2012/07/02

アルガード

私、鼻炎持ちなものですから、普段から坑アレルギー剤を飲んでおります。もちろん体調や季節に応じて判断していますし、それも耳鼻科で処方された軽めのヤツにしておりますが、劇場にいるとホコリに反応してしまうので飲むことが多いのですよ。
ただ、それが切れた時には売薬で済ませることもあり、最近ではロート製薬の「アルガード鼻炎内服薬Z」を使っておりました。コレは眠くなりにくくて割と良いのですよ。

で、今日、劇場に入る前に薬局で買おうと思いまして、時間が無かったので探す手間を省いて店員さんに聞いたのですよ。「ロートのアルガードありますか?」と。そうしましたら店員さんが、「アルガードにも色々ありまして。何色のパッケージでしたか?」と聞いて来るではありませんか。
最近ではパッケージごと机の上に置いてありましたから、即座に答えました。「銀と青色だったと思います」と。そうすると「ああ、それは置いていませんね」と答えられてしまいました。ここでふと不安になりましたので「では、何色のパッケージならありますか?」とさらに尋ねますと「金色のならありますけど」とか言われまして、念のため「ではそれを見せて頂けますか」とお願いしまして、出てきた製品を見て「あ、コレです」と言ってしまいました。

コレです。
 

まごう事なき金色のパッケージです。
本当にありがとうございました。

何が銀と青だよ!
こちとら、少ないとは言えデザインの仕事までしているんでい!
色彩把握能力にはある程度自信があるでい!

本当に済みませんでした。

で、どうやらこちらと間違えていたようです。
 

 まあ、どっちも鼻炎薬ですけどね。



ええと、そんなこんなで「シレンとラギ」、明日で千秋楽です。
ここまで無事にやってきましたので、こうなったら明日の大楽も無事に終えたいと思います。無事に終えてニョッ!としたいと思います。

だからなんだよ、ニョッ!って。

2012/06/23

任天堂とマイクロソフト

今、任天堂とMicrosoftが熱いですわよ!


任天堂が色々発表しましたが、中でも個人的に熱いのが3DS LL発売!

二回りほど大きくなった3DSってコトでして、大きくなった以外にはなんら新機能は無さそうですが、この「大きくなる」というのが重要なんです!
誰にとって?
そう、老眼が進んだオールドゲーマーにとってだ!

私ももう50歳近いワケですよ。そうなると老眼が出てくるワケですよ。元々近眼ですからそれほど深刻ではありませんが、電車内で文庫本を読んだりする時にはちょっとメガネを前にズラさないと小さな文字が読みづらくなってきております。これが老眼です。
携帯ゲーム機に関してもしかり。小さな画面の携帯機は読みにくくて困っていたのです。
そんな昨今に3DS LLが出るってんですから飛びつかない方がおかしいでしょう。これは買いです! ただし老眼の方のみ!
結構周りのゲーマーたちもそろそろそんなお年頃ですから、 みんな喜んでいるはずです。いや、今、私のゲーム友達の多くはPSO2のコトで頭がいっぱいだからそれどころではないか。いや、もうすぐ「カルドセプト」3Dが出るから気になっているはず!

そしてMicrosoftもタブレット機「Surface」を発表しました!

打倒iPad臭がぷんぷんしますが、このSurfaceは見た目こそiPadに似ていますが、全く違うコンセプトで作られているようです。
なによりも、近々発売予定の新OS「Windows 8」 との互換性を持っていること。Appleの場合、MacとiPadとの関係は「同期は取れるけれどもOSレベルでの互換性はない」のに対して、SurfaceならばWindows 8マシンとほぼ互換性がありそうなんです。
つまり、「MacはMac、iPadはiPad。上手く使い分けてね」という発想と、「Windows 8マシンとSurfaceは同じモノだから場所に応じて持ち替えてね」という発想。それが故に標準でキーボード内蔵のTouch Coverとスタンドを付けますよ、ってコト。超軽量なノートPC的な使い方を想定していそうです。

後発ならではの新しい発想。これまでタブレットと言えば「iPad対Android」という対立が出来ていましたが、これからはSurfaceが加わって面白くなりそうですよ!

最後に、もう一つゲーム関係のグチを一つ。
Xbox360+KINECTで話題の「重鉄騎」ですが、個人的には大期待だったのですが、なにしろ誤動作が多くて面白くなる前に挫折しそうですよママン! 助けてママン!
それよりも「Magic:The Gathering - Duels of the Planeswalkers 2013」が完全日本語対応で面白すぎて困っています! ついついプレイしちゃう!
ええと、結構忙しいのに久々にゲーム熱が戻ってきていますよ!

2012/06/20

テシタル地上派 027  WWDC 2012

ああ、気がついたら「シレンとラギ」も残り二週間を切りました! 永遠に続くかと思われた本番も、終わるときには終わるもんですねえ。いや、まだ終わってないけど。ここからがまた注意しなくてはならない期間ですけど。しまっていきましょう。

さて、去る6/11、アメリカでApple社の発表会・WWDC 2012が開催されましたね。いや、開催されたんですよ。あまり詳しくない方は、ああ開催されたんだなあ、とだけお思い下さい。とにかく新製品が発表される場です。
どのような新製品が発表されるんだろう、とAppleファンを中心に多くの人々が注目していました。私もネット速報を注視していました。ウソです。夜中だったんで寝てました。ほんで朝起きてまとめ記事で確認しました。
気になる方はIT系のサイトでご確認いただきたいのですが、ザックリとまとめてみましょうか。

●新OSXであるMountain Lionは7月発売
●iOS6は秋リリース
●MacBook Pro、MacBook Airシリーズが刷新
●新しいラインナップとしてMacBook Pro Retinaディスプレイモデルが発売
●AirMac Expressのデザインリニューアル

てな感じ。
それぞれについて細かく書きたいのは山々ですが、長くなりますので詳しく知りたい方はこちらで。
http://www.gizmodo.jp/2012/06/_wwdc2012_all_entry.html
http://japanese.engadget.com/2012/06/11/wwdc-2012/

ただ、コレについてだけは書かずにはいられないッ!
MacBook Pro Retinaディスプレイモデル!

retinaというのは「網膜」という意味で、人間の目が認識できると言われている解像度・300dpiよりも細かく表示できる液晶を「レティーナ・ディスプレイ」と名付けて、採用しているのです。
例えばiPhone4、4Sでは326dpiの液晶を、iPad 3rdでは264dpiの液晶を採用しており、かなり近くで見ても液晶のドットが見えません。事実、初めて店頭のデモ機でiPad 3rdを見たときは、液晶面に写真を貼り付けていると勘違いしてしまったほどです。そう、「まるで写真のようだ」というのがこのディスプレイの美しさを表 すのに相応しいと思います。

