2013/08/03

真田十勇士の予習

ええと、現在「真田十勇士」の稽古中でして、なんだか忙しくて更新が滞っておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。暑い日々が続いておりまして、そちらも色々と大変だと思いますが、どうぞご自愛下さいませ。
こちらは「空想組曲」のゲスト出演も無事に終わり(面白い舞台でしたね!)、ミロクル通信の連載も更新されたりしております。そして元気に「真田十勇士」の稽古に励んでおりますよ!

さて、そんな「真田十勇士」ですが、ご観劇に向けての予習といいますか、真田幸村と十勇士に関して最適な解説本が出たのでご報告致します。
それは晋遊社の「晋遊社ムック 歴史探訪シリーズ 天下人・家康が、最も恐れた男ー 闘将 真田幸村」です。

真田幸村について判りやすく解説している上に、まるで今舞台のタイアップではないかと思われるくらい舞台版「真田十勇士」を取りあえげて頂いております。なにしろ、表紙からして上川隆也さん扮する真田幸村ですし、巻頭特集として中島かずきさんのインタビューまで載っています。
幸村や十勇士のコトをあまりご存じでない方には最もオススメの解説本です。7月末の発売ですので今なら大きめの書店にてお買い求め頂けると思います。
まあ、これを読んだからといって舞台が格段に面白くなるというワケではありませんが、時代背景などを予習するにはもってこいだと思われますので、どうぞお手にとって頂ければ幸いです。

2013/07/13

行きにくい劇場の良作

どーもどーも、気がついたら「ママと僕たち」公演も「仮面ライダー ウィザード」オンエアも無事に終わっていた私です。ご来場頂いた皆様やテレビを見て下さった皆様、ありがとうございました。私は今「真田十勇士」の殺陣稽古で汗だくへとへとで頑張っていますよ!

さて、そんな中、時間があれば色々と舞台も見に行っているのですが、ちょっと行きにくい劇場での良作を続けて見ましたのでご報告をしたいと思います。


まずは演劇集団キャラメルボックス「ジャングル・ジャンクション」。北千住駅前にあるシアター1010で上演中でして、今日が初日であと三日で終わってしまうという短いスケジュールなのですが、小劇場ならではの身体を使った痛快な作品です。しかも「男組」と「女組」の2チーム交代公演というハードなスケジュール。
事務所の後輩でもある劇団鹿殺しの菜月チョビさん、丸尾丸一郎さん、オレノグラフィティさんの三人もご出演でして、みんな頑張っていますよ。小難しいことはなしで、元々劇団ショーマの作品を懐かしのジェットコースター演劇で表現しています。
北千住駅という、関東西側にお住まいの人々にはちょっと馴染みのない場所で、しかも北千住のどこにあるのか判りにくい劇場での公演ですので場合によっては行きにくいかもしれません。しかし、その価値はある公演ですのでお近くの方はぜひ。なお、シアター1010は駅前の○Iの11階にありますからね。エレベーターが混むから早めの到着を心がけて下さい。


もう一つは空想組曲「組曲『空想』」。ショートストーリー連作の作品でして、サスペンスありギャグありシリアスありのバラエティアソートみたいな作品です。しかし、一見ばらばらな短編が、ラストにはキッチリ繋がっていくという見事な作品。しかも笑えて泣けてスッキリして、実に爽快な作品です。
しかも、一ヶ月ロングランの中、数日ごとにゲストを交えての短編も混じってくるという贅沢さ。そして、そのF日程と呼ばれる7/23〜25の日程に、私もゲストとして参加します! 平沼紀久さんとゆるいコントします。
なんか自分の出る作品の宣伝みたいになっていますが、そういうワケではありません。私が出ている出ていない関係なく、ぜひ皆様にも見て頂きたい作品なのです。

劇場は中落合辺りにあるシアター風姿花伝。これがまた行きにくい場所でして、西武新宿線下落合駅からも西武池袋線椎名町駅からも歩いて10分程掛かる場所。JR目白駅からは歩けば20分程掛かりますが、駅前からひっきり無しにバスが出ていますからこちらが便利かも。詳しくはこちら。

行ってみたら案外行きやすかったですよ。

そんなこんなの、行きにくい劇場での良作二本。他にも今ならナイロン100℃の「わが闇」とかおにぎり「トークトワミー」とか行きやすい良作もありますが、たまには行きにくい劇場にも足を延ばしてみるのはいかがでしょうか!

