最近、スマートウォッチ関係の情報が沢山出てきましたねえ。気にはなるのですが、私は腕時計などの腕に巻くなにやらが嫌いですので、ココはスルーですかね。いや、スマートウォッチ自体には物凄く興味があるし、あれば便利なんだろうなとは思うのですが、どうもね、手首に巻くってのがねえ。いや、ひょっとしたらヒョロッと買っているかもしれませんけどね。
ゲームウォーズ(下) (SB文庫)
さて、前回の続き。アーネスト・クラインの「ゲームウォーズ」(SB文庫)が面白かったという話ですが、まずはあらすじからご紹介いたしましょうか。
舞台は近未来である2040年からの数年。深刻なエネルギー不足に悩まされるその時代では、世界中の人々がOASISというネットワーク型バーチャルリアリティを日常的に使用していた。貧富の差の激しい現実世界から逃避するように、全世界の人々が当然のようにOASISのネットにログインする生活だった。
そんなある日、OASISの開発者であり、それを管理する会社社長であるジェームズ・ハリデーが死去する。そしてその遺言は、OASISのどこかに隠されたイースター・エッグ(隠しメッセージ)を見つけた者に全財産とOASIS経営権を譲渡するというものだった。
と始まるのがこの小説。主人公は当然のようにこの謎に挑み、幾人かの仲間を得ながら最後の謎に迫る。もちろんそれを邪魔しようとする敵対企業が現れ、あの手この手で邪魔をしてくるという、王道と言えば王道のストーリー。いかにもすぎる展開で、それが故にB級な空気を醸し出すのですが、それが故に面白いのですよ。既に映画化が決まっているそうですが、多分面白くなると思いますよ、B級的に。
かの名作「スター・ウォーズ」第一作(EP4)も公開当時はB級呼ばわりされましたし、結局大衆が求めているのはB級名作なのだし、まったく個人的にはB級大作が大好きだし、正直A級B級とかよく判らないのですが、とにかく面白ければいいじゃんという信念で生きてきた私にとって、この「ゲームウォーズ」は相当ヒットしたワケですよ!
その大金を残したOASIS開発者ジェームズ・ハリデーは1972年生まれ。少年時代を過ごした80年代に相当な思い入れがあるらしく、謎を解くヒントがことごとく80年代のギークカルチャーなんです。ええと、geekって判りますでしょうか? 日本語で言えば「オタク」に近いのですが、ちょっと違いますかねえ。あるいは、ナード(nerd)でも構いません。ギークもナードも、まあ大雑把に言ってオタクっぽい人のことです。詳しくはこちらを。
http://wired.jp/2009/07/28/英語の「オタク」:ギークとナードの違いは?/
http://gigazine.net/news/20120105-geek-vs-nerd/
http://www.gizmodo.jp/2013/07/post_12664.html
ここでいうギークカルチャーというのは、80年代以降に流行したPCゲーム、ビデオゲーム、ゲームブック、テーブルトークRPG、SF映画、SF小説、ファンタジー、コミックス、アニメ、特撮、ホームコメディ、ロック、パンク、プログレ、etc...etc...
とにかく、80年代にティーンエイジャーだったギークたちみんなが夢中になったポップカルチャーがてんこ盛りなのです。そして、私は1964年生まれ。ハリデーよりも8年ほど年長ですが、大して変わりはありません。私も80年代にティーンエイジャーだったし、ギークカルチャーにどっぷりだったし、同じような青春時代を過ごしました。だから妙にノスタルジックなシンパシーを感じてしまうのかもしれません。要するに、この小説は大変ターゲットが狭いんです。何のことを言っているのかピンとこない描写も多いかと思われます。
しかし、だからこそ私個人にはヒットしたのでしょう。40代以上のギークやナードたちにはピンポイントでヒットするでしょう。それ以外の方々でも、ある程度サブカルチャーやオンラインゲームの知識があれば面白いと思います。とりあえず、主人公たちが何故あれほど謎解きに夢中になれるのかだけでもご理解頂ければ、細かいギーク的な小ネタは流しても大丈夫かもしれません。あくまでディティールです。ただ、私はそのディティールに盛り上がっちゃったんですけどね。
謎解きと言ってもいわゆるミステリーの手法ではありません。だって細かいヒントがあらかじめ読者に提示されているワケではないから。主人公がなんとかヒントに気付いて解いていくのを楽しむ、いわゆる冒険小説に近いかもしれません。「インディ・ジョーンズ」シリーズみたいな感じ。結構波瀾万丈な冒険をしますよ。バーチャル世界だけでなく、リアル世界でも冒険しますから。バーチャルとリアルの冒険が交錯していくアタリが、ニール・スティーブンスンの「スノウ・クラッシュ」とか、映画の「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」とか「エンジェル・ウォーズ」に似ているかもしれません。どれも私の大好きな作品です。
主人公は少年なので、ある意味ジュヴナイル風の成長譚でもあり、クールジャパン方面のニッポンネタも満載であり、ラブロマンスもあります。邦題は「ゲームウォーズ」ですが、原題は「READY PLAYER ONE」でして、こちらの方が私にはしっくりくるタイトルです。
あまり書いちゃうと面白みが減っちゃうかもしれませんので、このくらいにしましょうか。まあとにかく、ご自分にギークあるいはナードな属性があるのかも、と自覚のある方なら楽しめることウケアイです。もし本当に映画になって日本で公開されたら、それを見に行くというのも良いでしょう。
ただ、かなりピンポイントだということだけご注意下さい。ワケがわからなくて終わる可能性も大いにありますから。その辺は自己責任でよろしくです。
さて、そうしてまたしてもSF熱が上がっている私は、またしてもオーソン・スコット・カードの「エンダーのゲーム」の新訳版を読んでいるところです。何故かというのはまた次回で。またSF話ですよ! またかよ!
