2013年の一月も半ばを過ぎ、皆様いかがお過ごしでしょうか? 私は毎日のようにジパンク上演中です。初日が開いて一ヶ月以上やっておりますが、やっと全ステージの半分に到達したところです。まだまだ先の長い旅路です。でも、みんな元気にやっておりますよ。
さて、そんなこんなの去る1/12、ゲキ×シネ「髑髏城の七人」が全国で公開され始めましたね(それ以前に先行上映はあり)。
さて、そんなこんなの去る1/12、ゲキ×シネ「髑髏城の七人」が全国で公開され始めましたね(それ以前に先行上映はあり)。
http://www.geki-cine.jp
ゲキ×シネ第十弾ということもあり、今作は実に気合いの入ったゲキ×シネとなりました。私は関係者試写会で既に見ていたのですが、その完成度の高さに驚いたモノでした。
今作の見所は何点もあります。小栗旬さんの格好良さ、森山未來さんと早乙女太一さんの殺陣による会話のような華麗なアクション、小池栄子さんの妖艶さ、勝地涼さんの男っぽさ(とバカさ)、仲里依紗さんの軽快さ、千葉哲也さんの重厚さ、そして10作目であること。
もちろん新感線ならではの派手さとかキメどころとか、美麗なセットも照明も、このゲキ×シネでは舞台での魅力を最大限に伝えてくれています。出ている私が言うのもなんですが、実に見応えのあるピクチャーショーになっています。
しかし! ここで私はあえて言いたい! 今作の最大の魅力は「音」にあると!
劇団☆新感線の「音」方面の魅力はたくさんあります。岡崎司さんによる重厚で華麗な劇中音楽、長年のつきあいで素晴らしい音を鳴り響かせる音響スタッフ、これまた長年のつきあいで阿吽の呼吸で音を出してくれる音効スタッフ、サンプラーと呼ばれるマシンでまるで演奏するように鍵盤を叩く効果音スタッフ、大劇場ならではの贅沢なサウンドシステム。
新感線全スタッフの中で最も長いつきあいなのが「音」関係のスタッフなのです。だからこその充実と信頼のスタッフなのですが、今ここで言うゲキ×シネの「音」的な完成度はちょっと違ったアプローチなのです。
少々話は変わりますが、私の自宅には大型液晶テレビとBlu-ray Discと5.1chサラウンドシステムが有り、ちょっとしたホームシアターのような環境でして、ハリウッド映画なんかを見ますと、それはそれはかなりの大迫力です。自慢のようですが、まあ自慢ですね。ああ自慢さ。とはいえ仕事上の必要もありますので、趣味と実益を兼ねた環境なのです。
で、つらつらと「映画っぽさ」というものを考える上で、何が一番重要なのでしょうか。大画面でしょうか。高画質でしょうか。今や大画面テレビとかBDとかは、大抵のご家庭にもあるありふれたシステムです。地デジ放送でも充分に高画質なんですよ。
となれば、最も費用対効果のある「映画っぽさ」を実現するのは「音響」なんです。5.1ch以上をそこそこの大音量で聞ける環境、これが最も「映画っぽさ」を演出するファクターだと思うのです。
実際、私の部屋で映画を見ますと、この音響の部分によるグレードアップ感が一番満足のいくモノになっています。そこそこの大画面にそこそこの高画質に、ハイグレードな音響。それが映画っぽさを醸し出すのです。
ことほど左様に「映画っぽさ」には音響方面の効果が重要だってコトですね。
話が逸れました。いや、逸れていません! 映画っぽさを盛り上げるには音響方面のグレードアップが効果的という話です。そして、それが今作のゲキ×シネでのポイントになっているのです。
「髑髏城の七人」を試写会で見ながら、なんとも今作は映画っぽいなあと思っていました。カメラの数? 編集? いやいや違うな。何だろう? とか思いながら見ていたのですが、途中でハタと気がつきました。「音」が違う。
ここでいう「音」とは音楽ではありません。いわゆる効果音。Sound Effect。SEが舞台版とは違っているのです。
私は実際の舞台に立っていましたし、稽古でも全てのシーンを見ていますから、効果音が違うことに気がつきました。そして、それがリアリティというか「映画っぽさ」を押し上げていることに思い当たったのです。