で、そんな高精細な液晶を初めてノートPCに搭載したのがこちらのMacBook Pro Retinaディスプレイモデルなのです!
もともとは、画面と印刷物が同じサイズになるWYSIWYGという概念により、Macのディスプレイは72dpiに固定されていました。しかし、時代と共 によりたくさんに情報を表示するためにディスプレイの解像度が上がってきました。今では110dpi程度になっています。
しかし、Retinaモデルに搭載されている液晶は220dpi。倍ですね。段違いに高解像度です。私もまだ実物は見ていませんが、相当に美しいディスプレイだそうです。これは気になりますよね!
(とかいいながら、Retinaディスプレイの解像度の定義が徐々に下がってきているのは気になりますけど。ま、220dpiでも充分に綺麗なはずです)

その他にも革新的な仕様が満載です。まずサイズと重さ。厚さが1.8cmで重さが2kg。最新スペック内蔵にしては驚異的な薄さと軽さです。
また、バッテリーが良くなって駆動時間が7時間というのも驚きです。
さらに最新規格の入出力ポートであるUSB3.0とThunderbolt、HDMIを搭載。その代わり従来の規格であるEthernetポートやFireWire800ポートが削られました。
また、光学メディア(DVDとか)のスロットも無く、マイク端子もありません。

要するに、古い規格を全て捨て、最新のポートのみを搭載し、光学メディアを排除して、無線LANによるクラウドストレージでのデータ交換などを視野に入れ、高解像度ディスプレイで美しい映像を見てね、ってコトですよ。
とにかく次世代を見据えて現在考え得る限りの最新技術を詰め込んだ、言ってみればコンセプトモデルのような存在なのです。
だから、最高性能ではありますが、今現在はその実力を発揮できないかもしれない、という先取りしすぎなモデルとも言えましょう。これらのポートに対応した 製品も少なく、またこの解像度に対応したアプリケーションもApple純正以外には少なく、その点に於いても不安があります。
私も欲しいのは山々ですが、実際のトコロ、コレをメインマシンにしてしまうと色々と不都合が出てきそうで恐いのも確かです。なので、来年以降に出たら買おうかな、程度の認識ですよ。


とまあ、WWDC 2012で発表された新製品をザッとご説明いたしましたが、ここからが本題です。まだ本題じゃ無かったのかよ!
前回書いた「17インチモデルが無い!」という叫びですが、そのまんまで申し訳ありませんが、「今回刷新されたMacBook Proのラインナップの中に17インチモデルがない」という意味でして、さらにRetinaモデルも15インチモデルだけですし、当然ながら MacBook Airに17インチモデルがあるはずもなく、とにかく新製品に中には17インチモデルは無かったのです。
しかも! それだけではありません! なんと、ラインナップが新製品に統一されたため、ネット上のApple Storeでは17インチモデルを買うことができなくなっていたのです! その前日までは買えたはずなのに、新製品発表と共に消え失せてしまったのです!
ええと上手く伝わっていないでしょうか? 私の興奮と驚愕がおわかりでしょうか? ちょっと不安ですが、要するに、今、17インチモデルを買おうと思えば、いろんなお店(実店舗、ネットショップ併せて)の店頭在庫分だけしかない、というコトですよ!
今回、17インチモデルが出なかったのは現実ですが、今後どうなるかは不明です。次の刷新の時には17インチが復活するかもしれないし、しないかもしれな いし、Retinaディスプレイモデルがでないとも限りません。まあとにかくいろいろ不明なのですが、現実問題として「今、新品の17インチモデルが欲し ければ店頭在庫を押さえるしかない」ってコトだコラー!

私の今のメインマシンである17インチを買って三年ほどが経ちます。色々と不満な部分も出てきていましたので、今回のWWDCで新製品が発売されれば速攻 で買うつもりでした。買い換える気マンマンでした。でも、発売されなかったどころかStoreから17インチが消えてしまったんですね。これは予想外!
ここからの私の思考です。
17インチを買うつもりだった人は多いはず→ 発売どころかラインナップから消えてしまった→ 一世代前の17インチが最新モデルと言うこと→ 今後17 インチが発売されない可能性もある→ となればコレが最後のモデルかもしれない→ 17インチが必要な人は店頭在庫を漁りにかかる→ 一気に在庫が無くな る!
という思考を展開するのにわずか0.02秒! 無くなる! 店頭からネットショップから市場から世界中から17インチモデルが無くなる!
そう思ってしまったら矢も盾も堪りません。今、まさに世界中から注文が殺到しているのではないか? 今、最後の一台が売れてしまったのではないか? そんな焦りが私を襲います。

しかし、このニュースが出たのが6/12(火)の朝。その日の公演は2ステージ。昼公演があるので早く家を出なければなりません。取り急ぎ、電車を乗り継ぎながら考えました。
最新技術の詰まったRetinaモデルを買うか? 高速美麗軽量だし、なによりみんなに自慢できるぞ! それとも順当に普通の15インチモデルを買うか?  来年辺りに出そうなRetina17インチまでのつなぎとして。 いや、いっそここはMacBook Airを買って持ち運べるようにするか?
電車の中で、そして歩きながら色々と考え、劇場に着く頃には考えが決まっていました。「17インチモデルを買おう!」ずっと17インチに慣れていた私が急 に15インチを使えば絶対に狭く感じるに決まっているんです。一世代前といっても去年の秋のモデルだし、つい先日まで最新モデルとして売っていたのですか ら。

さあ、そうなったら早速探さなくてはなりません。今からヨドバシやBICに行くわけにはいきませんからネットショップです。早くしないと売り切れてしまう!
こういう時にiPadは便利ですね。画面が大きいからPCで見ているのと大差ない大きさで確認できます。チェックしてみるとヨドバシ・ドットコムにも amazonにも楽天にも在庫はあります。しかし店によっては在庫僅少となっているものもあります。amazonの中でもいくつかの店が出していて値段も 在庫も様々。さあどれにするか?
私はamazonプライム会員ですからamazon本家からなら送料無料で翌日配達です。よし、じゃあちょっと高いけど本家から買おう。ついでに増設メモリも買おう。ポンポ〜ンとカートに入れます。
と、ここまでをストレッチやら本番準備やらの合間を縫って終えました。しかし、冷静になって考えてみると20万円を越える買い物です。そんな大きな買い物 を芝居の合間に劇場から買ってしまって良いものか? ていうか、ホントに買うの? 買い換えるの? 最新でもないPCを?
色々な思いが交錯します。確認するセリフの合間で交錯します。メイクするアイライナーの隙間から交錯します。いかん! このままでは芝居に集中できん! よし、買っちゃおう!
てなワケで、ポチッとiPad上の購入ボタンを押したってワケです。よーし、これで心おきなく舞台に集中できますよっと。そして翌日にはウチに届きましたよっと。でも忙しいからしばらく触れませんよっと。


ええと、そんなこんなで買っちゃいました。どうせOSのアップグレードとかデータの移行とか、例によってバタバタすることは目に見えていますから、それについてはまた後日ご報告したいと思います。
あと、もう一つだけご報告を。あれだけ焦って買いましたが、すぐに在庫が無くなると思いましたが、世界中の17インチファンが殺到すると思いましたが、世界中で血眼になって探されている思いましたが、案外そうでもありませんでした。今でも在庫あります。ぎゃふ〜ん!

