2019/07/13

地テシ:124 「けむりの軍団」と「メタルマクベスdisc1」

ああ、すみません。また間が開いてしまいました。二ヶ月ほどこのブログをほったらかしていました。その間に「+GOLDFISH」が無事に終わり、「ドナ禁カフェ 禁断のニッポン」at風知空知も終わり、そして「けむりの軍団」が始まろうとしている昨今です。
「けむりの軍団」については、私が書きました稽古場レポート「アワブロ」をご覧下さいませ→http://blog.vi-shinkansen.co.jp/?cat=7

そんなワケで、7/15に始まる「けむりの軍団」東京公演開幕直前でありまして、実にバタバタしておりまして、もちろんこちらも是非ご覧頂きたいのですが、その前にも見て頂きたいコンテンツがあるのですよ。そう! WOWOWにてオンエアされる「メタルマクベスdisc1」ですよ!
一年ほど前、豊洲のIHIステージアラウンド東京にて上演されました「メタルマクベスdisc1」が早くもオンエアです。久しぶりに古巣である新感線に帰ってきてくれた元劇団員の橋本さとしくんが主演のロックミュージカルっぽい作品です。7/13(土)夕方6:30からのオンエアですよ! お忘れなく!

7月だというのにやたらと寒い今年とは違って、やたらと暑かった昨年。その暑さと共にお送りした熱い舞台の「メタルマクベスdisc1」。我々も相当にバタバタしながら上演致しましたので、その出来が気になっております。私も録画して見ようと思いますので、WOWOW加入者の方は是非ともお確かめ下さいませ。無料期間とかもあるから、迷っている方はお試しで加入してみて下さいな。数多くの舞台、映画、ライブ、スポーツも見られますから損はないと思いますよ。
 
これから「メタルマクベス」シリーズも順次放映されて行くらしいので、そっちも気になりますよね。「けむりの軍団」と共にそちらもお楽しみ下さい。
そして、今年の私は後半も結構忙しいです。順次発表できると思いますが、年内はなんだか忙しくなりそうです。更に、ある映画にもチラッと出たりもしていますので、そちらもお楽しみに。

取りあえず「けむりの軍団」は舞台稽古の真っ最中。最終調整を行っております。面白くなりそうですし、最近の新感線にしては短めになりそうです。正式な上演時間は公式から発表されると思いますが、割と短めとだけ言っておきましょう。
では「メタルマクベスdisc1」「けむりの軍団」をどうぞお楽しみに!

2019/05/11

「+GOLDFISH」パンフレットのご注意

「+GOLDFISH」の初日が無事に開きました。紀伊國屋ホール一杯のお客様に盛大な拍手を頂きまして、幸先の良いスタートを切ることができました。どうぞ5/19の千穐楽までご愛顧いただきますようお願い致します。

でね、そのパンフレットについてちょっとご注意を。私も今日の初日に頂きまして、美麗な写真の多さに喜びました。たくさんのイケメンと美女の写真が一杯ですので、よろしければお買い求め下さいませ。
ただね、意外と大きいのよ。レコジャケくらいありそうな、つまり30cm四方くらいはありそうなパンフレットです。それが故に写真が美しいのですが、ご来場頂きます時のカバンのサイズにお気を付け下さい。新感線だったらよくあるデカさなのですが、プロデュース公演でこのサイズは珍しい。大きいことは良いことだ。ただ、カバンに入らないかもしれないから気をつけてね。
それと、パンフレットに掲載されている文中に盛大なネタバレがあるコトにも気付きました。左ページ上部の各キャラクター紹介の部分ね。開演前に読んじゃったら大変だ。裏を返せば終演後には物語の理解の手助けになるってコトですが、開演前に隅々まで読んじゃ駄目ですよ。
開演前には美男美女の写真をパラパラと楽しむ程度にして、文章は終演後にお読みになることをお薦めいたします。

