2014/06/27

地テシ:057 「ゲームウォーズ」の巻 前編

みなさんは電車などで本を読んでいて乗り過ごしたコトってありますでしょうか? 本に夢中になってしまって、気がついたら降りるべき駅を通り過ぎていた。そういう体験って誰しも何度かはあるのではないでしょうか。私は何度も何度もありまして、ありすぎてどの本がそうだったかは思い出せません。
乗り過ごすだけならまだしも、乗り損ねたこともありました。本を読みながらホームに立って次にくる電車を待っていたのですが、気がついたらその電車は出て行くところでした。しかも終電さ! 電車って、来たら結構な音がするよ! たくさんの人も乗り降りするよ! ざわつくよ! なのに気がつかなかったんですよね。本に夢中になりすぎて。仕方ないので、すぐに駅前のタクシー乗り場でタクシーに乗ったら、運転手さんから「あれ、まだ終電あるでしょ」と言われ、「本を読んでいて夢中になって、気がついたら出て行くところでした」と答えたら、「高い本代になりましたね」と言われたのはよく覚えています。でも、その時に何を読んでいたのかは覚えていないんだなあ。
なので私は楽屋では本を読まないようにしています。夢中になりすぎて出トチリしたら大変ですから。空き時間に楽屋で本を読む人は意外と多くて、小説や雑誌や漫画など、人それぞれの時間を過ごしているのですが、私はなるべく本は読まないようにしています。のめり込んじゃうから。

あるいはこういう経験は? 私は夜、寝る前に本読むことが多いのです。ちなみに、その時読む本は、昼間読んでいる本とは別でして、つまり昼間持ち歩く本と夜枕元に置く本は別なのでして、コレは単に一々本を取り出すのが面倒くさいというだけの理由です。
まあとにかく、2〜3ページ読んでいる内に眠くなって寝てしまうというサイクルで読んでいるのですが、たまに続きが気になって眠れなくなるコトがあるのですよ。初めのうちはチマチマ読んでいるのですが、物語が佳境に入ってくると面白くなって止まらなくなっちゃう本がたまにあるのです。これは小説に限らず、雑学本や伝記、解説書など、ジャンルにかかわらず気になる本というモノはあるのでして、もう続きが読みたくて仕方が無い、結果として夜を徹して読み上げてしまうなんて場合もありました。
こちらの方は、さすがに書名をいくつか覚えていますね。いくつかだけですけど。例えば高校生の時に読んだ栗本薫さんの「グインサーガ外伝1 七人の魔導師」とか、大人になってから読んだロバート・A・ハインラインの「夏への扉」とかアイザック・アシモフの「ファウンデーション」とかオーソン・スコット・カードの「エンダーのゲーム」とか。他にもたくさんあったのですが忘れちゃいましたかねえ。全部SFなのはしょうがないね。
これらの作品の共通点は、序盤はそれほど気を入れて読んでいなかったコト。初めのうちは数ページずつ読んでいたのですが、中盤から止まらなくなって一気に読み切ってしまいました。初めは電車の中で読んでいたのに、続きが気になって家に帰って読み切ったりもします。最初から最後まで一気に読み切ったことはありませんが、それはチマチマ読むクセのある私に限るのかもしれません。

さてさて、まあそんな読書ペースの私ですから大した量は読んでいませんが、近頃読んだ本で同じような経緯を辿った小説がありました。初めは電車の中でチマチマ読んでいたのですが、途中から続きが気になって、家に帰って一気に読んじゃったってのが。ああ、前置きが長かった。


ゲームウォーズ(上) (SB文庫)
ゲームウォーズ(上) (SB文庫)

それはアーネスト・クラインの「ゲームウォーズ」(SB文庫)です。映画シナリオ作家である著者の小説デビュー作。正直言ってB級SFだと思います。しかし! 私のような昭和ギークの心を掴んで離さない魅力があるのですよ今作には!