ゲームウォーズ(下) (SB文庫)
さて、前回の続き。アーネスト・クラインの「ゲームウォーズ」(SB文庫)が面白かったという話ですが、まずはあらすじからご紹介いたしましょうか。
舞台は近未来である2040年からの数年。深刻なエネルギー不足に悩まされるその時代では、世界中の人々がOASISというネットワーク型バーチャルリアリティを日常的に使用していた。貧富の差の激しい現実世界から逃避するように、全世界の人々が当然のようにOASISのネットにログインする生活だった。
そんなある日、OASISの開発者であり、それを管理する会社社長であるジェームズ・ハリデーが死去する。そしてその遺言は、OASISのどこかに隠されたイースター・エッグ(隠しメッセージ)を見つけた者に全財産とOASIS経営権を譲渡するというものだった。
と始まるのがこの小説。主人公は当然のようにこの謎に挑み、幾人かの仲間を得ながら最後の謎に迫る。もちろんそれを邪魔しようとする敵対企業が現れ、あの手この手で邪魔をしてくるという、王道と言えば王道のストーリー。いかにもすぎる展開で、それが故にB級な空気を醸し出すのですが、それが故に面白いのですよ。既に映画化が決まっているそうですが、多分面白くなると思いますよ、B級的に。
かの名作「スター・ウォーズ」第一作(EP4)も公開当時はB級呼ばわりされましたし、結局大衆が求めているのはB級名作なのだし、まったく個人的にはB級大作が大好きだし、正直A級B級とかよく判らないのですが、とにかく面白ければいいじゃんという信念で生きてきた私にとって、この「ゲームウォーズ」は相当ヒットしたワケですよ!
その大金を残したOASIS開発者ジェームズ・ハリデーは1972年生まれ。少年時代を過ごした80年代に相当な思い入れがあるらしく、謎を解くヒントがことごとく80年代のギークカルチャーなんです。ええと、geekって判りますでしょうか? 日本語で言えば「オタク」に近いのですが、ちょっと違いますかねえ。あるいは、ナード(nerd)でも構いません。ギークもナードも、まあ大雑把に言ってオタクっぽい人のことです。詳しくはこちらを。
http://wired.jp/2009/07/28/英語の「オタク」:ギークとナードの違いは?/
http://gigazine.net/news/20120105-geek-vs-nerd/
http://www.gizmodo.jp/2013/07/post_12664.html
ここでいうギークカルチャーというのは、80年代以降に流行したPCゲーム、ビデオゲーム、ゲームブック、テーブルトークRPG、SF映画、SF小説、ファンタジー、コミックス、アニメ、特撮、ホームコメディ、ロック、パンク、プログレ、etc...etc...
とにかく、80年代にティーンエイジャーだったギークたちみんなが夢中になったポップカルチャーがてんこ盛りなのです。そして、私は1964年生まれ。ハリデーよりも8年ほど年長ですが、大して変わりはありません。私も80年代にティーンエイジャーだったし、ギークカルチャーにどっぷりだったし、同じような青春時代を過ごしました。だから妙にノスタルジックなシンパシーを感じてしまうのかもしれません。要するに、この小説は大変ターゲットが狭いんです。何のことを言っているのかピンとこない描写も多いかと思われます。
しかし、だからこそ私個人にはヒットしたのでしょう。40代以上のギークやナードたちにはピンポイントでヒットするでしょう。それ以外の方々でも、ある程度サブカルチャーやオンラインゲームの知識があれば面白いと思います。とりあえず、主人公たちが何故あれほど謎解きに夢中になれるのかだけでもご理解頂ければ、細かいギーク的な小ネタは流しても大丈夫かもしれません。あくまでディティールです。ただ、私はそのディティールに盛り上がっちゃったんですけどね。
謎解きと言ってもいわゆるミステリーの手法ではありません。だって細かいヒントがあらかじめ読者に提示されているワケではないから。主人公がなんとかヒントに気付いて解いていくのを楽しむ、いわゆる冒険小説に近いかもしれません。「インディ・ジョーンズ」シリーズみたいな感じ。結構波瀾万丈な冒険をしますよ。バーチャル世界だけでなく、リアル世界でも冒険しますから。バーチャルとリアルの冒険が交錯していくアタリが、ニール・スティーブンスンの「スノウ・クラッシュ」とか、映画の「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」とか「エンジェル・ウォーズ」に似ているかもしれません。どれも私の大好きな作品です。
主人公は少年なので、ある意味ジュヴナイル風の成長譚でもあり、クールジャパン方面のニッポンネタも満載であり、ラブロマンスもあります。邦題は「ゲームウォーズ」ですが、原題は「READY PLAYER ONE」でして、こちらの方が私にはしっくりくるタイトルです。
あまり書いちゃうと面白みが減っちゃうかもしれませんので、このくらいにしましょうか。まあとにかく、ご自分にギークあるいはナードな属性があるのかも、と自覚のある方なら楽しめることウケアイです。もし本当に映画になって日本で公開されたら、それを見に行くというのも良いでしょう。
ただ、かなりピンポイントだということだけご注意下さい。ワケがわからなくて終わる可能性も大いにありますから。その辺は自己責任でよろしくです。
さて、そうしてまたしてもSF熱が上がっている私は、またしてもオーソン・スコット・カードの「エンダーのゲーム」の新訳版を読んでいるところです。何故かというのはまた次回で。またSF話ですよ! またかよ!