2012/06/12

17インチがない!

17インチがない!

無い!

retinaは嬉しいんだけど

17インチモデルがない!

2012/06/11

さあ6/11!

いよいよ6/11、以前書きましたAppleのWWDC2012が開幕です!
いや、まだ開幕していません!
だってアメリカはまだ6/11の午前中だから!

えー、というワケで、WWDC2012は日本時間6/12の2:00から。
いったいどんな新製品が発表されるのでしょうか!
とりあえずiOS6は確定しているようですが、
他には何が出てくるんでしょうね!

とか言っている今日、微妙なニュースがリリースされました。
NTTドコモがタワーレコードを子会社化するそうです。

これがどのように影響するのか、私には全く判りません。
とりあえず良い方向に発展して頂ければ嬉しいのですが。
個人的にはタワレコには消えて欲しくないのです。
なのでCDはなるべくタワレコで買うようにしているくらいです。
amazonで探して「欲しいものリスト」に入れておいて、
それを見ながらタワレコで探して買う、というホドの入れ込み具合です。
だからなんなんだと言われても困りますよね。
うん、まあそれだけなんですけど。

そんなワケで、とりあえずWWDCは気になるけど、
明日は昼公演があるので長くは見ていられないな。多分。

2012/06/01

最近の舞台情報'12初夏

ええと、バタバタしているウチに「シレンとラギ」の東京公演が始まっていますよ。あ、大阪公演も無事に終わりました。私も元気です。そういえば最近天気が不安定ですよね。
バタバタし過ぎて近況報告がとっちらかってしまうほどですが、それは舞台のせいではなくて、空いた時間に舞台を見に行って飲み会に参加してしまっているからですね。自業自得です。

おかげさまで「シレンとラギ」はほぼ満席の状態でやらせて頂いておりまして、本当に有り難い話です。しかし、最近見に行っている舞台では、良い芝居なのに空席が目立ってしまっているのが残念です。まあ私が行くのが平日であるのも大いに関係しているかとは思いますが、それにしても勿体ない話です。
なので、そのうちのいくつかをご紹介して、少しでも動員に繋がればなあとか思いながら書いてみますよ。

まずは演劇集団キャラメルボックス「無伴奏ソナタ」。
http://www.caramelbox.com/stage/mubansou-sonata/
オーソン・スコット・カードの短編を原作としたSFというかファンタジーというか、でもヒューマンドラマでもある作品です。あらすじは公式サイトをご覧戴くとして、音楽の天才がある事件により音楽を禁止されるという、実に悲しくもどかしいストーリーです。
原作のオーソン・スコット・カードは「エンダーのゲーム」シリーズで有名な、私も大好きな作家です。元は短い小説ですが、それを上手く広げながら丁寧に描いていきます。シンプルなセットと効果的な照明も印象的で、演劇好きはもちろん、音楽好きにも共感を持って頂ける作品だと思います。
東京公演は終わってしまいましたが、神戸公演は6/2〜4に新神戸オリエンタル劇場にて。

次は青山円劇カウンシル#5〜true〜「リリオム」。
http://www.nelke.co.jp/stage/liliom/
こちらはハンガリーの作家モルナール・フェレンツが百年前に書いた戯曲を、映画俳優と小劇場俳優の混成メンバーで完全円形に仕上げた舞台。少々変わった構成にはなっておりますが、こちらも丁寧な描き方が印象的でした。飛び飛びの時間軸の中で、乱暴者である主人公・リリオムの内包する不器用な優しさが少しずつ立ち上がり、きらめいていく様はお見事です。
こちらは青山円形劇場にて6/3まで。

最後は入江雅人グレート一人芝居「マイ クレイジー サンダーロード」。
http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/iriehitori2.html
ご存じ入江雅人さんの一人芝居第三弾。最近は特に業界内で大評判となり、演劇関係者の間で語り草となっているシリーズ。ショートコントオムニバスという形態を取ってはいますが、やはりココまでクオリティが高いとやはりこれは「一人芝居」だと思います。
いや、内容はナンセンスコント中心なんだけど、何よりも入江さんの演技力の高さが際立ってるんだよね。で、このタイプのコントオムニバスだとスタイリッシュなのが主流だと思うのですが、全然スタイリッシュではありません。とにかく直球勝負。生身の入江雅人さんが一人で舞台に立っている。その存在感が圧巻です。
こちらも渋谷CBGKシブゲキ!!にて6/3まで。

いずれも今週末に終わってしまう舞台です。いずれも週末はチケットが売れていると聞いておりますので、行ってみたら満席だったという事態もあるかもしれませんが、今週末にお暇にしていらっしゃる方で何か面白い舞台が見たいという方がいらっしゃいましたら、是非に。

2012/05/15

大阪公演終了

えー、そんなこんなで「シレンとラギ」の大阪公演が無事に終了いたしました。ご来場頂きました皆様、ありがとうございました。
無事に終わってホッとしております。なによりも無事が大事。つくづくそう感じる今日この頃でございます。

で、東京に戻って参りました。一ヶ月ぶりの自宅。一人暮らしなので結構心配なんですよね。火事とか空き巣とか。なので扉を開けて何ともなっていないとホッとしております。ま、それが普通なのではありますが。
しかし、ホテル暮らしから自宅に戻ると色々ありがたく感じられますね。なによりもまず部屋が明るい! ホテルってなんであんなに薄暗いんでしょうね。シーリングライトがあるとないとでずいぶん違います。
それから好きな音楽が大音量でかけられること。ウチは隣室との繋がりがあまりないので大音量でも迷惑をかけないのですよ。
あとはバスタオルがバリバリで嬉しい。ホテルのフカフカのバスタオルって結構苦手なのです。なんか薄くてバリバリのバスタオルが好きなのですよ。水吸っている感が高いし。あと、リンスインシャンプーが楽でよいね。

まあ、要するに自宅に帰ってきてホッとしているというコトですね。こんな短いエントリーに三回も「ホッとした」という表現が出ていることに驚きますが、ホッとしてるんだからしょうがない。しかし何だ、「ホッ」って? 「フッ」じゃダメか? ダメなんだな? 少なくとも「ヘッ」ではないな。でも「モッ」だったらいいかな。「ニョッ」でもいいな。何を書いているんでしょうか、私は。
しかし公演はまだまだ続きます。まだ全体の1/3程しか終わってないんですよ、実は。 これからも怪我などに注意しながら無事にやり終えたいと思います。東京公演は青山劇場で5/24-7/2です。がんばりますとも! 全部無事に終えてニョッとしてやるぜ!

