2020/06/28

地テシ:156 少しでも説明してしまうと面白さが損なわれてしまうゲームの巻

6月も下旬になりますと、4月5月に立てられた企画が徐々に煮詰まっていくワケでして、コレまでにもお伝えした通り、様々な企画がどんどん形になっていっております。驚くようなスピードで。
ですので、ちょっと私関連のニュースをまとめておきましょう。
まず、SSP関係では「レッツゴー!忍法帖」を見ながら喋る企画と、「神州無頼街」のTシャツ、そしてそのオマケに付く「新感線めぐり」



映画館ではゲキ×シネの五右衛門シリーズなどのセレクション上映からの7/10からは「けむりの軍団」です。全国でご覧頂けますよ。



そして6/30深夜にはFm yokohama「深夜の音楽食堂」のゲスト。それと、昨年末に出演致しました「明治座の変 麒麟にの・る」の7/5のオンライン上映会も発表されました。明治座さんの食堂から生中継なんですって。私は参加しませんが、気になる方は是非。
それと、次号の「えんぶ」には私のロングインタビューが掲載されますよ。7/9頃発売予定です。
これらの他にもまだまだ様々な企画が進行中ですのでお楽しみに。



さて、前々回はPS4の「Detroit: Become Human」をプレイして頂きたいという話を書きました。「詳しく説明してしまうと面白さが損なわれてしまう」ゲームですよ。
そして、今回書くとお約束したのが「少しでも説明してしまうと面白さが損なわれてしまう」ゲームについてです。

まあね、「詳しく」説明してしまうと面白さが減ってしまうゲームというのはたくさんありますよ。個人的にプレイしていて展開に驚いたのがNINTENDO64の「ワンダープロジェクトJ2」とか、Xbox360やPCの「Portal」とか。システムも良く出来ている上に、ストーリー展開が凄い! でも、もちろん詳しくは話しませんよ。

しかし、「少しでも」説明してしまうと面白さが減ってしまうゲームなんて中々ありません。トコロが出逢ってしまったんです、そんな不思議なゲームに!

ええと、その前に「そこそこ話してしまうと面白さが損なわれてしまう」ゲームを二つご紹介いたしましょう。どちらもNintendo Switchで遊べます(どちらもPC版もありますけど)。

一つ目は以前にも書いた「Baba Is You」。アイデアが素晴らしい。基本的には古典的名作「倉庫番」のように、主人公が邪魔なモノをどけてゴールに辿り着けばクリアです。ただ、この「主人公」も「邪魔なモノ」も「ゴール」も変えてしまえるのが本作の凄いところ。
ええと、説明が難しいので、Nintendo公式チャンネルの紹介動画を見て下さい。



このように、ルールそのものを変えてクリアを目指すのです。「叙述式パズル」といっても良いかもしれません。ただ、この動画以上の説明をしてしまうと、思考パズルの面白さが減っちゃうんですよね。
超ローファイで可愛いグラフィックで描かれる、超シンプルで超新鮮なシステムの超難しいパズル。私もまだまだクリアにはほど遠いですが、チマチマと進めております。正直に言ってかなり難しいです。でも、解法に気付いた時の興奮が凄いんですよね!
一つの面で行き詰まって、30分くらい試行錯誤して諦めて、っていうのを三日ぐらい繰り返したところで、ハタと閃いてクリアする、みたいなトコロは名作「ICO」以来の難易度です。

もう一つは「WHAT THE GOLF?」。これはもうシンプルにゴルフゲームです。ゴルフが嫌いなスタッフが作ったゴルフゲームです。ん? ゴルフゲーム? いや、違うな。ええと、これも説明が難しいのでNintendo公式チャンネルの動画をご覧下さい。



もう無茶苦茶でしょ。パットゴルフゲームの皮を被った壮大なおふざけゲームです。なんでもありなんです。簡単操作で色んな体験ができます。しかも様々な有名映画のパロディや有名ゲームのオマージュが次々と出てきます。ゲームに詳しい人ほど面白いと思います。もはや大喜利ですよ。笑いを取りに来ているとしか思えません。
確かに私も深夜にプレイしながら何度も声を上げて笑いました。でも、笑いだけじゃないんです。しっかりとした謎解きや着実な攻略も必要になるけど運で上手くいったりするという、スルメのような作品です。テンポが良いので中々やめ時が見つからずに、ついつい次々進めちゃうんですよね。でも、こちらもまだまだ終わりが見えませんので、まだまだチマチマ進めていますよ。どことなく名作「塊魂」を思い出させます。

「Baba Is You」は論理的にじっくり考えて何度もトライしていくタイプで、「WHAT THE GOLF?」は直感でガンガン進めて偶然も味方するタイプ。どちらもいわゆる「インディーズゲーム」という、小規模チームで作ったアイデア重視の小規模作品ですが、その分お値段が安いのでオススメですよ! 今、Switchのインディーズゲームが熱い!