2013/06/25

地テシ:048 またしても東京地形話

六月上旬はデジタル関係の新発表が多くて追いきれないほどでしたね。無理矢理まとめますと、Xbox Oneが11月発売! PS4はまさかの菱形筐体! 新しいMacProはまさかの黒い円筒形! 新しいMac OSXであるMavericks発表! 新しいiOSであるiOS7発表! 新MacBook Airにはhaswell搭載! といった感じです。総合的に今年の秋から冬には色々変化があるってコトでしょうか。秋が待ち遠しい! とか思いますが、私は舞台が忙しすぎて待ち遠し感すら味わう暇もなさそうですよ。なお、なぜ今更六月上旬の話を書いているのかと申しますと、今号のネタはずーっと書きかけの記事だったってコトですね。


さて、最近地図ネタっぽいのが続いていますが大丈夫ですか? ていうか、このBlogは大体そんな内容ですから大丈夫でしょうが。そして、今回もそんな内容です。

私の興味は「何故そこに道がひかれているのか、何故そこに線路が敷かれているのか、何故そこに駅があるのか」という、交通と地勢学との関係性にあるという話は以前にも書きました。そして、ここ最近にそれらについて解説していてくれる面白い本が立て続きに出版されていたのです。
なので、今回はそれらを紹介しつつ、関東における交通と地形との関係を少々解説したいと思います。



中央線がなかったら 見えてくる東京の古層
中央線がなかったら 見えてくる東京の古層

まずは「中央線がなかったら 見えてくる東京の古層」(陣内秀信・三浦展 編著/NTT出版)。これはもう、タイトルからして私の興味にドンピシャな本です。要するに、鉄道がなかった頃の東京の西郊はこのように発展していたんだよ、という話です。
古代から近世までの三多摩地区には律令官道、鎌倉街道、江戸街道などが敷かれており、消えてしまった道も多いのですが、中には現在にも生活道路として生きているケースも多いのです。そして、鉄道も街道に沿って作られたモノが多い。京王線は甲州街道にほぼ沿っているし、地下鉄丸ノ内線(と昔の都電)は青梅街道に沿っています。つまり昔からの町を縫うようにして走っています。
しかし、中央線は地形も町も関係なく真っ直ぐに武蔵野台地を東西に通っています。用地買収をしやすくするためにワザと何もないところを通したのですね。そしていくつか駅ができ、そこに町ができる。するとそれらを繋ぐ道もできる。

つまり、中央線ができたことによって武蔵野の町も道も一新され、それによって生活も変化していったのです。それらの町と道、そして中央線を消してみると、七世紀から十九世紀の長きにわたる武蔵野の人々の生活が見えてくるというワケです。

特に陣内さん、三浦さんによる巻頭対談が素晴らしい。概論として、この本に書かれていることが総括されています。その後は中野・高円寺・阿佐ヶ谷などの各論が述べられ、実際に古街道を歩きながら検証していてとても面白いのですが、あまり興味のない方には判りにくいかもしれません。



新宿学
新宿学

次は「新宿学」(戸沼幸市編著、青柳幸人・髙橋和雄・松本泰生著/紀伊國屋書店)。何やら難しそうなタイトルですが、確かに専門的で少々堅めの文章です。しかし、新宿の地勢学から江戸時代の内藤新宿、近代の新宿駅の発展を丁寧に解説しながら、その歴史と未来図を探求しています。元々は早稲田大学オープンカレッジの講義をベースとしたものらしく、学術的にも確かな内容です。
とにかく、コレを読めば新宿の、特に新宿駅近辺の歴史が全て判るというシロモノですよ。一日350万人が乗降するという、世界最大のターミナル駅の発展の過程が詰まっています。

そもそも現在の新宿エリアは、中世までは特に大きな町ではなかったようです。しかし、江戸時代に甲州街道と青梅街道、そしてその分岐点である新宿追分ができて人馬の往来が激しくなり、さらに江戸初期に「内藤新宿」と呼ばれる新しい宿場町ができると一気に町が大きくなります。
そして明治十八年に現在で言うところの山手線新宿駅ができますが、町外れにできたためにほとんど利用者がなかったってのも面白い話です。今では考えられないでしょ。

その後、中央線、都電、京王線、小田急線、地下鉄丸ノ内線・新宿線・大江戸線と、乗り入れる鉄道が増えるたびにターミナルが巨大化し、現在のようなモンスターターミナルとなったのです。まさに鉄道が町を作ったのです。


迷い迷って渋谷駅 日本一の「迷宮ターミナル」の謎を解く
迷い迷って渋谷駅 日本一の「迷宮ターミナル」の謎を解く

最後に「迷い迷って渋谷 日本一の「迷宮ターミナル」の謎を解く」(田村圭介著/光文社)。タイトル通り迷宮のような渋谷駅が何故できたのかが時代を追って丁寧に解説されています。もちろん鉄道駅ができる前の古代から近世に至るまでの渋谷についても語られています。
ええと、たしかそんな内容でした。いや、この稿を書くに当たって読み返そうと思ったのに見当たらないのですよ。多分家のどこかにはあるのだと思いますが、何しろとっちらかっているモノでして。多分大掃除をしたら出てきます。なので、本書の内容と言うよりは、著者と田村研について書いてみたいと思います。

昭和女子大准教授である著者は、ゼミである田村研究室のメンバー・学生と共に渋谷のグランドデザインを研究し、その成果を書籍だけでなく、渋谷各所にて催されるイベントなどでも披露しています。
今年の春に観たのは、ヒカリエの4階に展示されていた田村研による「ダンボール製の渋谷」でした。5m×5mほどのダンボール製の地面。しかも、ちゃんと素の地面の起伏も再現されています。その上にダンボール箱を積み重ねた渋谷のビル群が建ち並びます。

