2011/08/02

テシタル地上派 005 2011夏の任天堂の巻

「髑髏城の七人」の開演も間もなくですね。なかなかに面白く仕上がっているのではないかと思います。今までと同じようで違うドクロ。どうなっているかは舞台でお確かめ下さい。正直、私も幕が開くまで読めません。それくらい異質な感じですよ。

さて、つい先日、家庭用ゲーム界の雄、任天堂が色々と発表いたしましたね、いま、発表と打とうと思ったら間違えて「発砲」とタイピングしてしまい、慌てて打ち直しましたが、まさに発砲とも言える衝撃的な発表です。
7/28、任天堂が第一四半期決算(4〜6月)、いわゆるQ1決算を発表したのですが、なんと営業利益で377億円の赤字決算となりました。桁がデカ過ぎてピンと来ませんが、とにかく大赤字ってコトです。それにより株価も急落、Q2には株主に対して同社始まって以来の無配という結果を招き、役員報酬の減額も決定したようです。1400万株を持つ山内前社長は株価急落により240億円ほど損をしたんですって。
これまた額がデカ過ぎてピンと来ませんね。

直接の原因は3DSの不振とWii Uの研究開発費のようです。Wii Uの方は先行投資ですから納得できるとして、問題は3DSの不振の方ですね。
裸眼立体視という驚異のスペックで登場した3DSですが、値段設定がいわゆる任天堂上限の25,000円であったために売れ行きが芳しくなかったようです。いやいや、裸眼立体視だよ! しかもDS系列で今までのソフト資産も活用できるし、色々と専用のフィーチャーが用意されていましたよ? 私なんかにしてみればコレで25kなら安いんじゃないかと思ってしまうのですが、世間的にはそうは思われなかったようですね。ま、DSがあるからいいや的な判断で買い控えられてしまったのかもしれません。でも裸眼立体視ですよ! 画期的な変革ですよ! とは思われにくいだろうなあ。CMとかでもその魅力は伝えにくいしなあ。しょうがないか。

そんなワケで、同日、3DSが一万円値下げされるコトも発表されました。25kからいきなり15k。40%の値引きです。発売半年でこのような大幅値下げなんて任天堂では珍しい。それほどまでに切羽詰まっているというコトですか。まあ、そりゃそうだろうなあ。株価も暴落したしなあ。判りやすいテコ入れですが、触ってみて初めて判る3DSの魅力を伝えるためには仕方がない措置かもしれません。
年末にはマリオシリーズなどの同社人気のシリーズ新作が控えているので、それまでに稼働本体を増やし、勢いを付ける作戦だと思われます。ソフトが売れてこそのハードですからね。そもそもハードを安くしてソフトで儲けるという作戦は任天堂が得意とした戦法なんです。

家庭用ゲーム機の価格というのは、実は驚くほどお買い得なんですよ。時代の最先端の技術がこれでもかというホドに詰め込まれ、同時代のPCなんか目じゃないほどの高性能なんです。謂わば小さなスーパーコンピュータ。某国の軍がミサイルの部品にするために某ハードを大量に買い付けたとか買い付けなかったとかいう噂すらあったりなかったりするホドです。やけにボカした書き方だな。
まあ、それくらいに莫大な技術研究費と設備投資を掛けて開発されているんです。それを販売台数で割り、さらに部品原価を加えなければならないので実は高額なんです。生産台数が増えれば一個あたりの単価は下がりますし、時間が経てば技術革新により部品の値段も下がります。だから発売から一年半くらいすると値下げられたりはします。しかし! 発売直後の頃はそうではありませんから当然ハイコストなワケですよ。ですので、原価ギリギリ、あるいは売るごとに赤字が出るくらいの値段設定なんです。売れても儲けがでないか、もしくは損をするのです。

では、どうやって儲けるのか。それはソフトメーカーが、ソフトが一本売れるごとに何%かをハードメーカーに支払う「ロイヤリティ」という制度があり、それで儲けを出すのです(それだけではありませんが)。なので、ソフトが売れればハードメーカーも儲かる仕組み。当然、ソフトが売れなければハードメーカーは儲からない。しかし、ソフトが売れるためにはハードの台数が多く売れていなければならない。だから値段を下げる。そんなワケで、我々は高性能マシンを(性能の割には)安価に手に入れられるってワケさ。
確かに、3DS発売の頃には25kは高すぎるという評判でした。しかし、それほどまでに原価の高いマシンだったのでしょう。下げに下げて、我慢に我慢を重ねて25kだったハズです。それが半年も経たずに60%の値段に下がったってコトは相当な痛手でしょう。売れるごとに大損です。しかし、手にした時に与えられるエクスペリエンスに自信があるからこその決断だと思います。確かにビックリするから! 裸眼立体視スゲエ! これから、その機能を最大限に生かしたソフトが出てくると思うので、迷っている人は是非! 値下げは8/11。間もなくです。たったの15kですよ!

さて、ここからが本題。って前置き長いな! 長すぎるよ! 興味ない人には耐えられないよ! まあね。私もそう思います。そういう人は読み飛ばして下さい。で、本題ですよ。「じゃあ既に買っちゃった人は損だったの?」って話。一万円も差額があればソフトの2〜3本も買えちゃうってもんじゃないですか。ぼったくりだって話じゃないですか。ボルタック商店だって話じゃないですか。思わずWizネタも挟んじゃうって話じゃないですか。意味ないけど。
大丈夫、ご安心下さい。値下げされる直前の8/10までに買った方には「アンバサダー・プログラム」って救済措置が用意されています。先行購入者はファミコンやGBAのバーチャルコンソール作品を20本、無料でダウンロードできるんですって! まあ素敵! しかもその内10本はこのプログラムでしか手に入らない限定作品! なんとも太っ腹なプレゼントです。なかなか考えたもんですな、任天堂さん。

ただし! ココで注意が必要です。アンバサダー・プログラムに参加するためには8/10までに「ニンテンドーeショップ」にアクセスしておく必要があります。今までに一度でもアクセスしていれば大丈夫ですが、心配な人はもう一度繋いでおいて下さい。また、「ニンテンドーeショップ」のアイコンが見つからない人は本体を更新して最新状態にして下さい。詳しくはこちら。
8/10までですよ! 急いで! 持ってる人!

ええと、持ってない人は、ええと、8/11以降にお店で買えば良いんじゃないかと思います。買って裸眼立体視にビックリすればいいと思います。じゃ、そゆことで。