さて。いよいよ本題の「ちょっとでも説明してしまうと面白さが損なわれる」ゲームをご紹介いたしましょう。ええと、そういうワケなのでほとんど説明しませんよ。
それはiOS(iPhoneとiPad)でしかリリースされていない「Song of Bloom」。大雑把に言えば謎解きゲームです。
ただ、何が謎なのかすら始めは判らないんです。どうプレイすればいいのかすら判らない。
開始という文字をタップすると、なにやら謎めいたポエムと動画が始まり、文章の終わりをタップするごとに次々と謎なポエムが連なります。この間、約30秒。終わったら左上をタップするとその動画が繰り返し再生されます。



もうこの段階で謎だらけです。
ここで投げ出すか、いや待てこれ何だと燃えるか。

アハ体験というのがありますよね。なかなか気付かないけど、気付いてしまうと瞬時に全てを理解してしまうような不思議な体験。このゲームには様々なアハ体験が詰まっています。
とりあえず、色々やってみて下さい。何度も詰まると思いますが、とにかく色々やってみて下さい。その度にパァァァァ! と広がるアハ体験ができますよ。この快感が凄い!

結構引っ張ったわりには簡素な説明ですみません。ですが、詳しく説明しちゃうと面白くなくなっちゃうんだから仕方ない。ただ気をつけて。「Song of Bloom」で検索しちゃうと色んなネタバレが出てくるからね! もし、本当にプレイしてみたいなら、何にも調べずに以下のリンクからダウンロードして下さい。たったの250円だから!

Song of Bloom

そんなこんなのゲームをプレイしたりしなかったりの日々。もう一度書いておくけど、Fm yokohamaの「深夜の音楽食堂」は6/30の深夜24:30からだからね。radikoを使えば全国から聴けますよ。





2020/06/23

地テシ:155 「レッツゴー!忍法帖」を見てみよう の巻

「少しでも説明してしまうと面白さが損なわれてしまう」ゲームについて書くはずでしたが、今日は最近の新感線関係の動きをご報告。

様々な企画を同時進行している新感線・シンパシー・プロジェクト《SSP》ですが、私も関わっている企画『17年後に「レッツゴー!忍法帖」見てみた』が発表になりました。高田聖子・粟根まこと・河野まさと・中谷さとみの中堅4人が17年前のネタモノ作品である「レッツゴー!忍法帖」のDVDを見ながら、あーだこーだ言っている動画です。この動画を聞きながらDVDを見て頂くと面白さが1.2倍くらいになります。多分。いつものニコニコ動画の新感線チャンネルにて7/4から!

そして、コレに連動してイーオシバイドットコムにて「レッツゴー!忍法帖」DVDが7/3まで1,000円オフです! まだDVDをお持ちでない方は是非この機会に! 阿部サダヲさんが飛び回り、入江雅人さんがキレよくツッコみ、馬渕英俚可さんがおキャンにお転婆し、そして池田成志さんがひたすらボケ倒すという怪作です。劇団員たちもほぼ全員出ている上に、みんな若い!



この「見てみた」シリーズは、好評ならばまだまだ続くかもしれません。ですので、もし面白かったらその旨をどこかにお伝え頂ければ幸いです。

あと、公演中止となってしまった「神州無頼街」のTシャツも販売致します。公演は中止になっちゃったけどTシャツは作っちゃいました! 8/5発売ですが既に予約は始まっています。デザインは二種類で、どちらもカッコイイ! 今しか手に入らない幻のTシャツですぜ! ていうか、私も欲しい! もらえるのかな。もらえなかったら買っちゃおうっと!

えー、世間が新しい日常を取り戻していく中、やはり劇場などでのライブイベント関係はまだなかなか難しい状況です。それでも皆様に楽しんで頂けますように、関係者一同頭を捻っております。
まだまだ様々な企画が進行中ですのでどうぞお楽しみに!