ええと、前置きが長過ぎちゃったので、内容については次回。

2014/06/22

捨て猫

最近気に入っているTVCMがこちら。




スクウェア・エニックスさんの「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」のTVCMですね。
能年玲奈さんがスライムに扮するスマホゲームのCMなんですが、能年さんの可愛さも印象的ですが、なんだか切なさもありますよね。

この切なさ、なにか記憶にあるなあと思い出したのがこちら。



PlayStationでリリースされ大人気となった「どこでもいっしょ」の追加ディスク「こねこもいっしょ」の広告です。当時、どの駅だったかは忘れましたが、駅貼りの巨大ポスターで見て物凄く心揺さぶられたのを覚えています。 切ない! 切なすぎる!
心は揺さぶられたのですが、買ったかどうかは覚えていません。買わなかったのかよ! いや、覚えていないので判りませんが、発売されたのは2000年なのでさすがに覚えておりません。ただ、このポスターは凄くインパクトがあったのよ。

やはり「雨の中に捨てられている」という王道シチュエーションが強いのでしょうね。切なくなります。
しかし、このコピーは秀逸ですね。

そうだ
にんげんになれば
もう
すてられないニャ。

篠突く雨を見上げるトロ(子猫時代)の画像と共に強く記憶に残るポスターでした。

2014/06/05

地テシ:056 今、世田谷が熱い! の巻

長かった「蒼の乱」(57ステージ!)も無事に終了し、次は「ラストフラワーズ」(62ステージ!)の稽古です。なんだかついこの前まで一緒だった人たちとまた一緒になりますよ。もう毎日毎日顔を合わせている人々なワケですが、でも大丈夫。「ラストフラワーズ」では約半分が新しい顔ぶれですから。これもまた楽しみですね。どうなるか判らないけど。

さあ、米apple社が待望の新OS X・Yosemiteと、新iOS・8を発表しましたね。
http://japanese.engadget.com/2014/06/03/wwdc-2014-ios-8-os-x-yosemite-swift/#continued
YosemiteはiOSっぽいフラットなデザイン。iCloud Driveや新safariなど、ネットとの親和性を更に向上、iPhoneとの連携も強化されてハンズフリーで通話できたり。
iOS8は複数のアプリを簡単に行き来できたり、キーボードが改良されたり他社キーボードを使えるようになったり、ユーザビリティが向上しているようです。また、写真アプリが強力になる模様。
いずれも正式リリースは秋頃になるようですね。ハードウェア関係の発表が何もなかったのが残念です。


いやあ、しかし暑いですねえ。6月上旬としては異例の暑さですが、まあ異常気象というほどでもないそうですよ。しかし北海道は相当に暑いそうで、お体にお気を付け下さい。梅雨入りするとちょっと涼しくなるらしいですが、今度は雨が心配ですね。西日本の皆様は大丈夫でしょうか。
さて、北海道や西日本も暑いですが、東京も暑いですよ。そして、特に今、世田谷が暑いです! いや、熱いです!

私は「ラストフラワーズ」の稽古が始まるまで観劇週間でして、色んな劇場に足を運んでいるのですが、二日続けて世田谷で刺激的な体験をしました。
世田谷の劇場といえばもちろん世田谷パブリックシアターとシアタートラムでしょう(実は下北沢も世田谷区なんですけどね)。世田谷パブリックシアターでは「THE BIG FELLAH ビッグ・フェラー」、シアタートラムでは「関数ドミノ」が上演中です。

http://setagaya-pt.jp/theater_info/2014/05/the_big_fellah.html
「THE BIG FELLAH ビッグ・フェラー」は北アイルランドのテロ組織・IRAのニューヨーク支部が舞台。その闘争の物語を30年に渡って点描していくのですが、とても重い内容なのに描き方が軽やかなのです。手練れの俳優陣に優秀な若手演出家が描き出す人間くさいテロリストの日常。さっきまで笑って観ていたのに、急に足元の地面がガラガラと崩れていくような感覚。
鮮やかな演出も、生き生きとしたキャストもスタッフも印象的なのですが、特に小林勝也さんがお見事でした。たった1シーンにしか出ていないのに! そして加湿器をオススメしてくれた成河さんの可愛さったら!
「蒼の乱」でも民族闘争が描かれていました。それぞれに正義があり信念があり生活がある。この作品が、つまり北アイルランドとイギリスとの抗争を描いた舞台が現代のロンドンで上演された意義は計り知れないと思います。