2012/05/13

テシタル地上派 026 Spheroの巻

さあ、「シレンとラギ」大阪公演も残り2ステージ。今回も長い旅でした。いや、公演という旅はまだ続くのですが、大阪の旅という意味での旅はもうすぐ終わります。無事に終えたいものです。家に帰るまでが遠足! いや、遠足ではありませんけど。

さて、旅に出ると買い物がしたくなりますよね。旅先ではおみやげを買うという場合もありますが、それとは別になんとなく気前が良くなっているというか金銭感覚が大雑把になっているというか、なんか普段は我慢しているようなモノも買ってしまったりするんですよね。
ま、私の場合は旅っつっても旅公演ですから本来は仕事なのですが、期間が長いと買い物にも行きたくなります。なるんです。気候が変わるからシャツの一枚も買いたくなってしまうのです。
そうそう、買い物といえば、梅田芸術劇場の近くにできた「MARUZEN & ジュンク堂書店 梅田店」ですよ! 前々から一度行ってみたいと思ってはいたのですが、なんとなく機会を逃しておりました。で、今回初めて行ってみたのですが、ここは凄いね! 国内最大級の売り場面積を誇るそうですが、広いだけでなくその品揃えも凄い。東京の大型書店も色々と見て回ってはいますが、今までそれらの店頭で見たこともないような専門書も置いてありました。
店内も広くて開放感があるし、トイレも椅子もたくさん用意されていて余裕のある作りです。しかも各階に三台ずつ検索機があります。これは便利。で、早速検索機を使って指定された棚に行ってみたのですが見あたりません。在庫はあるとの表示なのに。で、店員さんにそのプリントアウトを見せてみると、パッと見ただけですぐに在庫の棚に案内してくれました。事情で展示棚の変更があったらしいのですが、それにしてもあの大量の在庫の中から一瞬で見つけることができるとは! 店員教育も徹底しているようですね。
そんなワケで、旅先であるにもかかわらず大量に本を買い込み、さらにまた後日行ってまた買い込むという体たらく。15冊くらい買っちゃったよ。重いよ。持って帰るの大変だよ。読む暇ないよ。でも、私は本屋での出逢いは一期一会だと思っていて、気になる本を見つけたらとりあえず買うことにしております。じゃ、しょうがないか。

で、本題の買っちゃったモノについてですが。今回ご紹介したい買っちゃったモノは本ではないのです。なんと、通販だから。amazonだから。通販ならば東京に帰ってから買っても良いんじゃないかとも思うのですが、結構旅先でも通販しちゃうんですよね。だから届け先にホテルの住所も登録してあります。そこまでして通販がしたいのかというご指摘もありましょうが、どうせ届けてもらうんだから東京でも大阪でも変わりはないという気もするでしょ。
で、お取り寄せするってことは店頭に置いていないってコトです。どうやら置いている店はほとんど無いようですよ。それはこちらの「Sphero」さん。
http://www.gosphero.com/
http://wired.jp/2011/12/22/スマホで操作して遊ぶボール『sphero』/
要するにスマホで遠隔操作できるボール型のラジコンです。前々から気にはなっていたんですよね。自由自在に操れて、色も変えられる。面白そうなオモチャだなあとは思っていたのですが、ちょっとお高価いのですよ。なのでちょっとためらっていたのですが、劇場に入って広いロビーを見ていると、ここで走らせたら楽しそうだなあ、とか思ってしまいまして。 思ってしまいましたよ! ほんで買ってしまいましたよ! でもって走らせましたよ! ましたよ!



通信はbluetoothで行いますが、意外と遠くまで届きます(10m位)。ロビー各所でストレッチなどをしているみんなの合間を縫うように走らせたりするとかなり面白い。時々誰かに当たったりして。あるいは誰かに捕まったりして。
でも、一番面白いのは「TILT(傾き)モード」で操作しながら、自分のすぐ前を走らせながら廊下を歩くとき。人や物を避けながら走らせると、なんかペットを散歩させているような気になります。周りにもそう見えるようです。「お散歩ですか?」とか訊かれます。iPhoneをクイクイ動かすとそれに従ってコロコロと走り回ります。なんとも可愛らしい!
アプリはiOSとandroidで出ておりまして、それらは無料。しかも数種類あって色々な遊び方ができそうです。とはいえ、基本的には走らせるだけなんですけどね。

そんなわけで、公演の合間の空いた時間などにコロコロと楽しんでいます。ええと、面白いっちゃあ面白いオモチャなのですが、かなり人と場所を選ぶと思いますので、ここでは強く薦めないでおきましょう。気になる人だけ気になっちゃって下さいませ。

2012/05/11

テシタル地上派 025 今和次郎の巻

「シレンとラギ」大阪公演もあと僅か。でもその後には長い東京公演が待っています。今のところみんな無事ですが、いつ何が起こるかも判りませんから気は抜けませんよ。

さて、そんな公演中なのですが、今回は比較的楽なポジションです。出番が特別多いわけでも無いし、激しい殺陣があるわけでもありません。なので最後の休演日はちょっと遠出をしてみようと思い立ちました。GWも終わって街もおとなしくなりましたしね。
遠出と言っても大したことはありません。ちょっと万博記念公園まで。以前「貧弱ユビキタス」でも万博公園の「EXPO '70パビリオン」に行った話は書きましたよね。あそこは面白い。でも、みんぱくも面白いんです。みんぱく。万博記念公園内にある国立民族学博物館です。子供の頃行ったっきり長らく行っていません。しかも現在特別展として「今和次郎 採集講義ー考現学の今」が開かれており、これが私向きな企画だよと知り合いから薦められていたんです。ちょっと前に東京のパナソニック汐留ミュージアムでも同様の企画展があったそうですが知りませんでした。気になるので行ってみましたよ。
ただし、二時間だけにしようと思いました。この手の博物館は大好きなのでしっかり見てしまうし、とても広くて充実した内容だというのも知っているし、本番中なので休演日に一日歩いて体力を使うのはまずいし、実家に寄る用事もあるし、ってなカンジで、時間が足りなくなるのは判った上で二時間という時間制限を自分に課した上で行ってきましたよ、みんぱく。
http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/special/20120426kon/index