そんなこんなで新宿は紀伊國屋ホールにてお待ちしております。なお、上演時間は休憩無しで2時間15分ほど。素敵なミステリの旅をお楽しみ下さいませ。

2019/05/09

地テシ:123 「+GOLDFISH」と紀伊國屋ホールの巻

いよいよ5/10から紀伊國屋ホールにて「+GOLDFISH」が始まります。西田大輔さんの作・演出による、ミステリでもありサスペンスでもあり、でも笑いもいっぱいある作品です。
古びた洋館に集められた12人の男女。たった一度だけ過去を振り返ることのできる魚。権利を得られるのはたった一人。そして隣町で起きた殺人未遂事件。様々な謎が謎を呼んで予想外の展開が待っています。

会場である紀伊國屋ホールにちゃんと出演するのは初めてです。ええと、ちゃんと、というのはチラッと出たことはあるのね。かつて紀伊國屋ホールにて上演されたG2プロデュース「BIGGER BIZ」には声のみで出演していたのですが、そのキャラクター自体は、タオルで顔を隠したりウサギの着ぐるみに入ったりして出演していたのね。基本的には舞台監督さんがその役をやっていたんだけど、二、三回だけ私がその役をやりました。だからチラッとだけ出てたってワケ。
なので、今回で初めてちゃんと出演するコトができるんですよ。数々の名作が上演されてきた歴史あるホールです。実はホールが入っている紀伊國屋ビルディングの竣工は1964年。私と同い年です。前川國男設計による、東京都選定歴史的建造物でもあるこのビルは、昭和から平成へと新宿の中心であり続けました。同い年の劇場に出演できるってのもなんか感慨深いですね。

何といっても書店の中にあるのがいい。私もよく紀伊國屋ホールに観劇に行きますが、開演前に各フロアを巡ってつい本を買っちゃうんだよね。ついつい買っちゃうんだよね。今回は出演ということで十日以上通いますから、また買っちゃうんだろうなあ。
今作はミステリですから、終演後には皆さんもきっと素敵なミステリが読みたくなっていることでしょう。文庫売り場は二階の北側、エレベーターや階段口からだと左側です。是非とも寄ってみて下さいませ。あ、19時の回にお越しならば開演前にね。終演後には書店は閉まっていますからご注意を。

そんなこんなで始まるよ「+GOLDFISH」。濃密な会話劇ですので、ストーリーを知っている私でも楽しく稽古が見られるんですよ。きっとお楽しみ頂けると思います。5/10から19まで、新宿の紀伊國屋ホールにて。私個人としては今年最初の東京公演です。そして令和最初の舞台でもあります。どうぞお楽しみに!

2019/05/06

地テシ:122 <4/23OA対応版>今回も音楽の話を その二

「偽義経冥界歌」大阪・金沢・松本公演が無事に終わりました。ご来場頂きました皆様、ご来場頂けなかった皆様、ありがとうございました。久しぶりの旅公演で各地の美味しいモノや美しいモノも堪能できました。これで偽歌はしばらくお休み。夏秋の「けむりの軍団」を挟みまして、来年2〜4月にはまた玄久郎や次郎や静歌に会えますよ。
しかし私としましてはその前の今年五月に「+GOLDFISH」があります。5/10(金)〜19(日)、紀伊國屋ホールですよ。10連休の後はぜひ紀伊國屋ホールに!

