2017/01/04

地テシ:085 「人喰いの大鷲トリコ」と「The Witness」そのに

やっぱり年越しちゃった! 2017年です! 今年もよろしく! 例年の如くゲームをプレイしながら気がついたら年を越していましたけど!

てなワケで年またぎで2016年の仕事まとめ! 舞台は新感線の「乱鶯」と「Vamp Bamboo Burn〜ヴァン!バン!バーン!〜」の二本だけ。それと「ドナインシタイン博士の禁断カフェ」に二回参加。
連載では誌名ごとリニューアルされた演劇専門誌「えんぶ」(旧演劇ぶっく)の人物ウォッチング。昨年は平野良、大東駿介、稲森いずみ、大谷亮介、上田大樹、小池栄子各氏(敬称略)を書かせて頂きました。同じくえんぶ系のネットコラム「未確認ヒコー舞台:UFB」で毎月第一木曜日に演劇用語の解説をさせて頂いています。
あとは「乱鶯」の稽古場レポートを書いたり、エイプリルフールには新感線公式ツイッターさんを乗っ取ったり、誤植込みでプロジェクトKUTO-10「あたらしいなみ」のチラシを作ったり。その節はすみませんでした。
以上まとめ終わり。こんなカンジ?


さあさあ、まとまったのでいよいよ「人喰いの大鷲トリコ」について語りましょう。この冬のプレイステーションTVCMでは年末の注目作品が山田孝之さんのパワフルな早口で述べられていましたが、その中で「FFXV」や「龍が如く6」と並んで名前が挙がったのがこの「トリコ」です。YouTubeの「PlayStation最新CM」チャンネルでは、このCMに加えて「トリコ」の発売カウントダウンCM五連作も見るコトができますよ。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLOkZyHIVzUcO1sC99Xa0U3W17NAPLPAWJ
この「あと5日。ある会社員の場合篇」いいなあ。

まあ、それほどまでに待たれていてそれほどまでに注目されているというコトです。もちろん私も待っておりました。注目しておりました。ICOとワンダ好きならみんなそうだったと思います。この二作については前回をご参考に。

今作も前二作と同じように謎解き系アクションアドベンチャーです。主人公の少年が謎の遺跡に閉じ込められた所から物語は始まります。その横には「人喰い」と恐れられる、大きな犬のような鳥のようなトリコという獣が鎖に繋がれて横たわっています。さあ、どうする?
遺跡を脱出するためには少年とトリコが協力しなくてはなりません。高い壁を乗り越えたり遠い足場に行くためにはトリコの跳躍力が必要ですし、スイッチがある小さな部屋や狭い隙間を通るには小柄な少年でなければ辿り着けません。
当然ながら会話も通じませんので、コミュニケーションを取るのだって一苦労です。トリコがお腹が空いているらしい時にエサ(何やら光る物質が入ったタル)をあげても、始めはなかなか食べてくれません。しかし、何度もエサをあげている内に警戒心も解け、徐々に二体は仲良くなっていきます。始めはちょっとコワかったトリコが実に可愛く見えてきます。この二体の関係性の変化がイイんですよ!

先に進むためにはトリコに乗る(あるいはしがみつく)コトが必要。羽毛に包まれてモフモフなトリコに飛びついてよじ登るところはワンダっぽいですが、今作ではR1ボタンを押しっぱなしにする必要はありません。トリコに乗り、トリコと共に進んでいくコトで広がる(あるいは広がらない)謎の遺跡の閉塞感。数々の試練が二体を阻みます。

前二作が混ざったような作風になっておりまして、閉じ込められた遺跡から脱出しようとするのはICO風、相棒である大きな獣トリコによじ登るのはワンダ風。同じく重要だったR1ボタンは、今作では「トリコを呼ぶ」またはトリコに乗った状態で「トリコに指示を出す」ためのボタンになっており、これまた印象的です。

PS4になって画面がさらに美しくなりました。トリコの大きさと可愛さ、小さな少年との対比、遺跡の広さ高さ荒涼さ。巧妙なカメラワークも手伝って、空気感すら伝わる美しさです。まあ、このカメラワークは操作上ではちょっとうざったくはあるんですけど。「トリコ邪魔!」とか時々思いますけど。時々だけね。

しかし、例によってヒントが少ない。前二作と違って、今作では時々文字によるヒントがあり、成長後の少年らしき人の声で「その時、私は〜したのだった」みたいなコトを言ってくれるのですが、それでもまあ判らない。とりあえず、青い石の床や出っ張りは重要。あと、トリコの行動や向く方向も重要。今作もまた絶妙な難易度です。攻略情報をネットで探したくなるのをグッとこらえてほぼ自力で解きました。ほぼ? ええ、ネットサーフィン中に一部、ちらっとヒントが見えちゃったのよ。でもまあほぼ自力。それでもまだいくつかエサのタルを取り損ねているようですが、進行には支障はありません。

私はこのゲームを「声の出るゲーム」と呼びたい。謎が判らなければ「えー、どうすんの?」と呟き、謎が解ければ「よしっ!」とガッツポーズをし、少年が落ちれば「ああっ!」と声が漏れ、トリコが救ってくれれば「おおっ!」とため息が出る。これは、<見る>だけである映画と違って、<操作する>という行為が介在するゲームならではの快感のような気がするんですよ。プレイしながら何度も声が出て、何度もドキドキして、それがまた楽しい。もどかしくも楽しく操作しながら、小さく声を上げながら、そして時々イライラしながら、最後の方では終わるのが勿体なくなってきちゃうんだよなあ。



このゲームについてもう少し詳しく知りたい方は、AUTOMATONさんのこちら↓の素敵な記事をどうぞ。ICO、ワンダ好きの方のための、詩的で力強いレビューです。ネタバレはありません。
http://jp.automaton.am/articles/impressionjp/20161216-36257/

さて、前二作にはクリア特典がありました。ICOの二周目のスイカエンディングとかライトセーバーとか、ワンダのハードモードとかタイムアタックとか。今作でもちょっとしたクリアのご褒美がありまして、それで二周目に挑戦したくなるんですよ。で、二周目を始めちゃったんですけど、今はあるゲームのせいで一旦保留。トリコを保留してまで止まんなくなっちゃって、年越しまでもそのゲーム。
そのゲームが「The Witness」なのですが、コレについては次回。ってまた引っ張ります。