今和次郎(こん・わじろう)というのは大正から昭和に掛けて活躍した民俗学者、建築家。東北地方の民家の研究家としても有名ですが、最近では「考現学」の創始者としての評価が高いのです。考現学(こうげんがく)。あまり聞き慣れない学問ですね。これは考"古"学に対応して今和次郎が作った言葉でして、考"現"学というのは現代の人間のライフスタイルを収集研究する学問です。
しかもその調べ方が徹底しているんですよ。ある日の銀座を定点観察し、男女の数、洋装か和装か、和装ならばその柄は、スカートならばその長さは、帽子は、小物は、眼鏡は、荷物は。その全てをメモし、スケッチする。そしてそれを統計としてまとめ、さらに判りやすいイラストも添えて表にする。あるいは、ある商店街の店を全て調べ、売っているモノや値段まで記録する。労働者の休息の仕方とその服装をスケッチする。何人も何人も。
とにかく「人のくらしの一切しらべ」の言葉通り、ある事物に関して徹底的に調べているんですよ。しかもその解説図のイラストと字がやたら巧い。今さんなのか、共同執筆者の吉田謙吉さんなのか、ものによってハッキリしないモノもありますが、いずれにしろ読みやすくて綺麗。しかもなぜかトレーシングペーパーに描いてあります。製図用インクでくっきり描かれているので時代が経っても美しい。なんとなくひさうちみちおさんっぽいタッチでもあります。

その後、この考現学という発想は色々な人に受け継がれていきます。会場にはそんな後継者たちの研究も展示されていました。特に名古屋の岡本信也・靖子夫妻の研究が興味深い。「現代の下着」という研究では、夫婦が一年間銭湯に通って、脱衣所で自分たちも着替えながら周りの人々の下着を観察し、それを出てからすぐにメモするという地道な手法で集めた結果が展示されているのですが、その展示方法が独特です。実際の布地を小さく切って人の形を作って、それを何十パターンも並べているのです。なんていうか手芸的というかキルティング的というか、とても可愛らしく判りやすい表示方法です。

他にも色々な考現学の成果が系統立てて整理展示されており、とても興味深い特別展でした。
そういえば、その中にモンゴル人の生活の一切しらべとして、実際に使われていたゲル(移動式円形テント)をそのまま買い取って展示していたのですが、なんと屋根にはソーラー発電パネル、中にはバッテリーと液晶テレビ、そして外には衛星放送用パラボラアンテナまでありました。モンゴルの遊牧民は液晶テレビで衛星放送を見ていたんですね。いや、決してモンゴルの人を差別しているわけではないのですが、素朴で牧歌的というなんとなくのイメージと違って驚きました。
その事実で面白いのは、あくまでモンゴルの伝統的な生活を守り、遊牧し、住居を移動させながらも、部分的には近代的な生活も取り込んでいることです。伝統と進歩を上手く調和させながら生活を営むという選択。実に力強い。

ここまでを何とか一時間で終えました。部分的には読み込めなかった資料もありましたが、ザックリとではありますが見終えました。さあ、次は常設展示です。本館の方に行ってみましょう。
と、ここから先は書いても無駄です。何しろ広い! 以前行った千葉の国立歴史民族博物館(れきはく)も広かったけど、それ以上に広い(延床面積比)! 「れきはく」は国内の展示が中心でしたが、「みんぱく」は世界の展示が中心。世界各国の民族の生活やら服飾やら道具やら宗教やら楽器やら、なんかもうこれでもかとばかりに展示されています。無理。一時間で見るなんて無理。判ってはいたけどね。
気になる部分だけ見て、後は飛ばし見しながらでも一時間半掛かりました。予定オーバーです。二階の主展示室だけでコレですから、さらに一階展示とミュージアムショップ、ビデオライブラリー、三階の図書室などをじっくり見るつもりなら一日遊ぶことができると思いますよ。今度行こうとか思っている方がいらっしゃいましたら、相当覚悟して行ってくださいね。しかもモノレールの最寄り駅から15分くらいかかるぜ!

2012/05/04

6/11

「シレンとラギ」大阪公演もほぼ半ばに来ましたが、まだまだ先は長いですよ。とにかく最近は無事に千秋楽まで公演が打てることが重要な気がしておりまして、気の抜けない毎日です。とか言いながら、私は結構出番が少ないので割とのんびりとはしていますが油断大敵ですからね。気をつけます。
で、ミロクル通信の「未確認ヒコー舞台:UFB」が更新されました。
今回は着到板について解説しております。着到板ってなに? と思われた方は是非ご一読を。知ったらちょっとだけ演劇が楽しくなる連載です。楽しくなればいいな。ならないかもしれないけど。

今回の「シレンとラギ」はおおむね好評ではありますが、アンケートなどを読んでおりますと痛烈なご意見も見られます。お嫌いな方は相当お嫌いのようです。が、演劇(に限らず表現物のほとんど)は体験した方のもの。どのように感じられようとも、それがあなたにとってのその作品です。ご自由に感じて下さい。

さて、きたる6/11! ずいぶんと先ではありますが、apple社がWWDC2012という新製品発表会を開きます。なにやら新しい製品が発表されるとの噂があり、appleファンの間で話題となっております。
新型のMacBookProが発表されるのか、iOSがバージョンアップするのか、ひょっとしたらiPhone5が出るかもよ、いや多分出ないよ、いや出るかもよって言ってるんじゃないか、だから出ないんじゃないのって言ってるだけだよ、ああそうかいお前なんてもう友達でもなんでもないよ、ああこちらこそ願い下げさ、みたいな脳内ディスカッションが行われております。私の脳内も大変です。

まあ、とにかく待ちますか、6/11を。

2012/04/26

テシタル地上派 024 忙しい春の巻

4月だというのにまるで初夏のような陽気の昨今、皆様は如何お過ごしでしょうか。私はそんな陽気を余り実感することもない日々を過ごしております。それは日中はずっと劇場に籠もっているから! 毎日舞台稽古でバタバタとした日々を過ごしております。過ごしておりました。しかし! やっとの事で一段落できます。なぜならば初日が開いたから!
そんなワケで「シレンとラギ」の大阪初日が無事に開きました。無事に、と言っても色々とあったのですが、まあとにかく、大きな事故もなく終わりました。これから7月頭までの長い長い旅に出ます。なんとか無事にこの旅を終えたいと思います。

新感線にしては割と珍しくドロドロとした内容。恋愛の要素や親子の相克など、シェイクスピアのようなという指摘も聞かれる今作ですが、確かにそんな側面も否めません。勧善懲悪ではない、それぞれの思惑が交錯する愛憎劇。ドロドロとしながらも、ラストのカタルシスにはご満足頂けると信じております。ご満足頂ければいいな。まあ、そんなラストシーンの前に私は死んでしまうんですけどね。

そんな「シレンとラギ」の初日ではありましたが、時を同じくして色々と発表がありましたね。
まずは新感線の冬公演。
http://www.goemon3.com/
東急シアターオーブのこけら落としは「五右衛門ロックIII〜ZIPANG PUNK」でした! どんな話になるのか、我々もまだ知りませんが、RXですしこけら落としですし、なんかハデなカンジになるんじゃないでしょうか。
今年の12月から来年の1月が東急シアターオーブ、渋谷に新しく出来る複合ビル・渋谷ヒカリエ(今日4/26オープン!)の中にありますよ。そして来年の2月がオリックス劇場(4/8オープン)、何度か公演したことのある大阪厚生年金会館がリニューアルした劇場です。どちらも出来たてですので綺麗だと思いますよ!