さて遅くなりましたが、例によって待っている人がいるかどうかも判らない「深夜の音楽食堂」の追加説明を致しますよ。4/23オンエアは洋楽中心にお送りいたしました。一曲目は私のリクエストでRaquel Rodriguezの「Hold On」(album「Miss Me」収録)。



番組ではイントロが曲紹介に被っているのですが、一番カッコイイのはこのイントロの出だしです。このピアノとオルガンとギターとベースとドラム。全楽器がユニゾンで奏でる一番最初の「ダーダー」の部分です。もちろん曲全体もボーカルも素敵な曲なんですが、出だしの二拍で心が持って行かれるのです。特にピアノの左手とベースがシンクロしているところ。なんかこういうのに惹かれるんですよね。
ちなみにこの二拍のコードがD♭maj7。番組の後半で話している、メジャーだけどちょっと切ない響きの和音であるメジャーセブンスです。

また、こちらの少人数編成バージョンもカッコイイですね。



こちらはラケルの歌唱力の凄さが際立っていますね。ギターも無類にカッコイイ。あと、猫がカワイイ。

二年前「音楽食堂」に出演した時に「レーベル買い」という話をしました。最近気に入っているレーベルがSweet Soul Recordsでして、このラケルのアルバム「Miss Me」の日本盤もSweet Soul Recordsによるリリースです。

二曲目は松重さんのリクエストでLouis Cole feat. genevieve artadiの「When You're Ugiy」(album「Time」収録)。



全編にわたるプツプツしたシンセベース(もしくはコンプレッサーとオートワウを強く掛けたエレキベース)の音が印象的なこの曲。本人がドラマーなので、シンプルで力強いドラムもカッコイイ。あと要所で聞こえるオーケストラヒットも懐かしいですね。松重さんに言わせると「変態」とのコトですが、随分とクセのある、でもキャッチーな音の作り方は最近話題のThundercatにも似ています。

最後は私のリクエストでBenny Singsの「Softly(album「City Melody」)。



ドラムとベースだけのシンプルなイントロに乗せて囁かれるウィスパーボイス。白玉のコード楽器がないからこそ際立つタイトなのにメロディアスなベースラインがカッコイイ。思わず鼻歌で追いたくなり、ボーカルが入ってからもベースラインを追いたくなり、するとベースが見事なカウンターメロディーになっていることに気付くのです。
そしてファンタジックでキラキラしたエレピ。もう、この曲はセブンスのオンパレードです。普通のセブンス(7)にマイナーセブンス(m7)、そしてメジャーセブンス(maj7)。それが故にキラキラしていて、それが幸せ感を導くのです。
ベニー・シングスは基本的にバックトラックがシンプルで音数が少ない。なのにファンタジックなのが不思議。歌声もフワフワしてるしね。

私が選んだ二曲のテーマは「幸せになる音楽」だったのですが、なんかそのカンジがお判りいただけますでしょうか。キラキラ感というか浮遊感というか、なんかファンタジックな曲。そういう音楽を聴くとなんだか幸せになるんだよという話です。まあ幸せの感じ方は人それですけどね。

取り急ぎこんなカンジ。曲はかけられませんでしたが、番組中で名前の出てきたアーティストもご紹介したいのですが、それはまたの機会に。次回は多分「+GOLDFISH」のご紹介になると思いますから。

2019/04/21

地テシ:121 <4/16OA対応版>今回も音楽の話を その一

「偽義経冥界歌」松本公演も間もなく終了。大阪から金沢、松本と桜前線を追うように移動してきた我々ですが、満開の桜に祝われるように公演を打ち、桜が散るように終わっていきます。これもまた出演者に藤原"さくら"さんがいるからでしょうか。来年の公演も桜の頃に終わりますよ。


さて、先日オンエアされましたFm yokohama「深夜の音楽食堂」の話をしましょうか。二年前に出演させて頂いた時も番組の補足説明をしたのですが、今回もちょっとご説明を。

まずは偽歌にもご出演して頂いている藤原さくらさんの「赤」(album「PLAY」収録)。ええと、正直言いまして今回共演させて頂くまで作品を拝聴したことがなかったのです。なので、慌てて「PLAY」というアルバムを買って、一番気に入ったのがこの「赤」という曲。こういう機会で聴く音楽の幅が広がるのは嬉しいモノですね。

番組でも言っていたように、スウィングビートにブルーノートが印象的に使われていて、全体的にブルージーな雰囲気のナンバー。これがまたさくらさんのスモーキーな声に合っていて好きな曲です。



