2019/09/05

地テシ:125 博多座に「けむりの軍団」上陸! そして冬の巻

猛暑が始まりそして去って行ったように、劇団☆新感線39興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎《亜》alternative「けむりの軍団」の東京公演が始まってそして無事に終了致しました。気がついたら始まっていて、そして終わっていたんですよ。時間というのは怖ろしいですねえ。
今春の「偽義経冥界歌」は大阪・金沢・松本公演だけでしたから、久しぶりの東京公演だったのです。東京ならではの熱気も感じながら46ステージもの公演を終え、今は既に福岡・博多座での舞台稽古に入っております。魅惑の街・福岡。食と歴史の街・博多。ああ、なんという甘美な響き。

今春に二十周年を迎えた博多座さんは、伝統的な芝居小屋の構造ではありますが、最新鋭の機構を有し、博多リバレインという複合施設の中に入っていますので外観は近代的なビルです。広くて美麗で、そして楽屋もキレイで使いやすい。でも造りは古風なのよ。なんかそこがまたカッコイイ。
博多座さんの中に入るのは今回が初めてですが、既に愛着が湧いております。来年にも「偽義経〜」でお世話になりますので、精一杯仲良くなっておこうと思います。


「けむりの軍団」福岡公演は9/6〜23。そして大阪公演は三度目となるフェスティバルホールにて10/8〜21です。真夏に始まった公演も、終わる頃にはすっかり秋。夏から秋へと、東京から福岡、大阪へと、煙に巻きながら爆走して参りますのでどうぞよろしくお願い致します。


夏が来て秋が去れば次は冬ですね。ええと、私が出演する冬の舞台が二本、情報解禁されたのでご報告させて下さい。

まずは12/4〜8に池袋あうるすぽっとにて上演されますブシプロ「BURAI2」。新感線のアクション監督でお馴染みの川原正嗣さんを主役に据えた、警官アクションサスペンス。そう! あの川原さんが主役なのです。前作である「BURAI〜女王陛下は武士がお好き〜」が上演されたのが2016年。その続編ではありますが、キャストも随分変わって前作を見ていなくても楽しめるはずです。
いつもお世話になっている川原さんが主役となれば見ないワケにはなりますまい!とばかりに前作を見に行った私ですが、まさか三年経って続編に出ることになるとは思いませんでした。華麗な殺陣、甘い声、そしてクドイ芝居。川原さんの魅力が存分に詰まった作品でした。今作ではどういう展開になるか、まだ詳しくは判りませんが、川原さんファンにはたまらない作品になることでしょう。いや、アクションサスペンスでありながら、コミカルで楽しい作品になっていた前作をも凌ぐ作品になりそうです。初めてのあうるすぽっと。12月はぜひ東池袋に!

いやいや、12月は浜町でしょう。明治座さんと、る・ひまわりさんが共同製作している「年末"祭"シリーズ」は今年で九年目。今年は「明治座の変 麒麟にの・る」と題して本能寺の変を題材に、イケメンからミュージカル、お笑い芸人、小劇場などが異種格闘技ばりに入り乱れる歴史エンターテインメント時代劇をお送りします。そして私も出演するのです。忙しいな12月。
「麒麟にの・る」の脚本は昨年「トリスケリオンの靴音」で共演した赤澤ムックさん。昨年は俳優同士として、今年は作家と役者としてお世話になります。演出は初めましての原田優一さん。先日初めてお会いした時には柔和で誠実な人となりが印象的でした。キャストも共演経験のある平野良くんや神永圭佑くん、小早川俊輔くん、辻本祐樹くん、さらに知り合いだけど共演経験のない加藤啓くんや二瓶拓也くんなどもいて、楽しい年末になりそうです。初めての明治座。12月はぜひ浜町に!

あ、「トリスケリオンの靴音」といえば、昨年版は碓井将大くん、赤澤ムックさんと私でしたが、この9/4〜16にキャストを一新して同じく赤坂RED/THEATERにて上演されます。複雑に絡み合う三人芝居。ヒトの哀しみと可笑しみで切なくなる作品です。今作ではキャストに合わせて一部脚本も変更になるようです。もう気になる! 気になりまくりますが、私は今、福岡なんです。本番なんです。どうあがいても見には行けませんので、東京にいらっしゃる方は是非とも見に行って下さいませ。面白いから!


そんなこんなの夏と秋と冬。福岡と大阪。東池袋と浜町。そして出てないけど赤坂。なんだか忙しいな! 2019年も後半ですが、ぶっ飛ばして行きたいと思います!