それからCM情報。
http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/galbo/cm/
株式会社明治さんのチョコ菓子「ガルボチップス・ガルボキューブ・ガルボボール」のCMに出ております。久しぶりに仲里依紗さんにもお会いできたし、楽しい撮影でした。そして、明治のガルボ、おいしいよ! チョコしみ!
里依紗さんだけでなく、三浦春馬さんにも初めてお会いしたのですが、やはりイケメンでしたね。そういえば資生堂のuno FOG BARのCMには四人のイケメンが出ていますが、これでその御四方にお会いしたことになります(瑛太さん→牡丹灯籠、小栗さん→髑髏城、妻夫木さん→ローレライ、春馬さん→ガルボ)。皆さん、イケメンでしたよ!


ついでに色々仕事情報も載せてしまいましょう。
まずは夏公開の映画。
http://www.wild-strawberry.com/ws/shigawaka/
「死ガ二人ヲワカツマデ…」は二章立てになっている映画。二本立てではありませんし、直接の関係はありませんが、同じ世界観を共有する映画です。登場人物も一部被っております。
私が出ているのは「第二章 南瓜花-nananka-」の方。ちなみに新感線からは私の他に中谷さとみ、保坂エマ、そして高田聖子が出演しております。そして「第一章 色ノナイ青」の方には川原正嗣さん、山本カナコ、村木仁さん、そして高田聖子が出演。二本見れば新感線関係者が七人も見られるってワケです。
どんな映画に仕上がっているのかはまだ判りませんが、気になる方はチェックしてみて下さい。9月に全国でロードショーですよ。

あと、声のみの出演ですが企業CM。
http://www.rehouse.co.jp/voice/#/souzoku
「三井のリハウス」HP内「みんなの声鉛筆」の「相続篇」のナレーションをしております。これね、私の声はちょっと置いといても、グラフィックが凄くセンスがあって面白いんですよ。他のバージョンもみんな面白い。私が声をやっているのは一つだけですが、是非他のバージョンもご覧下さい。順次追加されて行くみたいですし。

それから、今夏の私の舞台情報。
http://ameblo.jp/abc-stage/
「abc★赤坂ボーイズキャバレー 3回表 〜喝!&勝つ!〜」は8月末に東京・赤坂ACTシアター、9月頭に大阪・シアターBRAVA!。
前作である「abc二回裏」に河野まさと君が出演しましたね。タイトルにキャバレーと入っているからホストクラブものとか思っていたら大間違いですよ。確かに若いイケメンが沢山出ていますが、中身は硬派なバックステージもの。笑えて泣ける熱いシリーズです。私の役どころなどはまだ判りませんが、若いイケメンに負けないように頑張りたいと思います。


あとはミロクル通信の連載「未確認ヒコー舞台」(http://mirokuru.blog.fc2.com/)と演劇ぶっくの連載「人物ウォッチング」(http://www.enbu.co.jp/kick/)はまだ続いていますし、去年出たドラマ「11人もいる!」(http://www.tv-asahi.co.jp/11nin/)のDVDとBlu-rayも出たみたいですし、なんだか忙しい春です。いや、私は現在公演中の「シレンとラギ」で手一杯なんですけどね。
とにかく、7月頭まで無事にみんなで走り抜けたいと思います。

2012/04/20

テシタル地上派 023 風ノ旅ビトの巻

「シレンとラギ」の稽古もほぼ終わり、そろそろ大阪に向かおうとしている今日この頃ですが、皆様は如何お過ごしでしょうか。私は、さっき書いたようなこの頃です。
大阪に居る間に季節が変わるから持って行く服とかが難しいんだよね、一ヶ月もあればずいぶん気温も変わりますよ、でも意外と急に寒くなったりもするからね、とか考えながらぼちぼち荷造りを始めています。

さて、そんな中、先日出会った衝撃的なゲームの話をしましょうか。前にも書きましたが、心震えるほどのゲームに出会うのは稀です。良く出来たゲームにはよく出会いますし、面白いゲームもたくさんあります。ハマるほど素晴らしいゲームも年に何本もあります。しかし、「心震えるゲーム」となると年に一本くらいかもしれません。ただ面白いだけではなくて、アイデアが斬新で操作性も良くて世界観が確立しているゲーム。そのようなゲームに出会うと心震えるのですよ。例えば「シムシティ」、例えば「ICO」、例えば「PORTAL」。今までに体験したことのないような手触りがソコにはあるのです。

今回ご紹介したい作品は、それらに比べると小粒だし、やることは単純だし、なによりもプレイ時間が短い。ただ、その空気感は相当に素晴らしいです。ちょっと説明しにくいのですが、なぜか心震えてしまったのだからしかたがない。

その作品の名は「風ノ旅ビト」。
http://www.jp.playstation.com/scej/title/kazenotabibito/
PS3のオンライン配信専用タイトルでして、原題は「Journey」。かつて「flOw」や「Flowery」を作ったthatgamecompanyが開発したゲーム。オンライン配信のみなので注目度も知名度も低く、ある程度ゲームが好きな方でも知らない場合が多いのでは無いでしょうか。ただ、一部ではかなり前評判も高かったのです。気になる。気になる。
評判では、私の大好きな「ICO」っぽいカンジ、との声もあり、これは期待しないわけにはいきません。そしてダウンロードしましたよ。

初っぱなから違和感があります。ダウンロード専売なので、まずマニュアルがありません。何をどうすればいいのか判らない。しかもいわゆるチュートリアル(入門編)もない。何やら広大な砂漠にポツンとプレイヤーらしきローブを着たヒトっぽいものがいる。このヒトを操作しろというのか。
するとコントローラのマークが出て、なにやら振れという。振ると視線が移動する。周りを見回すと、見渡す限りの砂漠の一ヶ所に何やら見える。とりあえずあそこに行ってみよう。サクサクと砂漠を走る。砂山を登る重さ、砂山を滑り降りる軽さ。