http://setagaya-pt.jp/theater_info/2014/05/post_361.html
「関数ドミノ」はイキウメの作品。イキウメといえば昨年の「獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)」の衝撃が忘れられません。作・演出は数々の賞に輝く前川知大さん。前川さんの作品は佐々木蔵之介くんのTeam申や「奇ッ怪」シリーズでも拝見していますが、イキウメの公演を観るのは今日が二回目です。
ある交通事故で起こった奇跡。あり得ない現象を説明するために、ある男が提唱するドミノという理論。前川さんお得意の現象説明SFです。勝手な印象でごめんなさい。でも、個人的には、前川さんの作品って、クリストファー・ノーラン監督の作品群のように、設定されたあるSF的事象を説明するコトによって揺れ動く人の心を巧く描いているように思うのです。
今作でも、スタイリッシュな演出と達者な劇団員たちが観客の心を弄びます。次々と変わる場面と疾走感、あからさまな笑いではないが的確な面白さを笑っている内に、気がついたら氷のような冷たい手で締め上げられているような感覚。

どちらの作品も、軽やかに演じられていく内に心根が寒くなるような感覚を味わうという、演劇の醍醐味が詰まった舞台でした。「ビッグ・フェラー」は6/8まで、「関数ドミノ」は6/15まで。
そういえば先日無事に沖縄で大千秋楽を迎えた、ねずみの三銃士「万獣こわい」のシリーズもそういった傾向を持つ作品ですね。ちょっと括り方が大雑把すぎるかもしれませんが、こういうピリピリくる演劇作品って堪らないんだよなあ。そんなピリピリを求めて劇場に向かうのかもしれません。いや、ほんわかした作品も大好きなんですけどね。要するに舞台が好きなんでしょうね。
皆さんもこの梅雨、雨にも負けずに色々と劇場に行ってみて下さい。いろんな刺激がありますから!

2014/05/29

終わる舞台と始まる舞台

「蒼の乱」全57ステージ、全員無事に終わりました。
ご来場頂きました皆様、ありがとうございました。
そうでなかった方々も、またいつか劇場にお越し頂ければ幸いです。

まあね、ちょこちょことは色々ありましたが、とりあえずはみんな無事です。評判も良かったようで、関係者一同ホッとしております。

このように終わる舞台があれば、始まる舞台もありますよ。
プロジェクトKUTO-10「ストレッチポリマーインターフェース」の東京公演は今日から! 下北沢の「小劇場B1」にて!
この週末です!

 
















2014年5月29日(木)〜6月1日(日)ですよ!
チラシ表面に書いてないから日程を書いておきます。ってそんなデザインにしたのは誰だ! 私だ! すみません!

先週終わった大阪公演も好評だったそうですが、同じ大阪に居るとはいえ、こっちも本番をしておりますから見に行けなかったのが残念です。
だもんでもちろん私も東京公演を見に行きますよ! 久しぶりに楠見薫さんや中道裕子さんに会うのも楽しみです。
そういえば楠見さんは「大田王2014ジゴワット〜Back to 2015」 にもご出演なさるから、楠見さんの今夏舞台のチラシを続けて作っちゃったんですね。
その話はこちらをご参考に。

さあて、他にも見に行きたい舞台がたくさんで、しばらくは観劇で忙しくなりそうです。皆さんも色々見に行って下さいませね!