ただし、あくまで簡易な概念図ですので、リアルに再現されているワケではなく、イメージとしてのジオラマでしたけど。しかし、ミニチュアというには大きすぎる、迫力のあるディオラマでした。


以上、三冊の、今年になってから刊行された「東京西部における土地と鉄道駅との関係性」を丁寧に描いた書籍でした。もうね、この手の本は最近どんどん刊行されていますから、その中から個人的に面白い本を見つけ出して読むのが大変なんです。いや、嬉しいんですけどね。



さあ、そんな感じの六月。現在「ママと僕たち」上演中です。
http://www.nelke.co.jp/stage/mamaboku/

それと、「仮面ライダー ウィザード」出演中です。
http://www.tv-asahi.co.jp/wizard/
来週6/30にも出ていますからお見逃しなく!

じゃ、日曜朝八時に、テレビ朝日で僕と握手!

2013/06/19

ママと僕たちと僕

さあ、今週末6/21からは渋谷のアイアシアタートーキョーにて「ママと僕たち」の幕が開きますよ!

イケメンと小劇場と歌のお兄さんがコラボする謎の舞台。でも、なかなかポップで面白い作品に仕上がっていると思います。日によってはまだチケットも残っているそうですので、気になる方は是非お越し下さい。
渋谷から公園通りを上りきった正面、NHKの右側にある劇場ですよ。以前はマッスルミュージカルが上演されていた劇場と言った方が判りやすいかもしれません。実は原宿駅の方がちょっと近いんですけどね。

そんなこんなでまた渋谷に通う日々が始まります。今書いているコンテンツも渋谷駅とかそういうターミナル駅についての内容ですので、そちらもお楽しみに。ていうか、ずっと前から書いているんだけど、稽古が始まったらパッタリ停まっちゃったのね。

トーキョーは急に暑くなってきましたが、皆様も体調にはお気をつけて下さい。じゃ、また。

2013/06/10

地テシ:047 2013後半の私

そろそろ夏。徐々に暑くなっていく気温が嬉しくもあり悲しくもあり、といった日々ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は暑いのは苦手なのでどちらかというと悲しい日々です。

さて、この6月下旬にはネルケプランニング「ママと僕たち」
http://www.nelke.co.jp/stage/mamaboku/
が上演予定でして、現在その稽古にバタバタと取り組んでおります。日によってはまだチケットがある日もあるとのことです。テニミュキャストの多いカンパニーですが、タダのイケメン芝居に収まらないアグレッシブな作品になりそうですよ。気になっている方は、是非!


そして、その後の今年の冬までの仕事情報が出そろいましたのでサクッとまとめてみたいと思います。

まずは映像出演のお知らせです。
テレビ朝日「仮面ライダーウィザード」の再来週6/23(日)の第40話と再々来週6/30(日)の第41話にちょっとずつ出演しています。予告編には出ていませんが、出ているはずです。
ここ二話、池田成志さんもカッコよくご出演なさっていますが、それと相まって次回と次々回は小劇場風の空気になるかもしれません。一緒のシーンは無いけど。
ただ、役柄については私は言ってはいけないらしいので、出るとだけご報告しておきます。どうしても知りたい方は、東映株式会社さまのHPでいろいろ探して頂きますとなにか情報があるかもしれません。
なお、来週6/16は全米オープンゴルフのため「ウィザード」はお休みです。オンエアは再来週と再々来週ですからお間違いなく。


舞台では夏の「真田十勇士」
http://www.sanadajuyushi.com

に続いて秋の「ショーシャンクの空に」舞台版が発表されました。
http://shawshank-stage.jp

演出はお馴染みの河原雅彦リーダー、脚本は「桐島、部活やめるってよ」で日本アカデミーショー優秀脚本賞を取ったことで話題の喜安浩平さんが担当することでなんだか話題になってしまいましたね。喜安さんは映画脚本家として以外にも、劇団・ブルドッキングヘッドロックの戯曲・出演や劇団NYLON100℃の劇団員としても精力的に活動なさっていますね。ブルドッキング〜の最近作「少し静かに」は今年前半期出色の面白さでした。演出は、先日私も出演した「サイレント・フェスタ」にも出演なさっていた西山宏幸さんです。なんかこうして少しずつ自分の周りの世界が拓けていくのは楽しいですね。
ちなみに、今年前半期で個人的に一番の面白さだったのは池田成志先輩もご出演なさっていたイキウメ「獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)」です。魅せるし笑わせるし考えさせられるし、SF好きのみならず全方位に納得させられる傑作でした。見ながら心揺さぶられる感覚を味わいました。

そんなこんなの今年後半。自分が出る舞台でも全力を尽くして面白くしたいけど、見に行く芝居でも面白い作品に出会いたい。そんな気持ちは皆様にもお判り頂けると思っております。どうせならワクワク過ごしたいじゃない! そんなワクワクをお届けできるように私も頑張りたいと思います!