砂丘を登り切ったらタイトルが出た。

と、説明はココまで! この後は実際にプレイして確かめて戴きたい。このゲームの面白さは触って初めて判るのです。説明するのは野暮です。その不思議な空気感をご自分で紐解いて下さい。
このゲーム、基本的に文字が出てきません。ほとんど説明されません。「なんかこうなんじゃないかな?」という推測だけが頼りです。こうなんじゃないかな?→ああこうなった→じゃあこうしてみよう、という手探りの連鎖です。
普通のゲームなら、取説を読んでどうすれば良いかを知るし、取説を読まなくても大体どうすれば良いか判るし、チュートリアルをすれば簡単に理解できます。で、触っている内にコツが判って、コツが判ればどうすれば勝てるか、あるいはハイスコアが出るか、または効率よく攻略するか、を考えます。
しかしこのゲームではその常識が通用しません。何しろやれることが数少ない。しかもハッキリとした攻略対象もない。とにかく前に進むことだけが目的です、多分。なぜ前に進むのか。それは「気になるから」です。とにかくこのゲームの原動力は「気になるから」なのです。
あなたの「気になる」感を頼りに、とにかくいろいろやってみて下さい。そこになにか不思議な手触りがあるはずです。お値段は1,200円。ガッとプレイすれば4時間くらいで終わっちゃうかもしれません。値段の感覚は人それぞれですから高いと思うかもしれません。でも、きっと気に入って戴けると思います。

説明はしないと言ったけど、ちょっとだけアドバイスを。
いくつかの章立てになっていますが、それぞれは大きな箱庭になっていますので、急いで進まずに色々歩き回って色々遊んでみて下さい。もちろん「なんか気になるトコロ」をね。
もう一つ。時々、同じような姿をしたヒトが現れて気ままに動き回ります。どうにも動きが気まますぎます。ええ、そうなんです。そのヒトは、世界のどこかで今現在遊んでいる誰かなんです。うわー! これって凄くないですか? ぜひちょっかい出してみたり一緒に歩いたりしてみて下さい。なにか反応があるはずです。そう、今あなたは世界の誰かと一緒に冒険しているのです。誰かは知らないけど。

そんな「風ノ旅ビト」。PS3を御持ちの方にはぜひプレイして戴きたい作品です。

2012/04/09

テシタル地上派 022 米沢の巻

いやあ、ちょっとバタバタしている間にずいぶんと、それはもうずいぶんと更新が滞っていましたね。いや、私も色々と忙しかったのよ。稽古は始まるし映像の仕事とかしたし面白いゲームに出会ったし見に行かなきゃいけない舞台もあったし。それらについてはまた近いうちにご報告しますよ。
その間、デジタル関係にも色々な変化が起こっていますよね。アレとかアレとか。ソレについても早くお話ししたいので、書く書くと言いながら書いていなかった米沢話はサクッと進めてしまいましょう。書く書く詐欺。

あれは二月上旬。冬まっただ中の季節に東北山形は米沢に行って参りました。「十一ぴきのネコ」の山形公演ですね。主催の一方であるこまつ座さんは故井上ひさし先生の故郷である山形県川西町にある川西町フレンドリープラザ(映画「スウィングガールズ」のロケ場所としても有名)での公演が行われることが多いのです。そうそう、この川西町フレンドリープラザには井上先生の蔵書七万冊が寄贈され、その一部(といっても莫大な量)が公開されている「遅筆堂文庫」があります。我々も拝見させて頂いたのですが、その量もさることながら、多分野に渡るその興味の向き方や、さらにはその全てに目を通し、気になるポイントには赤線が引いてあるコトに驚きました。驚異的な読書量です。
そして行われた山形公演。素晴らしい音響効果の劇場、広くて快適な楽屋、そして何よりも会場一杯のやたらノリの良いお客様が印象的でした。たったの1ステージでしたが、実に楽しかったです。
ただね、なにしろ雪が深い。劇場の駐車場にはドカンと雪が積もり、駐車スペースを空けるために除雪された雪がその上に乗っかるものだから、とにかく雪の高さがスゴイ。なので駐車場の一隅には「かまくら」が掘られ、そこが長塚圭史さんの楽屋ということになっていましたよ。

入り口には演目にちなんでネコの雪だるまが作ってありました。スタッフの遊び心です。


劇場は川西町でしたが、宿は米沢駅前でした。やはり山形南部の置賜地方の中心は米沢。独眼竜伊達政宗の生まれ故郷であり、江戸時代は上杉家の領地となった由緒ある街。伊達家や上杉家にまつわる歴史遺産が多くあります。私にとっても初めての米沢ですからできれば色々見て回りたい。しかし時間がありません。なにしろ一泊二日だったから。なので、どうしても行きたかった「上杉神社」にだけ行ってきました。


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上杉神社は米沢城趾にある、上杉謙信公を祀った神社。併せて上杉家中興の祖である上杉鷹山公も合祀されています。また、大河ドラマ「天地人」でも有名になった直江兼継にも所縁があり、米沢上杉家にとってはとても重要な神社です。
なにしろ入り口からスゴイ。

毘沙門天の旗印。雪にも映えます。
そしてこちらが本殿。

質素ながら端正な造りです。いかにも上杉家らしいですね。

ただ、参道にあった鷹山公の銅像が、降り積もった雪で雪衣を纏ったようになっていました。

座像だからなおさら雪だるまっぽくなってしまっていますね。ちょっと可愛い。

すぐ横の「伝国の杜」エリアには米沢市上杉博物館があったのですが、さすがに時間が無くて(なにしろ昼本番の日の朝に行ってるから)エントランスホールだけ見に行ってきました。大河ドラマの影響で直江兼継人気が高いんでしょうね、マスコットキャラクターの「かねたん」が飾ってありました。

なお、兼継といえば兜の前立ちの「愛」が有名ですが、これはいわゆる「LOVE」ではなく、「愛染明王」とか「愛宕権現」の一字を戴いているというのが定説です。

なにしろスゴイ積雪でしたから、恐る恐る滑る滑る参拝したのですが、神社とホテルの間の歩道も大変なことになっていまして歩くのも大変です。

この真ん中の細いスキマが歩道。右の雪壁の向こうが車道、左の雪壁は民家。歩道を歩くのも一苦労でした。

そんなこんなの山形の旅。今度は雪のない季節に行ってみたいですね。

2012/02/24

テシタル地上派 021 バーチャルシティ2の巻

ご無沙汰しております、粟根まことです。「十一ぴきのネコ」は既に大阪公演まで終わり、つまり大千秋楽も無事に終え、ネコ達はそれぞれ新たな旅に出掛けました。
私はと言えば、原稿をあげたり芝居を見たり次の映像仕事の衣裳合わせをしたり、まあなんかこまごまと仕事をしておりました。では、その合間には何をしていたのか?
実は久しぶりにMacでゲームをしておりました。私、基本的にMacでゲームはしないようにしているのです。だって仕事道具だし、情報収集のツールだし。ゲームはゲーム機で! せいぜいiPad2まで! なんとなくそのような決まりがあるんですよ、マイルールとして。