2019/07/13

地テシ:124 「けむりの軍団」と「メタルマクベスdisc1」

ああ、すみません。また間が開いてしまいました。二ヶ月ほどこのブログをほったらかしていました。その間に「+GOLDFISH」が無事に終わり、「ドナ禁カフェ 禁断のニッポン」at風知空知も終わり、そして「けむりの軍団」が始まろうとしている昨今です。
「けむりの軍団」については、私が書きました稽古場レポート「アワブロ」をご覧下さいませ→http://blog.vi-shinkansen.co.jp/?cat=7

そんなワケで、7/15に始まる「けむりの軍団」東京公演開幕直前でありまして、実にバタバタしておりまして、もちろんこちらも是非ご覧頂きたいのですが、その前にも見て頂きたいコンテンツがあるのですよ。そう! WOWOWにてオンエアされる「メタルマクベスdisc1」ですよ!
一年ほど前、豊洲のIHIステージアラウンド東京にて上演されました「メタルマクベスdisc1」が早くもオンエアです。久しぶりに古巣である新感線に帰ってきてくれた元劇団員の橋本さとしくんが主演のロックミュージカルっぽい作品です。7/13(土)夕方6:30からのオンエアですよ! お忘れなく!

7月だというのにやたらと寒い今年とは違って、やたらと暑かった昨年。その暑さと共にお送りした熱い舞台の「メタルマクベスdisc1」。我々も相当にバタバタしながら上演致しましたので、その出来が気になっております。私も録画して見ようと思いますので、WOWOW加入者の方は是非ともお確かめ下さいませ。無料期間とかもあるから、迷っている方はお試しで加入してみて下さいな。数多くの舞台、映画、ライブ、スポーツも見られますから損はないと思いますよ。
 
これから「メタルマクベス」シリーズも順次放映されて行くらしいので、そっちも気になりますよね。「けむりの軍団」と共にそちらもお楽しみ下さい。
そして、今年の私は後半も結構忙しいです。順次発表できると思いますが、年内はなんだか忙しくなりそうです。更に、ある映画にもチラッと出たりもしていますので、そちらもお楽しみに。

取りあえず「けむりの軍団」は舞台稽古の真っ最中。最終調整を行っております。面白くなりそうですし、最近の新感線にしては短めになりそうです。正式な上演時間は公式から発表されると思いますが、割と短めとだけ言っておきましょう。
では「メタルマクベスdisc1」「けむりの軍団」をどうぞお楽しみに!

2019/05/11

「+GOLDFISH」パンフレットのご注意

「+GOLDFISH」の初日が無事に開きました。紀伊國屋ホール一杯のお客様に盛大な拍手を頂きまして、幸先の良いスタートを切ることができました。どうぞ5/19の千穐楽までご愛顧いただきますようお願い致します。

でね、そのパンフレットについてちょっとご注意を。私も今日の初日に頂きまして、美麗な写真の多さに喜びました。たくさんのイケメンと美女の写真が一杯ですので、よろしければお買い求め下さいませ。
ただね、意外と大きいのよ。レコジャケくらいありそうな、つまり30cm四方くらいはありそうなパンフレットです。それが故に写真が美しいのですが、ご来場頂きます時のカバンのサイズにお気を付け下さい。新感線だったらよくあるデカさなのですが、プロデュース公演でこのサイズは珍しい。大きいことは良いことだ。ただ、カバンに入らないかもしれないから気をつけてね。
それと、パンフレットに掲載されている文中に盛大なネタバレがあるコトにも気付きました。左ページ上部の各キャラクター紹介の部分ね。開演前に読んじゃったら大変だ。裏を返せば終演後には物語の理解の手助けになるってコトですが、開演前に隅々まで読んじゃ駄目ですよ。
開演前には美男美女の写真をパラパラと楽しむ程度にして、文章は終演後にお読みになることをお薦めいたします。

そんなこんなで新宿は紀伊國屋ホールにてお待ちしております。なお、上演時間は休憩無しで2時間15分ほど。素敵なミステリの旅をお楽しみ下さいませ。

2019/05/09

地テシ:123 「+GOLDFISH」と紀伊國屋ホールの巻

いよいよ5/10から紀伊國屋ホールにて「+GOLDFISH」が始まります。西田大輔さんの作・演出による、ミステリでもありサスペンスでもあり、でも笑いもいっぱいある作品です。
古びた洋館に集められた12人の男女。たった一度だけ過去を振り返ることのできる魚。権利を得られるのはたった一人。そして隣町で起きた殺人未遂事件。様々な謎が謎を呼んで予想外の展開が待っています。

会場である紀伊國屋ホールにちゃんと出演するのは初めてです。ええと、ちゃんと、というのはチラッと出たことはあるのね。かつて紀伊國屋ホールにて上演されたG2プロデュース「BIGGER BIZ」には声のみで出演していたのですが、そのキャラクター自体は、タオルで顔を隠したりウサギの着ぐるみに入ったりして出演していたのね。基本的には舞台監督さんがその役をやっていたんだけど、二、三回だけ私がその役をやりました。だからチラッとだけ出てたってワケ。
なので、今回で初めてちゃんと出演するコトができるんですよ。数々の名作が上演されてきた歴史あるホールです。実はホールが入っている紀伊國屋ビルディングの竣工は1964年。私と同い年です。前川國男設計による、東京都選定歴史的建造物でもあるこのビルは、昭和から平成へと新宿の中心であり続けました。同い年の劇場に出演できるってのもなんか感慨深いですね。