2020/06/21

地テシ:154 「Detroit: Become Human」をプレイして頂きたい の巻

四週に渡ってお送りして参りました「SSP動画まつり」は終了致しましたが、6/19からは全国の映画館でゲキ×シネのセレクション上映が始まり、7/10からは「けむりの軍団」の上映も始まります。次は映画館でお楽しみ下さい。

さて、ステイホームが推奨された今年の4月と5月。この6月に入ってから徐々に忙しくなってきた私ですが、4、5月の頃は仕事も無く、ステイホームしながら部屋の片付けと自宅フィットネスと、そしてゲームを主にやっておりました。
ゲームといいましても、主にプレイしていたのはコレまでに書いてきたおウチでゲームでフィットネスなアクティビティのゲームに費やす時間が長かったのですが、いわゆる普通のゲームも色々と楽しんでおりました。

でね、そんな楽しいゲームの中、今日ご紹介したいのが「詳しく説明してしまうと面白さが損なわれるゲーム」についてです。

内容について詳しく説明してしまうと面白さが損なわれるゲームというのはママありますよね。例えば推理アドベンチャー。これはもう推理小説と同じですから、真犯人を教えるなんてのはもってのほかとしても、捜査のヒントを与えられるだけでも大きなマイナスとなる場合があります。「意外な人が真犯人」と言われただけでもグッと面白さが減ってしまいます。
あとは、ストーリー展開が面白いロールプレイングゲームなどでも同様でしょう。主要なキャラクターが死んじゃうとか途中で裏切るとか、そういうのを先に言われてしまうと驚きが無くなってしまうんですよね。できるだけ先入観の無い状態でプレイするのが望ましい。
そういったストーリー上の仕掛けというか驚きの大きい作品は名作として語り継がれているので、今ではほぼ公然の秘密みたいになっていたりしますね。例えばファミコン時代で言えば「ポートピア殺人事件」とか「女神転生II」とかが有名ですかね。やっぱり言えば言うほどマズイな。




最近プレイしたPS4の「Detroit: Become Human」も同様のタイプです。リアルなグラフィックで描かれる、アンドロイドが生活に欠かせなくなっている近未来でのアドベンチャーゲーム。三体のアンドロイドを順番に操作しながらストーリーが進んでいきます。
美麗でオシャレなグラフィックではありますが、ストーリーの要所要所で選択肢が示され、その選択によってストーリーが変化していくというシステムは往年のテキストアドベンチャーを彷彿とさせます。

テキストアドベンチャーとは、かつてパソコンゲームの黎明期に興った叙述ゲームで、文字のみで状況が説明され、それに対して簡単な文字コマンド(GO WESTとかTAKE BOOKとか)でアクションをしてストーリーを進めていきます。プレイできる小説といった感じですね。簡素なグラフィックが添えられている場合もあります。チュンソフトの「サウンドノベル」シリーズもこの系譜上にあります。
同様にテーブルトークロールプレイングゲーム(TTRPG)も思い出させます。TTRPGはいわゆるテレビゲームではなく、紙と鉛筆とサイコロなどを使ったアナログゲームでして、数人のプレイヤーと一人のゲームマスターがルールブックに則った行動をしながら冒険していきます。宝箱を開けたり落とし穴に落ちたり敵と戦ったりといったアクションを、サイコロなどで成否を判定しながらゲームマスターがジャッジして進めていくのですね。このシステムを書籍上で再現した「ゲームブック」というのも存在しました。

要するに、この「Detroit: Become Human」は最先端の美麗なグラフィックで彩られてはいますが、感触としては実にアナログな印象のゲームです。自分の操作するアンドロイドの行動を選択してストーリーを展開していき、時には時間制限のあるボタン操作で成否が判定されるという、今風の表層ながら古風なシステムも感じられるという面白い構造になっています。

でね、この「D:BH」なんですが、始めは敬遠していたんですよ。今どき選択肢を選んでいくだけのアドベンチャーゲームなんて、みたいな偏見があったのかもしれません。ですが、このゲームがPlayStation Plusのフリープレイ(会員だけが無料でダウンロードできるゲーム)になった時に思いだしたのです。かつて選択肢を選んでいくだけのアドベンチャーなのに、夢中になったゲームがあったことを。