そんな私がMacで唯一プレイしてしまうジャンルが「都市建設シミュレータ」。業界的には「ミニスケープ」とも呼ばれていますが、要するに「シムシティ」タイプのゲームですよ。フィールドに道をひいて住宅地を建てて工業地帯を建てて消防署を建てて、みたいにして見ていると、徐々に建物が成長して大きくなって収入が増えて、で、更に商業区を作ってモニュメントを建てて、とドンドン街が成長していくのを楽しむシミュレーションゲームです。
割と「見ているだけゲー」の雰囲気もありますが、なかなかそうもいきません。工業区が増えると収入も増えますが環境値が悪くなったり、住宅区が増えれば交通手段を用意しなくてはならなくなったり、あちらを立てればこちらが立たず、住民達のいろんな要求をクリアしながら成長させていかなければならないというまさに「都市建設シミュレータ」なんですよ。ジレンマとの闘いです。まんま現実世界と同じなんですね、都市なんか造ったことないけど。しかし、実に熱くなっちゃうんです。
私、遅刻なんて滅多にしないのですが、一度だけゲームに夢中になって遅刻したことがあります。その時プレイしていたのが、同じく都市建設シミュレータの一つである「CEASAR III」というゲーム。もうちょっと、もうちょっととか思いながら時間を気にしてプレイしていたのですが、気がついたら撮影の時間を過ぎていて電話で呼び出されました。いやあ、怖いですね、ミニスケープ。

そして、今まさにハマっているミニスケープが「Virtual City 2:Paradise Resort」というゲーム。Mac版だけではなく、Win版やiOS版、Android版なども出ているようです。これは都市育成の中でも「流通」にポイントを置いたゲームで、「物資や人をどう運ぶか」が勝敗を左右します。例えばパイを作るためには「穀物農場」で取れた麦を「製粉所」を経由して「パン屋」に届けねばならず、同時に「酪農場」からミルクも運ぶ必要があります。で、出来上がったパイを「ショッピングモール」に届けて初めて人の手に渡るようになります。
同様にして家具や車や化粧品を作り、モールや他の都市に届けて商売をし、そして儲けた金で居住区を大きくしていくのです。各面ごとに達成すべきミッションが設定されていて、その時作るべき建物も指示されます。十五分ほどで終わる簡単なものから一時間以上掛かる難しいものまで様々ですが、制限時間を越えても面クリアはできます。ただ、制限時間内に達成した方がもらえる開発費が高く、開発費を貯めて新たな建物を開発していくので、必然的に好タイムを狙うことになっていきます。
一面の時間が短いのがミソで、好タイムを狙ってついつい何度も挑戦したくなっちゃうんですよね。好タイムを狙うと「見ているだけ」なんて悠長なコトは言っていられません。常に建てられる建造物を考え、どの工場と工場を繋ぐかを考えながらプレイしなくてはなりません。結構忙しいですよ。しかもミッションは35面ほどあるので、結構長い間遊べます。

そんなこんなでプレイしていましたが、やっとついさっき、最終面をクリアしました! とはいえ、いくつかの面でベストタイムを出していないので、チマチマと好タイムを狙って完全クリアを目指したいと思います。ってまだやるのかよ!
iOSの方はiTunes Storeで、Macの方はApp Storeで簡単に買えるので、都市育成ゲームが好きな方はチラッと見てみて下さい。無料のお試し版もありますよ。デベロッパーの公式HPはこちら。
http://www.g5e.com/
スクリーンショットなども掲載されていますから、気になる方は覗いてみて下さい。

てなワケで、やっと気分が落ち着きましたので、近いうちに山形訪問記なんかも書きたいと思います。クリアするまでなんか気持ちが落ち着かなくてね。いやあ、ホントに都市建設シミュレータは怖いですよ。みなさんもほどほどにお楽しみ下さい。

2012/02/10

KUTO-10

今更ではありますが、「十一ぴきのネコ」東京公演が無事に終了いたしました。
そして、あろうことか山形公演まで終わっていますよ。
月日は百代の過客にして、なんか、行く年来る年、旅人来たりて柿を食う。
違うか。

まあ、そんなワケで公演はドンドン進んでおりますが、
このブログが進まないのはなぜだ?
それは、私が風邪をひいて寝込んでいたからだ!
ええと、近いうちにまとめてご報告いたします。

さて、それはそれとして!
私がチラシデザインをさせて頂いた
プロジェクトKUTO-10の第12回公演「楽園!」の幕が開いたようです。
まずは大阪公演から。
そして来週には初の東京公演もありますよ。

ちょうど「ネコ」の大阪公演と被っておりまして、
大阪では拝見できませんが、
来週には東京にて拝見しようと思っております。
そんな記念すべき公演ですが、
まあぶっちゃけて言えば余り売れていないようです。

なんでだ!
KUTO-10面白いのに!
特に今回は割と取っつきやすい演目のようですので、
ちょっと気になる方は覗いてみて下さい。
大阪でも東京でも良いですよ。
是非是非!

2012/01/25

青春漂流記

先日、劇団鹿殺し「青春漂流記」を見てきました。
例によって鹿殺しらしい、若さ溢れる勢いのある舞台でした。

が、今回はいつもよりも洗練されたような印象がありました。
場面転換とか話の流れがスッキリしていて、
今までよりもこなれた感じを受けたんですよ。
これが成長ってコトなのではないでしょうか。
毒っけが少ないとも思いますが、
こういうストレートな時があっても良いのではないでしょうか。
絵的にも美しい見せ方ですし、展開もスッキリしていました。
すんません、
なんか偉そうな言い方ですが、ここ何作も見ている先輩として、
若手が育ってきている嬉しさからの発言だと思って下さい。

今作には聖子さんや仁さんなどの新感線組が初出演している上に、
廣川さんや谷山さんなどの常連組も劇団員も大活躍で、
ベテランと若手が上手く噛み合っていたように思います。
聖子さんはもちろん話の中心で大活躍だったのですが、
個人的には廣川さんの「ジョージさん」が素敵でした。

これからもドンドン公演を打って頑張って欲しい劇団です。
今週いっぱい、紀伊國屋劇場にて公演ですよ。

と、これだけ誉めておいてなんですが、
見るまでタイトルが「青春放浪記」だと思っていました。
すんませ〜ん。