なんか全力で馬鹿をやっている姿に感銘し、
自分ももっともっと頑張らなければと思った次第です。
個人的にも大変面白く観劇いたしました。

ご存じの方はご存じだと思いますが、
そしてご存じで無い方はご存じではないと思いますが、
この作品はモンティ・パイソンの映画「ホーリー・グレイル」を
ミュージカル化した作品の日本語版です。
ブロードウェイで上演され、トニー賞まで獲った作品ですが、
やはり原作映画を知っている方が楽しめます。
ていうか、やはり原作ファンに向けて作っているように感じられます。

先日観劇した「ロッキー・ホラー・ショー」もそうなのですが、
やはり原作映画を知っている方が楽しめるような気がするんですよ。
「ロッキー」にはロンドンオリジナルミュージカルがあり、
「スパマロット」にもブロードウェイミュージカルがありますが、
とりあえず映画版が好きかどうかが好き嫌いの分け目になりそうです。

もちろん、作る側としては初めてその作品に触れる方にも
できる限り判りやすいように、楽しめるようには作るのですが、
やはり原作を知っている方が楽しめるようになっちゃうんですよね。
原作ありの舞台にはそういう難しさがついて回ります。
良い悪いではなく、そういう宿命を背負ってしまうのです。

原作付きの作品といえば、現在私が出演中の舞台
「十一ぴきのネコ」も馬場のぼるさんの絵本が原作です。
その作品を井上ひさし先生が大胆に脚色して、
大筋だけは同じだけど、かなり色合いの違う作品に仕上げた戯曲です。
こちらは、逆に原作絵本を知っている方には戸惑いがあるかもしれません。
なにしろ大胆に脚色されておりますので。
でも、そういう方にも楽しんで頂けるようになっていると思います。
ミュージカルではありますが、あまりミュージカルっぽくはありません。
ミュージカルが苦手な私が言うのですから確かです。

さすがに土日はほぼ満席のようですが、
平日ならまだまだお席があるようですので、
気になる方は是非ご来場下さい。
二月には山形公演、大阪公演もありますよ。