それはチュンソフトの「街 〜運命の交差点〜」。1998年にセガサターンで発売されたこのソフトは、後にPSやPSPにも移植され、コアなファンを輩出したことでも有名です。
8人の主人公が渋谷で過ごす5日間を描いた作品で、小説を読むようにストーリーを進めていくと選択肢が現れ、そこでの選択がその主人公の行動を決めるだけでなく、他の主人公の運命をも変えてしまうというマルチフラグメントシステムを採っておりました。
なので、ある主人公のストーリーを進めているとどうしても手詰まりになってしまうのです。そうなったら、別の主人公に切り替えて進めてみる。すると、新たな展開が起こって先に進めるのです。このザッピングシステムも革新的でした。
主人公が8人もいるので、それぞれの作風が違うのも面白い。サスペンス調だったりコメディ風だったり、様々なテイストでプレイヤーを飽きさせません。
エンディングを迎えても、隠しシナリオが現れたり、他の選択肢も試してみたくなったりして、繰り返しプレイしてしまうのです。もうしゃぶり尽くしたのにSS版の後にPS版もプレイしてしまったほどハマったゲームでした。

そこで「D:BH」ですよ。このゲームでもかなりシリアスな選択肢が随所にあり、しかもそれぞれの選択が他の主人公に影響を与えたりもするので、選択にも熟慮が必要になります。これは「街」好きには堪りませんよね。
とはいえ、「街」のようなザッピングシステムで巻き戻すのが主眼ではなく、選んだ結果に則ってストーリーはガンガン進みます。フローチャートシステムを使えば、ちょっと戻ってプレイし直すコトもできるのですが、そうしようとするとシステム側から「ストーリーが変わってしまいますよ」と、やんわりと止められるんです。そんなこと言われたら、まあ、ここはこのまま進めようと決意しますよね。
正直な話、「ココであっちの選択肢を選んでいたらどうなったんだろう」と思い続けながらプレイしていました。こりゃぁ「街」の時と同じように、エンディングの後に何度もプレイしてしまうなぁ、と。

ええと、結論から言いますと、私はこのゲームを一度しかプレイしていません。ええ、やり直さなかったんです。

ゲームのエンディングでスタッフクレジットが流れる中、ゲーム画面がフラッシュバックするのですが、そこには私が見たことの無いシーンがたくさんありました。クリア後にネットでプレイレビューなどを検索してみると、それはそれはたくさんの多彩なストーリーが出てきて驚きました。こんなにたくさんの分岐ストーリーがあるのか、と。
ゲームのオープニングでナビゲーター役であるアンドロイドのクロエ(初めてチューリングテストに合格したアンドロイド)が操作を教えてくれるのですが、クロエが言う、このゲームのメインコピーでもある「これは、あなたの物語」というセリフがあります。このセリフが全てを物語っています。

プレイしながら、アンドロイドたちはどのような選択をするのがベストだろうと考えていました。しかし、途中から「自分ならばどれを選択するだろう」という気持ちに変わっていったのです。まさに「自分の物語」をプレイしていったのです。
その結果は自分の物語ですから受け入れるしかありません。選択を選び直して別のストーリーをプレイしても、それは自分の物語ではありません。だって選び直しているんですから。
そう思ってしまったら、なんかこう、プレイし直す気持ちでは無くなってしまったんですよね。このストーリーを受け入れようと思ったのです。

たまたま私は比較的グッドな結末を迎えたようですが、どうやら、それはそれは多彩なエンディングが用意されているようです。かなり悲観的なエンディングもあるようなんですね。
でも、私にとってはこのゲームのエンディングはコレなんだと思ったら、コレでいいやと思ってしまったのです。

ゲームの特典映像として、メイキングムービーが収録されていました。三人の主人公の為に、三人の作曲家がそれぞれの担当の音楽を作ったとか、複雑なストーリーを創作するために多大な苦労を払ったとか、とても興味深い裏話が語られていましたが、私が一番面白いと思ったのはモーションキャプチャーを使った各キャラクターの収録風景でした。それぞれのキャラクターが、それぞれを演じた役者さんにそっくりだったんです。モデリングだけではなく、動きも表情も役者さんに限りなく寄せて作られていました。
それを見た時に、この作品に対する制作陣の真摯な姿勢と苦労がハッキリと見えて、それを尊重する気持ちになったのです。

