2011/09/01

テシタル地上派 010 第六天神社の巻 その二

さて、前回の続き。すぐ書いちゃうけど。
現在東日本に数少なく残されている「第六天神社」は、元々は第六天魔王(他化自在天・波旬)を祀っていたのに、神仏分離令によって祭神を代えざるを得なかった、という話でしたね。
中には「第六・天神社」と分けて読み、天神さま(菅原道真)として地元民の信仰を集めている第六天神社もありました。杉並区の高井戸にある第六天神社もそうでした。なぜそれを知っているかと言いますと、最近お詣りに行ったからですね。
井の頭線高井戸駅からちょっと南にあるこの神社の祭神は例によっておもだるさま・かしこねさまとなっており、この二柱が祭神ではありますが、地元の方には天神様と言われているそうで、境内にも合格祈願の絵馬が祀られていました。こりゃ学問の神様扱いですな。
ちなみにサイトはこちら。
http://www.shimotakaido.org/tenjinja/index.htm
なにしろURLが「tenjinja」ですからね。

で、色々と検索しているウチに茅ヶ崎にある第六天神社に行き着いたというワケです。こちらの祭神もおもだるさま・かしこねさまと書かれているのですが、紹介されているこちらのサイト
http://www.jinja-fan.com/109kanagaw/10467822384.html
には本来の第六天魔王が祀られている(が形式上はおもだるさま・かしこねさまになっている)っぽいコトが書かれていたんですよ。ていうか、「本地垂迹説 (ほんちすいじゃくせつ)」という説(仏教の神様は神道の神様に一対一で対応するという説)では他化自在天はおもだるさま・かしこねさまに対応しているの で、同じ事を言っているのですけどね。

ええと、ちょっとややこしいかもしれません。とりあえず、現存する第六天神社の中で、一番他化自在天を祀っているっぽい神社が茅ヶ崎にあったというコトだけご理解下さい。
じゃあ、行こうじゃないの。茅ヶ崎に!



JR茅ヶ崎駅から西に約15分。一号線沿いに、つまりは東海道沿いに茅ヶ崎第六天神社はあります。創建は新田義貞の鎌倉攻め(鎌倉時代)の頃とも江戸時代とも言われております。鳥居の横に由緒書きがあり、そこには「あらゆる喜びを与えてくれる法力を持つ神」と書かれておりまして、やはり他化自在天が祀られているっぽいですね。
一通りお詣りした後、社務所にてお守りを買い求め、ついでにいくつか質問をしてみました。やはり、元々は他化自在天・第六天魔王を祀っていたようです。昔はこの辺りでも自宅で個人的に第六天魔王を祀っていた旧家もあったのだとか。
また、別の紹介サイト
http://www.m-y-star.com/shrine/tiga_dairokutenn/dairokuten.shtml
では、その由来について不明な点もあるというようなコトも正直に書いてあり、どうやらよく判らないというのが本当のトコロのようです。ですが、まあ、多分大元は他化自在天なんじゃない? 多分そうだよ! いろんな言い伝えを合算すればそういうコトだよ!

とか思いましたが、やはりちょっと不安に思ったので地元の図書館にて調べてみました。茅ヶ崎市立図書館に収蔵されている「十間坂の郷土史」(篠田貞太郎編/郷土愛好会)を当たってみますと、「江戸中期以後に建立と考えるのが妥当」とか「金剛院の守護神として建てられた」とか書かれており、ご祭神については「本来、第六天は沙舎跋堤と云い、訳して他化自在天と云う」とか「御祭神も仏神ではまずかろうと変更された」とも書かれているので、元々は他化自在天を祀っていたと思われます。ほらやっぱり!


では、なぜして第六天神社にお詣りしたのか? それは「髑髏城の七人」において私が第六天魔王を名乗る人の配下に居るから! そして余りにも周りに厄災が続いているから!
とりあえず、これ以上トラブルが起こりませんように、と祈らせて頂きました。困った時の神頼みというじゃありませんか。

で、ついでに茅ヶ崎の街をふらふらと歩いてみました。その話はまた今度。