何といっても書店の中にあるのがいい。私もよく紀伊國屋ホールに観劇に行きますが、開演前に各フロアを巡ってつい本を買っちゃうんだよね。ついつい買っちゃうんだよね。今回は出演ということで十日以上通いますから、また買っちゃうんだろうなあ。
今作はミステリですから、終演後には皆さんもきっと素敵なミステリが読みたくなっていることでしょう。文庫売り場は二階の北側、エレベーターや階段口からだと左側です。是非とも寄ってみて下さいませ。あ、19時の回にお越しならば開演前にね。終演後には書店は閉まっていますからご注意を。

そんなこんなで始まるよ「+GOLDFISH」。濃密な会話劇ですので、ストーリーを知っている私でも楽しく稽古が見られるんですよ。きっとお楽しみ頂けると思います。5/10から19まで、新宿の紀伊國屋ホールにて。私個人としては今年最初の東京公演です。そして令和最初の舞台でもあります。どうぞお楽しみに!

2019/05/06

地テシ:122 <4/23OA対応版>今回も音楽の話を その二

「偽義経冥界歌」大阪・金沢・松本公演が無事に終わりました。ご来場頂きました皆様、ご来場頂けなかった皆様、ありがとうございました。久しぶりの旅公演で各地の美味しいモノや美しいモノも堪能できました。これで偽歌はしばらくお休み。夏秋の「けむりの軍団」を挟みまして、来年2〜4月にはまた玄久郎や次郎や静歌に会えますよ。
しかし私としましてはその前の今年五月に「+GOLDFISH」があります。5/10(金)〜19(日)、紀伊國屋ホールですよ。10連休の後はぜひ紀伊國屋ホールに!

さて遅くなりましたが、例によって待っている人がいるかどうかも判らない「深夜の音楽食堂」の追加説明を致しますよ。4/23オンエアは洋楽中心にお送りいたしました。一曲目は私のリクエストでRaquel Rodriguezの「Hold On」(album「Miss Me」収録)。



番組ではイントロが曲紹介に被っているのですが、一番カッコイイのはこのイントロの出だしです。このピアノとオルガンとギターとベースとドラム。全楽器がユニゾンで奏でる一番最初の「ダーダー」の部分です。もちろん曲全体もボーカルも素敵な曲なんですが、出だしの二拍で心が持って行かれるのです。特にピアノの左手とベースがシンクロしているところ。なんかこういうのに惹かれるんですよね。
ちなみにこの二拍のコードがD♭maj7。番組の後半で話している、メジャーだけどちょっと切ない響きの和音であるメジャーセブンスです。

また、こちらの少人数編成バージョンもカッコイイですね。



こちらはラケルの歌唱力の凄さが際立っていますね。ギターも無類にカッコイイ。あと、猫がカワイイ。

二年前「音楽食堂」に出演した時に「レーベル買い」という話をしました。最近気に入っているレーベルがSweet Soul Recordsでして、このラケルのアルバム「Miss Me」の日本盤もSweet Soul Recordsによるリリースです。

二曲目は松重さんのリクエストでLouis Cole feat. genevieve artadiの「When You're Ugiy」(album「Time」収録)。



全編にわたるプツプツしたシンセベース(もしくはコンプレッサーとオートワウを強く掛けたエレキベース)の音が印象的なこの曲。本人がドラマーなので、シンプルで力強いドラムもカッコイイ。あと要所で聞こえるオーケストラヒットも懐かしいですね。松重さんに言わせると「変態」とのコトですが、随分とクセのある、でもキャッチーな音の作り方は最近話題のThundercatにも似ています。

最後は私のリクエストでBenny Singsの「Softly(album「City Melody」)。



ドラムとベースだけのシンプルなイントロに乗せて囁かれるウィスパーボイス。白玉のコード楽器がないからこそ際立つタイトなのにメロディアスなベースラインがカッコイイ。思わず鼻歌で追いたくなり、ボーカルが入ってからもベースラインを追いたくなり、するとベースが見事なカウンターメロディーになっていることに気付くのです。
そしてファンタジックでキラキラしたエレピ。もう、この曲はセブンスのオンパレードです。普通のセブンス(7)にマイナーセブンス(m7)、そしてメジャーセブンス(maj7)。それが故にキラキラしていて、それが幸せ感を導くのです。
ベニー・シングスは基本的にバックトラックがシンプルで音数が少ない。なのにファンタジックなのが不思議。歌声もフワフワしてるしね。

私が選んだ二曲のテーマは「幸せになる音楽」だったのですが、なんかそのカンジがお判りいただけますでしょうか。キラキラ感というか浮遊感というか、なんかファンタジックな曲。そういう音楽を聴くとなんだか幸せになるんだよという話です。まあ幸せの感じ方は人それですけどね。

取り急ぎこんなカンジ。曲はかけられませんでしたが、番組中で名前の出てきたアーティストもご紹介したいのですが、それはまたの機会に。次回は多分「+GOLDFISH」のご紹介になると思いますから。