先ほども書きました通り、新感線では効果音の多くをサンプラーと呼ばれるマシンで出しております。見た目は普通のキーボード(楽器の方ね)なのですが、その先にはコンピュータが接続されており、様々な効果音をリアルタイムで出すことができます。これによって役者の動きに合わせて効果音を出すことができるのです。例えば殺陣での剣戟の音。あの「カキーン」とか「ズバッ」とかいうSEがアクションとドンピシャで出るのはこのサンプラーのおかげです。また動きから出る風音や物を置く音、扉を開ける音などもサンプラーです。熟練したスタッフが操っていますので、まさしくドンピシャで出るのですが、それでも効果音を出すには限界があります。操作する指の数にも、用意する音源の数にも限界があるのです。
もちろんできる限りリアルにするためにスタッフは頑張ってくれているのですが、やはり限界はあるのですね。何しろリアルタイムで出していますから。
しかし、ゲキ×シネの編集に於いては時間はたっぷりあります。色んな部分で更に手を掛けたグレードアップができるのですが、今作ではそれが効果音方面に顕著だったように思うのです。
例えば足音がキャラクターによって違ったり、扉を開ける音が重厚になっていたり、物を置く音にエフェクトが掛かってリアルになっていたり。とにかくリアルというか、映画っぽくなっているのです。
そこで、ゲキ×シネスタッフに確認してみました。今回、効果音をいじったり足したりしていますか、と。そうすると、やはり効果音をグレードアップしていたそうです。そして、今回はその点に重点を置いていたそうです。
道理で。今作がやたらと映画っぽいのには効果音方面の努力があったからなのだなあと再確認した次第です。もちろん実際の舞台では実際に演じているのですから、そこから醸し出される空気感としての「音」がありますが、それをゲキ×シネで再現するためには更に手を掛けると効果的だってコトですね。そこから生まれるリアル感、そして映画感。それが作品としての質を上げているのだなあ、とかそんなことを思いました。
そういえば「シレンとラギ」のゲキ×シネ化が決定したそうですね。
ゲキ×シネ第十弾ということもあり、今作は実に気合いの入ったゲキ×シネとなりました。私は関係者試写会で既に見ていたのですが、その完成度の高さに驚いたモノでした。
今作の見所は何点もあります。小栗旬さんの格好良さ、森山未來さんと早乙女太一さんの殺陣による会話のような華麗なアクション、小池栄子さんの妖艶さ、勝地涼さんの男っぽさ(とバカさ)、仲里依紗さんの軽快さ、千葉哲也さんの重厚さ、そして10作目であること。
もちろん新感線ならではの派手さとかキメどころとか、美麗なセットも照明も、このゲキ×シネでは舞台での魅力を最大限に伝えてくれています。出ている私が言うのもなんですが、実に見応えのあるピクチャーショーになっています。
しかし! ここで私はあえて言いたい! 今作の最大の魅力は「音」にあると!
劇団☆新感線の「音」方面の魅力はたくさんあります。岡崎司さんによる重厚で華麗な劇中音楽、長年のつきあいで素晴らしい音を鳴り響かせる音響スタッフ、これまた長年のつきあいで阿吽の呼吸で音を出してくれる音効スタッフ、サンプラーと呼ばれるマシンでまるで演奏するように鍵盤を叩く効果音スタッフ、大劇場ならではの贅沢なサウンドシステム。
新感線全スタッフの中で最も長いつきあいなのが「音」関係のスタッフなのです。だからこその充実と信頼のスタッフなのですが、今ここで言うゲキ×シネの「音」的な完成度はちょっと違ったアプローチなのです。
少々話は変わりますが、私の自宅には大型液晶テレビとBlu-ray Discと5.1chサラウンドシステムが有り、ちょっとしたホームシアターのような環境でして、ハリウッド映画なんかを見ますと、それはそれはかなりの大迫力です。自慢のようですが、まあ自慢ですね。ああ自慢さ。とはいえ仕事上の必要もありますので、趣味と実益を兼ねた環境なのです。
で、つらつらと「映画っぽさ」というものを考える上で、何が一番重要なのでしょうか。大画面でしょうか。高画質でしょうか。今や大画面テレビとかBDとかは、大抵のご家庭にもあるありふれたシステムです。地デジ放送でも充分に高画質なんですよ。