ドラムのゴーストノートを含めたダルなタイム感、アコースティックベースの深い音、ウーリッツァーのハネるリズム、物憂げなアコースティックギター、きらびやかなエレクトリックギター。素敵だと思ったら、バックミュージシャンがSPECIAL OTHERSとSOIL&"PIMP" SESSIONSとH ZETTRIOじゃねえか。好きなバンドばかりだ。そりゃ好きだわ。
劇中では、さくらさんには歌だけでなくギターも弾いて頂いているのですが、これがまた巧い。いや、プロにいうのも失礼なのですが、毎ステージ感心しています。音がつぶれないんだよね。普通のアコースティックギターよりも小さめのトラベルギターなのですが、見事に弾きこなしています。これもまた聴きどころですよ。

二曲目は松重さんオススメのトム・ミッシュ「South of the River」(album「geography」収録)。デビューアルバムなのにこの完成度! ロンドン出身のこの若いアーティストは昨年大注目されましたね。ギターも巧いしバイオリンも素敵。マルチプレイヤーなのです。
実はこの曲、ずーっとコード進行は同じなのにベースのフレーズがどんどん変化していくのが格好いいので、ちょっとベースラインに注目して聞いてみて下さい。



そして三曲目がレキシさんの「狩りから稲作へ feat.足軽先生・東インド貿易会社マン」(album「レキツ」収録)ですよ。かつてフジテレビの深夜にオンエアされていた「アフロの変」という情報番組のMCがレキシさんとダイノジの大谷さんで、様々なカルチャーについて新しいトレンドを紹介していてくれて大好きだったのです。特に音楽については随分と参考にさせて頂きました。この番組で知ったバンドも多いのです。
レキシさんは様々な歴史上の人物や事件などをモチーフに曲を作る方でして、歴史好きの私も楽しめる上に曲もカッコイイ。そんな素敵な楽曲集めて舞台化した愛のレキシアター「ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ」が面白くないワケがない! てなワケで舞台も実に楽しかったです。みんな芸達者だなあ。
知り合いが多かったのも嬉しい。ウチの高田聖子姐さんはもちろん、山本耕史さん、八嶋智人くん、乃木坂46の井上小百合さん、山本亨さん、そして代役侍の前田悟さんに演出の河原雅彦さんですからね。やっぱり河原リーダーはこういうポップな作品を作るのが上手いなあ。



この曲についてもちょっと。これも4コードのループでずーっと同じなのですが、ビートが気持ちよすぎてずっと聞いていたくなります。実際、仕事のBGMとしてずっとリピートで聞いている時があります。やはりファンクはこうでなくちゃ。レキシさんがかつて所属していたファンクバンド「SUPER BUTTER DOG」も好きなのですが、ファンクのシンプルなコード進行の繰り返しってなにやら人間の根源的な興奮を揺り動かすカンジがありますよね。
この曲のドラムなんですが、一番ドラムっぽいクラッシュシンバル(パーンッってインパクトのあるシンバル)があまり使われていなくて、ハイハット(二枚のシンバルを向かい合わせた構造で、足ペダルで踏んでクローズにして叩くとチッチッと短い音がする)を足ペダルで踏まずにオープンで叩いて、小節の頭に「チーッ」というインパクトを入れているのです。これがまたカッコイイ。

今回、私は邦楽から二曲選ばせて頂きました。実は「演劇と音楽」というテーマで選んだのですが、それについては次回のオンエアでも話していると思います。ていうか、話したいことが多すぎて、でも松重さんとのお話も楽しくて、なかなか喋り足りない30分なのですよ。収録の前後にも同じくらいの量を松重さんやスタッフさんと話していますからね。是非ともまたゲストに呼んで頂きたいです。
次回は4/23深夜24:30からですよ! 洋楽が中心になります。次回も是非ともお聴き下さいませ。