2013/05/16

地テシ:045 春の美術展のその周り

さて、前回は三月に行った美術展の話を書きましたが、美術館に行ったついでに近所を散策してみましたよ。ていうか、近所施設も目的の一つでした。

まずは「かわいい江戸絵画」を見に行った府中市美術館。京王線府中駅北東の都立府中の森公園内にあります。地図はこちら。


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府中駅から北東を目指しますが、時あたかも三月。桜の美しい季節です。府中駅から府中警察署横の桜通りを北上し、中央文化センター前で右折して東へ行くと桜並木を満喫できます。できますっていうか漫喫したんですけど、それを五月に報告されてもどうしようもないですね。まったくもってその通りです。来年頑張って下さい。
突き当たりを左折し小金井街道を北東に進むと府中の森公園。その北端に美術館はありますが、わざわざ歩かなくてもバスも出ていますよ。

「かわいい江戸絵画」展を堪能した後、小金井街道を更に北上します。え? 駅から離れていかない? そうですね。遠くなりますが、今日行きたいのは府中の森公園の北隣にある「航空自衛隊府中基地跡地」。ここは府中トロポサイトとして有名な旧「米空軍府中通信施設」があったところです。あったというか、書類上では今でも運用中だそうですが、完全に廃墟です。戦前戦中は陸軍燃料廠だったそうです。
で、その敷地内に巨大なパラボラアンテナが二基取り残されている、という噂を居酒屋の後ろに居たカップルから聞かされたのはもう三年前の夏。いや、なんでそんな流れになったのかはややこしいので書きませんが、とにかくいつか確認しに行こうと決意していたのでした。

というワケで、こちらがそのパラボラアンテナ。














敷地内の建物は、ほら、廃墟でしょ。














うん、これが確認できただけで満足です。北側から見やすいのですが、周りは民家なのでご配慮を。


ここから府中駅前に戻って、今度は南の大國魂神社を目指します。武蔵総社であることと、例大祭である「くらやみ祭」、けやき並木で有名な、鎮座1900年を誇る歴史のある神社です。府中という名が示す通り、この地は武蔵国の国衙があった中心地であり、とにかく東京で一番歴史の長いエリアなのです。
時間も遅かったので拝殿には詣れませんでしたが、こちらが拝殿前の中雀門。














そしてその前にあったしだれ桜。


















それから、神社横にあった武蔵国府跡。














神社前を走る旧甲州街道沿いにある、高札場。














府中駅のそばにあり、夕方の帰社時間だったせいか境内を抜けて帰宅する人々も多かったのですが、拝殿前を通過する方々が拝殿に向かって一礼してから歩いているのが印象的でした。地元に根付いているのですね。


さて、では今度は国立新美術館の話をしましょう。こちらでは「カリフォルニア・デザイン1930-1965 "モダン・リヴィングの起源"」を楽しんだのですが、この美術館が面白いのはその立地。ここにはかつて東京大学生産技術研究所があり、その建物は歩兵第三連隊兵舎だったのです。そう、二・二六事件に多数参加したことで有名な連隊ですね。
国立新美術館はその兵舎跡に建てられているのですが、兵舎の一部が別館として保存されているのです。


















本当に一部だけですのでよく判らないと思います。
なお、美術館内にはその兵舎の模型が展示されており、撮影可だったので撮っておきました。














このちょっと変わった形の建物が兵舎。この形のまま、東大研究所として使われていました。
現在の国立新美術館はガラス張りのモダンな建築ですが、その前にはこんな無骨な建物が建っていたんですね。
ちなみに江戸時代のこの敷地は宇和島藩伊達家の屋敷があったようです。


そんなこんなの美術館巡りを利用した散策。偶然ではありますが、どちらも軍関係の建物でした。いや、本当に偶然なのですが。軍関係地は広大な敷地が必要なので、その前に建っていたモノ(大名屋敷とか)も、その後に建ったモノ(公園や学校とか)も、どちらも興味が沸きやすい土地なんですよ。

さて、こんな感じで色んな場所に出掛けている私ですが、先日、埼玉方面に行く機会がありました。ええと、あそこです。次回はその話でも。