となれば、最も費用対効果のある「映画っぽさ」を実現するのは「音響」なんです。5.1ch以上をそこそこの大音量で聞ける環境、これが最も「映画っぽさ」を演出するファクターだと思うのです。
実際、私の部屋で映画を見ますと、この音響の部分によるグレードアップ感が一番満足のいくモノになっています。そこそこの大画面にそこそこの高画質に、ハイグレードな音響。それが映画っぽさを醸し出すのです。
ことほど左様に「映画っぽさ」には音響方面の効果が重要だってコトですね。
話が逸れました。いや、逸れていません! 映画っぽさを盛り上げるには音響方面のグレードアップが効果的という話です。そして、それが今作のゲキ×シネでのポイントになっているのです。
「髑髏城の七人」を試写会で見ながら、なんとも今作は映画っぽいなあと思っていました。カメラの数? 編集? いやいや違うな。何だろう? とか思いながら見ていたのですが、途中でハタと気がつきました。「音」が違う。
ここでいう「音」とは音楽ではありません。いわゆる効果音。Sound Effect。SEが舞台版とは違っているのです。
私は実際の舞台に立っていましたし、稽古でも全てのシーンを見ていますから、効果音が違うことに気がつきました。そして、それがリアリティというか「映画っぽさ」を押し上げていることに思い当たったのです。
先ほども書きました通り、新感線では効果音の多くをサンプラーと呼ばれるマシンで出しております。見た目は普通のキーボード(楽器の方ね)なのですが、その先にはコンピュータが接続されており、様々な効果音をリアルタイムで出すことができます。これによって役者の動きに合わせて効果音を出すことができるのです。例えば殺陣での剣戟の音。あの「カキーン」とか「ズバッ」とかいうSEがアクションとドンピシャで出るのはこのサンプラーのおかげです。また動きから出る風音や物を置く音、扉を開ける音などもサンプラーです。熟練したスタッフが操っていますので、まさしくドンピシャで出るのですが、それでも効果音を出すには限界があります。操作する指の数にも、用意する音源の数にも限界があるのです。
もちろんできる限りリアルにするためにスタッフは頑張ってくれているのですが、やはり限界はあるのですね。何しろリアルタイムで出していますから。
しかし、ゲキ×シネの編集に於いては時間はたっぷりあります。色んな部分で更に手を掛けたグレードアップができるのですが、今作ではそれが効果音方面に顕著だったように思うのです。
例えば足音がキャラクターによって違ったり、扉を開ける音が重厚になっていたり、物を置く音にエフェクトが掛かってリアルになっていたり。とにかくリアルというか、映画っぽくなっているのです。
そこで、ゲキ×シネスタッフに確認してみました。今回、効果音をいじったり足したりしていますか、と。そうすると、やはり効果音をグレードアップしていたそうです。そして、今回はその点に重点を置いていたそうです。
道理で。今作がやたらと映画っぽいのには効果音方面の努力があったからなのだなあと再確認した次第です。もちろん実際の舞台では実際に演じているのですから、そこから醸し出される空気感としての「音」がありますが、それをゲキ×シネで再現するためには更に手を掛けると効果的だってコトですね。そこから生まれるリアル感、そして映画感。それが作品としての質を上げているのだなあ、とかそんなことを思いました。
そういえば「シレンとラギ」のゲキ×シネ化が決定したそうですね。
http://www.geki-cine.jp/news/?p=42
次はどんな驚きを見せてくれるのでしょうか。実際の舞台に立った私でもその出来映えには興味をそそられます。どうぞ皆様もワクワクしながらお待ちください。そして、これから「髑髏城の七人」ゲキ×シネをご覧になる方は、是非効果音にも注意しながらご覧下さい。また新たな発見があると思いますよ。
次はどんな驚きを見せてくれるのでしょうか。実際の舞台に立った私でもその出来映えには興味をそそられます。どうぞ皆様もワクワクしながらお待ちください。そして、これから「髑髏城の七人」ゲキ×シネをご覧になる方は、是非効果音にも注意しながらご覧下さい。また新たな発見があると思いますよ。