2014/05/27

地テシ:055 象印マホービンさんの加湿器の巻

家電話の続き。続くんかい! この冬買った家電はまだあるんです。まだあるんかい! あるんです。イイんです(ジェイさん風)。そう、冬と言えば乾燥、乾燥と言えば加湿器。そうです、加湿器を買い足したのです。
俳優にとって乾燥は大敵。喉にもお肌にも良くありません。また、部屋が乾燥しているとインフルエンザなどのウイルスが繁殖しやすいというデータもありますから、冬場には加湿器が必需品ですね。
今まで私が使っていたのは加湿機能付きの電気ファンヒーター。暖房も加湿も行えて便利なのですが、やはり少々パワー不足だったのです。

ところで、劇場の楽屋にも加湿器が用意されているコトが多いのですが、昨年の「ショーシャンクの空に」のツアー中、ある劇場の楽屋に用意されていたのが象印マホービンさんの加湿器でした。
象印の加湿器? 象印さんといえば台所家電というイメージがあったので驚きました。すると、アンディ役の成河さんが随分と誉めるのですよ。成河さんが言うには「加湿器界の革命」とまでいわれるほど革新的らしいのです。

加湿器には、大きく分けて気化式、超音波式、スチーム式の三種類があります。常温の水にファンで風を送って蒸発させるのが気化式、超音波振動で水を霧状にするのが超音波式、そしてお湯を沸かして沸騰させるのがスチーム式ですね。またこれらを混ぜ合わせたハイブリッド式というのもあります。それぞれに一長一短ありますので、ご家庭の都合に合わせてお選び頂ければ幸いです。

で、象印さんの加湿器はスチーム式。
http://www.zojirushi.co.jp/syohin/comfortable/EERH.html
電気でお湯を沸かすと言えば電気ポット。そう、要するにこの加湿器は大型の電気ポットなのです。だから台所家電の象印さんが出しているんですね。
見た目もかなり電気ポットです。ポットからお湯の注ぎ口を排除したような形。つまり取っ手の付いた円筒型ですね。色味もそうなので、ほぼポットです。で、このポットっぽい形がその革命性と関係があるのです。

加湿器というのはメンテナンスが大変ですよね。お使いになった方ならお判りかと思います。特に気化式。フィルターに水を含ませてファンで風を送り、気化させる。それが故に室温でローコストに加湿することができますが、フィルターがカビてしまったり目詰まりを起こしたりするので、フィルターのメンテナンスが不可欠です。また、どうしても構造が複雑になるので手入れも大変です。
一方、スチーム式でも水タンクやヒーターまわりはメンテが必要で、これもまた結構大変なんですよ。

そこで象印さんのこの製品です。この製品には水タンクがありません。電気ポットのように内槽がそのままタンクになっていて、そのまま加熱されます。まさしく電気ポットと同じ。電気ポットの上部蓋に蒸気が出る穴が開いているだけ。そのまま水がなくなるまで煮続けるのです。

電気ポットのように超広口だから水を入れるのも捨てるのも簡単。構造がシンプルで余分なフィルターやバルブが無いからメンテも超簡単。クエン酸洗浄機能も付いているから、クエン酸を入れて洗浄ボタンを押すだけ。そしてお湯を捨てるだけで完了。なんなら「ポット洗浄中」を使う手もあります。

この加湿器のおかげでこの冬は乾燥せずに済みました。弱点としては、割と電気を食うことと、シュンシュンという湯沸かし音がそこそこすることくらい。ただし乳幼児がいるご家庭では注意した方が良いでしょう。蒸気口が高温だから。
なお、この製品についてもっと詳しく知りたい方はこちらのリンクへどうぞ。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0711/27/news003.html
ただ、そろそろ梅雨で、むしろ除湿器の方が欲しくなってきていると思いますけどね。梅雨時に加湿器の話をする私の方がどうかしています。ええと、年末あたりにでも思い出してあげて下さい。


さてさて、なぜだか大阪の空の下から東京自宅の家電自慢を連投してきましたが、気がついたら「蒼の乱」大阪公演もラスト一回で終わりです。つまり大千秋楽です。色々ありましたが、まあなんとかみんな無事です。このままラストまで無事に行きたいものです。いや、なんとしても無事に終わらせますぞ−!