2021/03/14

地テシ:198 PS5で「MAQUETTE」! の巻

ねんがんの PS5を てにいれたぞ !


というワケで、前回はPS5を手に入れた経緯とその凄さを解説致しましたが、ハードウェアはマシンでしかありません。ソフトをプレイしなくては意味がありません。ですので「ASTRO's PLAYROOM」でPS5コントローラの凄さを体感し、「THE PATHLESS」でハイスピード移動に陶酔し、「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」で美麗さに驚き、「イモータルズ フィニクス ライジング」でポップな神話世界を楽しんだりしております。それぞれちょっとずつだけどね。


しかし、一番最初にハマってエンディングまでプレイしてしまったのは3/2に発売された一人称再帰的パズルゲームである「MAQUETTE」です。
一人称再帰的パズル? ええ、公式にそう書いてあるのです。再帰的とは大雑把に言って「あるモノを構成する要素の中に、あるモノそのものと同じものがある」コトでして、いわゆる入れ子構造ですね。フラクタル画像のように、あるモノを拡大していくとそこにまた同じモノがある構造です。ちょっと違いますが、マトリョーシカ人形をイメージして頂くと判りやすいかもしれません。



「MAQUETTE」(マケット)はいわゆる「脱出ゲーム」の一種です。部屋の中にある様々なモノを観察し、操作してカギを探し出し、出口から脱出する。ブラウザゲームによくある、あの脱出ゲームに似ています。
しかしこちらは一人称再帰的パズルですから、もちろんタダの脱出ゲームではありません。一人称ってコトは主人公目線でして、しかもフィールドを自由に動き回れます。
まずプレイヤーは素敵な音楽が流れる綺麗な庭園にいます。道なりに庭園を進むと、壁の所々に文字が浮かび上がります。どうやらある男が過去を思い出しているようです。広い庭園を歩いて、指示に従っていけば簡単にカギが手に入り、庭園を出る事ができます。ここまでがチュートリアルを兼ねた第一章。

第二章からが「再帰的」パズルの始まりです。目の前にはメリーゴーラウンドを思わせるような赤い屋根の大きなドーム。周りの四方にはお城があったり公園があったり。
よく見ると、赤屋根ドームの中には今自分がいるのと同じ風景のミニチュアがあります。真ん中に赤屋根、四方にお城や公園。さらによく見ると、ミニチュアの赤屋根の中にはもっと小さなミニチュアが見えます。そして、自分がいるフィールドの上を見上げれば巨大なドーム状の屋根。あ、これ多分赤い屋根だ。

そう、これが再帰的な部分。つまり入れ子構造です。自分のフィールドとミニチュアは繋がっているのです。ミニチュアの中にある小さな赤いキューブを移動させれば、自分のフィールドにある大きな赤いキューブも移動します。これで大きすぎて動かせなかった大きなキューブを移動させることができて道が開けました。
しかも、ミニチュアの中にあった小さな赤キューブをミニチュアから取り出し、自分のフィールドに置いてからミニチュアセットの中を見ると、更に小さくなった赤キューブがあります。
そう、このゲームは、再帰的な入れ子構造を利用して、オブジェクトのサイズを変えながら行動範囲を広げていくというシステムなのです。様々なオブジェクトのサイズを大きくしたり小さくしたり、フィールドとミニチュアの間を行ったり来たり。ああでもないこうでもないと何度も試行錯誤しながら解法を考えていきます。
最終的には自分までをも小さくしたり大きくしたり。小さくなった時のフィールドの広さったら! 家のデカさったら! 足の遅さったら! 夢の中でもがいているような気分になります。

パズルは章立てになっていて、だいたいフィールドの四方にある四つの謎を解いたら次の章に進みます。章ごとに謎解きのパターンが変わるので飽きません。
基本的にヒントはありませんが、壁に浮き上がる文章がちょっとヒントになってはいます。あと、文章が浮き上がる壁の場所は重要なヒントになっています。次の回答はこの壁のあたりにあるよってワケです。
判りやすい謎もあれば、全く見当も付かない謎もあります。私も二箇所ほどホトホト困り果てました。二時間くらいああだこうだしても解法が判りません。そんな時にはそれまでの考え方を捨てて「こんなコトしてみたりして〜」と大胆にやってみたら解けたりもしました。

クリアした後にプレイ時間を見てみたら約10時間でした。何度かロードし直してるから実際にはもうちょっと掛かっているとは思うのですが、まあ短めのゲームですね。
でも、プレイしている時は何時間も没頭してしまうほどの面白さです。ちょっと悩んで、こうかなとトライしてみてダメで、そうこうするうちに急にピカーンッとアイデアを思いついて成功した時の気持ちよさよ!
それとは別に、ダメ元で「こんなコトしてみたりして〜」が正解だった時には思わず「あッ!」と声が出ましたよ。「コレが正解なんかい〜!」とツッコみながらも、いや確かに理にかなっているなと思ったり。

美しいフィールドを歩きながら謎を解いていくところは「The Witness」を、大きさを変えながら解いていくところは「SUPERLIMINAL」を、絵本の中を冒険しているような気分になるところは「GOROGOA」を、こんなコトしてみたりしてが解法に繋がるところは「風ノ旅ビト」や「THE PATHLESS」を、切ない恋物語を描いているところは「florence」を、そして入れ子構造を利用して大きさを変えるところはVR専用ですが「a fisherman's tale」をそれぞれ彷彿とさせますが、それらとはまた違った面白さがあります。これらのゲームがお好きな方ならば、間違いなくオススメです。
このゲームの開発元はGRACEFUL DECAYさんですが、販売元は面白いインディーゲームを見つけてリリースすることで定評のあるANNAPURNA INTERACTIVEさん。私はこの会社のゲームが好きでして、上記のGOROGOAも風ノ旅ビトもflorenceも、あるいは「DONUT COUNTY」も「OUTER WILDS」もANNAPURNA INTERACTIVEさん。いやあ、ハズレがない。これからも注目の会社ですよ!



美しくノスタルジックな風景と素敵な音楽の中で解いていくバラエティに満ちた謎。そして紡がれる一組の男女の甘く切ない物語。これがもう、ホントに甘くて切ないのよ。そう、このゲームで描かれている風景は、この二人の恋物語の風景なんです。その恋物語がどんな結末になるのかはもちろん見てのお楽しみ。
ただ、注意して欲しいのは、できる限り自力で解いて欲しいというコトです。ネットで検索すれば攻略法を書いたサイトや動画が見つかりますが、やっぱり自力で解いた方が満足度が違います。私も迷いながらもなんとか自力で全て解きましたが、終わってから攻略動画を見たら若干違う方法で解いたりしていました。解法が一つではないのも面白いトコロ。
ちなみに、PlayStation Plusに入っていると、ゲーム中に公式のヒント動画を見ることができますが、これはヒントといいながらほぼ答えを言ってしまっているのでご注意下さい。

ようやくPS5を手に入れたのに、主にプレイしているのはPS4でもプレイできるゲームとか、Switchのゲームとかなのは不思議ですが、まあそれもまたよし。こうなったらもうXbox series X/Sもなんとかして手に入れたいところですが、こちらも品薄で手に入りません。
というワケで、次回はSwitchの「BRAVELY DEFAULT II」について書きたいと思っています。王道ながらも新しい要素も多い、快適で楽しいコマンド選択式のRPGらしいRPGですよ。