好きな映画なら、そのストーリー展開が自分の好みと違っても納得できますよね。「そうなっちゃんたんだ、でも面白いよね」という気持ちになりますよね。そんな気持ちになっちゃったんです。これが、私にとっての「D:BH」なんだってね。
だから、これでいいんです。これが私の「D:BH」なんです。制作陣の意図とは違うかもしれませんが、私はプレイし直しませんでした。多彩な選択肢を体験することはできませんでしたが、これでいいんです。楽しみながら結末に満足しました。ちょっと不本意ではありますが、これが結末なんだと納得しました。

そして「D:BH」は私の記憶に強く残る作品となりました。今の私の願いは、より多くの人に「D:BH」をプレイして頂き、より多くの結末を紡ぎ出して欲しいというコトです。こんなコトならフリープレイじゃなくて、ちゃんと買ってプレイすればよかった。それくらい価値のあるゲームだったのです。

「D:BH」の発売日は2018年5月。二年前の作品です。そのプレイレビューを二年後に投稿されて、しかもプレイを薦められても困ると思いますが、面白かったんだからしょうがない。PS Storeには体験版もありますので、是非。


でね、「詳しく説明してしまうと面白さが損なわれるゲーム」はたくさんあるのですが「ちょっとでも説明してしまうと面白さが損なわれるゲーム」というのは中々ありません。でも、そんな繊細な作品にも出逢ってしまったのです。ええと、それについては次回。



それと、今後の仕事についてもいくつか発表されました。
まずはSSP関連で、グッズを購入して下さった方に差し上げるオマケとして、かつての新感線ファンクラブ会報というのが復活することになりました。私が編集長を務めております。詳しくはこちら
それと、松重豊さんが店長を務めるFm yokohamaの番組「深夜の音楽食堂」にリモートゲストで出演することも発表されました。三度目の出演ですが、毎度本当に楽しい音楽談義ができて幸せな時間でした。神奈川近辺でなくてもradikoなどのアプリなら全国から聴けますよ。6/30の深夜です。どうぞよろしくお願い致します。




2020/06/14

地テシ:153 CMに見る東京の街並み の巻

いよいよ最終週となってしまったSSP動画まつり。最後はいよいよ「五右衛門vs轟天」です。2015年に上演された、ネタモノ集大成みたいな作品です。新感線が誇る二大当たり役である古田・五右衛門と橋本・轟天に加え、うさんくささ満載の池田成志さん、妖艶さ満載の松雪泰子さん、そして今や飛ぶ鳥を落とす勢い満載の賀来賢人さんが軽やかに暴れ回ります。
メインのストーリーを中島かずきが書き、いのうえひでのりが下品なギャグをふんだんに盛り込みました。盛り込みすぎました! 劇団員(に加えて常連ゲストも)が過去の当たり役を演じ、しかも過去パートと現代パートがあるからそれぞれが二役をやるという趣向です。
途中まで見て思いだしたけど、私は三役やってるわ。そうでしたね。これまたディスクになっていない、必見の秘蔵映像です! こちらからどうぞ!

SSP

さて、「SSP動画まつり」のコンテンツ変更に合わせて更新をして参りましたこのブログですが、以前は中々更新が行われなかったこのブログですが、四月末あたりから頻繁に更新されているこのブログですが、つまり舞台の仕事が無くなって記事を書く時間ができたこのブログですが、書きたいことはまだまだあるこのブログですが、ココに来てSSP関係の仕事が増えて忙しくなってきたこのブログでして、今回は小ネタを投入させて頂くこのブログです。

最近よく見るCMの一つである、ソフトバンクさんの「勝手にHERO'S」シリーズ。松本人志さんとお父さん犬のヤツですよ。その「勝手に笑顔」篇のCMがこちら。


この冒頭の、ビルの屋上に立つ一人と一匹のシーンが気になりましてね。明らかに東京の風景なのですが、妙に高いビルから見える風景に、遠くに見える妙に高いビル群の手前に、妙に低い街並みが広がっています。テレビ画面を撮影した写真がこちら。



東京にしては低い街並みですね。これが妙に気になりまして、GoogleMapの3D機能を利用して探しました。



左上に六本木ヒルズと東京タワー、右下に小学校(渋谷区立神宮前小学校)という構成上、ココがおそらく松本さんとお父さん犬のいるビルの屋上です。
CMでは合成かもしれませんが、この風景が見られるのは明治通りの「竹下口交差点」上空あたり。原宿駅の近所です。つまり、この妙に低い街並みは住所でいえば渋谷区神宮前三丁目、四丁目あたりというコト。明治通り、表参道、青山通り、外苑西通りに囲まれた四角です。
大都会東京のド真ん中である渋谷区神宮前が、再開発の波に飲み込まれずに意外と低い街並みなのは面白いですね。戸建ての多い静かな住宅街なのです。他にも天現寺、麻布、牛込、四谷など、大都会のド真ん中でありながら閑静な住宅地は多くあり、そういうのを探して散歩するのが私は大好きなんです。

近頃は散歩もままなりませんが、また気軽に東京再発見の散歩に出られる日々を願っております。
とかいいながら、先日、二ヶ月ぶりに電車に乗りましたよ。もちろん仕事ですよ。久しぶりに人と会話をしましたよ。こうやって新しい日常を取り戻していくのですね。それでも、手洗いとうがいはキチンと行いましょう。それこそが新しい日常なのかもしれません。


そうそう、SSPとは関係ありませんが、ゲキ×シネ「けむりの軍団」が発表されましたね。2019年秋に上演されました、古田新太と池田成志さんのバディをセンターにおいた、倉持裕さんの脚本による痛快時代劇です。早乙女太一きゅんと須賀健太くん、そして先日、生田斗真さんとの結婚を公表した清野菜名さんをゲストに迎え、クロサワ映画ばりの大冒険を繰り広げます。詳しくはこちら!

ゲキ×シネ「けむりの軍団」

それに合わせて過去作品のゲキ×シネもセレクション上映されます。こちらもよろしく。

緊急事態宣言も解除され、映画館にも灯が戻ってきました。公演ができない今、映画館で新感線をお楽しみ下さい! ちなみに私がお楽しみにしているのは年末のPS5ですけどね!


2020/06/07

地テシ:152 私は断捨離ができない の巻

SSP動画まつりも第三週に入って、いよいよ大人の新感線「ラストフラワーズ」です。作・松尾スズキ、演出・いのうえひでのりによる、大人計画と新感線のキャストが同数ずつ+小池栄子さんという豪華な顔ぶれですが、これももちろんディスクになっていないレア映像。とにかく星野源さんの歌声が凄かったなあ。一週間限定ですよ!
私もとりあえず一幕まで見ましたが、話を全く忘れているので普通に楽しんで見てしまいました。とにかくみんなキャラが濃い! 濃すぎる!

さて、以前にも書いた通り、最新のVRギアであるOculus Questで様々なゲームを楽しんでいる私ですが、このマシンはVRゴーグルで視界を覆い、両手に持ったコントローラを動かして操作するので、そこそこ危険を伴います。何しろ周りが見えない中で手を振り回すんですからね。
もちろん、椅子に座ってプレイできる比較的おとなしいゲームもありますが、基本的には2m四方の安全なプレイエリアが推奨されています。いやいや、日本の住宅で2m四方に何も無い空間なんてなかなかありませんよ。
ここで、広大な空間でVRゲームを楽しんでいる、なんとも羨ましい海外の動画も挟んでおきましょう。




しかし、巣ごもり期間が長かった昨今、自宅アクティビティの必要に迫られて、いよいよ私も部屋を片付けて2m四方を確保しましたよ。いや、正確にはちょっと足りないんですけど、まあまあそれっぽい空間はできました。それがどれだけ大変なコトだったか! もうね、モノに溢れた部屋を整理したり捨てたりしてなんとかそこそこ綺麗にしました。まあ、概ね別の部屋に移動させただけなんですけどね。
ただ、確実に捨てているものがあります。それはCDケース!

皆様は「CDを剥く」という行為をご存じでしょうか。いや、私が作った言葉なのでご存じないのも無理はありません。剥くというのは、CDのプラケースをバラして、ディスクとジャケット、裏ジャケット、帯を取り出し、ファイルケースに収めることです。
ジャケットは表面の、いわゆる歌詞カードです。裏ジャケットはCDの乗っているトレイの下にある、バックインレイとも言われる紙。帯はサイドキャップとも言われる背表紙の部分ですね。これらをディスクと共に専用のファイルに収めるのです。

ちょっと判りにくいので写真でご説明足しましょう。


サンプルにしたのはイタリア出身のアシッド・ジャズバンドであるCAMERA SOULの日本デビューアルバム「Dress Code」です。オシャレでグルーヴィーなサウンドが心地よいですよ。
この段階で、私の場合は帯が表ジャケットの部分に挟んでありますね。
その右側にあるのが、タワーレコードで買ったCD用クリアファイル。この後の作業をするのにカッターがあると便利です。

まず、ディスクをファイルに入れます。


そして、ディスクが乗っていたトレーの部分をガバッと手で剥がします。それほど力は要りませんが、慣れるまでは難しいかもしれません。


そして、その下にある裏ジャケットを剥がします。挟んであるだけなので簡単に取り出せますが、その時にカッターで引っかけると楽です。そして裏ジャケットの両端(直角に折れ曲がっている部分)を内側に折り畳みます。
表ジャケットと帯はフタ部分から抜き取ります。


これで、ジャケット、裏ジャケット、帯が取り出せました。


この三枚をまとめて、先ほどのファイルの裏側のポケットに収納します。


はい、これで完成です。
こうすることで、厚さも重さも以前の1/3から1/4になります。

こちらが剥かれたあとのCDケース。


この抜け殻をまとめて捨てるのですが、これがまた重いのなんの! 殻だけでこれほど重いのですから、これでこそ剥いた甲斐があるというのが実感できます。

この作業をしていて、ふと気がつきました。昔のCDって、トレーの部分が不透明(大抵はグレーのプラスチック)で、裏ジャケットの裏面は見えなかったんですが、2000年くらいからはトレーが透明になり、CDを取り外した時に裏ジャケットの裏側が見えるようになっていくんですね。その分、オシャレなデザインになりました。
それと、紙ジャケットって意外と多いんだってコトも。体感的には20枚に1枚が紙ジャケットってカンジです。やたら凝ったデザインの紙ジャケとかもあったりしましてね。紙ジャケは剥けませんので、諦めて別にまとめておきます。

ステイホームの間にコツコツと剥き続け、やっと1000枚が終わりました。正確には判りませんが、多分あと3000枚くらいあります。まあ、今年もまだ半分ありますので、ゆっくりと剥いていきたいと思います。


でね、この作業をしながら思ったのが「私は断捨離ができないんだなあ」ってコトなんです!

近頃は音楽のサブスクリプションサービス(定額制の聞き放題)も充実してきました。聴きたい音楽は大抵Spotifyなどで聴けるんですよ。サブスクにないようなレアなCDは大抵パソコンに取り込んであるんですよ。
なので、今コツコツと剥いているこのCDは、正直な所、もう要らないんです!
もちろん、ジャケットがカッコイイとか、友達に貸せるからとか、所有欲とか、持っておきたい理由は色々と考えられます。それはそうなんですが、ちゃんと断捨離ができる人ならば、CDをわざわざ剥いて保管したりせずに、そのまま丸ごと捨てていると思うんですよね。
だってそれこそが断捨離だから。それができるのが断捨ラーだから。

でもねー、できないんですよね。正直、ジャケットを見てもどんな音楽が入っていたのか全く思い出せないCDとかもたくさんあるんです。ジャケットに見覚えもないしアーティスト名も知らない。なぜこのCDを持っているのか全然思い出せないCDが、それはそれは一杯あるんですよ。
かといって、それを一枚一枚聴いて、要るか要らないかを判定し始めたら4000枚に及ぶCDがいつまでたっても片づきません!

なので断捨離のできない私は、それをせっせと剥いて次々と片付けていきます。もちろん想い出深いCDが出てきたら聴き直したりもするんですが、その聴き直す手段だってSpotifyです。だってCD自体はもう剥かれてファイルに収まって片付けられていますからね。懐かしのアーティストが一枚だけ出したアルバムなんてのも、意外とSpotifyなら見つかったりもするんですよ。

断捨離のできない私の、CD剥きの日々。まずはCDがぎっしり詰まったダンボール箱を部屋の奥から引っ張り出してくるコトから始めましょう。先は長いぜ!



余談ですが、CDを剥かなければ気がつかなかった事実。「ラストフラワーズ」での活躍が思い出される星野源さんのCDですが、彼の大体のCDには剥かなければ気付かない仕掛けが隠されていました。

剥く前


剥いた後!


なにこの不思議な表情!


なんでバナナ?

そんなこんなの断捨離できない日々。皆様には思う存分「ラストフラワーズ」をお楽しみ頂きたいと思います。そして最後に、生田斗真くん、清野菜名さん、末永くお幸せに! もはや戦友同士が結婚してくれたようなもんで嬉しいんですよ!