2011/08/10

テシタル地上派 006 食習慣の巻

「髑髏城の七人」大阪公演が始まりました。しかし、初日に開場してから配券ミスが発覚し、その対処のために開演が45分も遅れてしまいました。当日ご来場頂いたお客様には、座席交換となってしまった当該のお客様はもちろん、他のお客様全体にもご迷惑をお掛けしてしまいましたことをお詫びいたします。
また、大阪公演に限りましては、新感線ファンクラブにてチケットをご購入頂きました方の中に、座席変更となる方がいらっしゃるとのことです。詳しくはこちらを。
当該のお客様にはあらかじめ事務局よりのメールにてのご案内が届いているかと思われます。せっかく楽しみにして頂いている公演がこのようなことになりまして誠に申し訳ありません。今後はこのようなことが起こりませんよう、関係者一同なお一層のチェック体制を徹底して参ります。
ご迷惑をお掛けいたしました皆様には改めてお詫び申し上げます。



「ワカドクロ」の本編自体は大きな事故もなく、初日から3ステージを終え、さらなる高みを求めて全員一致協力の下、集中力を高めております。全面傾斜舞台でのアクションと殺陣の連続であり、一瞬の気の緩みが事故へと繋がるため、和やかな中にも緊張感を持続させながら頑張っております。これからご覧頂く皆様、どうぞご期待下さいませ。





さて、今日は初めての休演日。我々俳優部は稽古中や大阪移動直前などに少々休日なども頂いておりましたが、スタッフはほぼ全員が一ヶ月以上ノンストップで動いて頂いておりました。スタッフにとっては本当に久しぶりの休日。ゆっくり休んで頂いていればいいのですが。
俳優部も今日はそれぞれが思い思いの休日を満喫しているはずです。マッサージに行く者、病院に行く者、観光を楽しむ者、パチンコする者、ただただ寝る者。色々でしょう。中には東京で仕事がある人もいるかもしれません。リフレッシュできていればいいのですが。

私も病院やマッサージに行ったり買い物したり原稿書いたりして過ごしました。休日というだけで気分が落ち着くのはいいですね。で、買い物途中で見つけた「中央軒」で夕食を取ったのですが、中央軒ってご存じですかね? 関西人でないとご存じないか。
中央軒というのは大阪府内でチェーン店展開する中華料理屋で、名物は長崎ちゃんぽんと皿うどん。本場長崎の味を大阪で広めるという気合いで20店舗を展開しています。私は長崎に行ったことがないので本場の味は知りませんが、私にとって長崎の味といえば中央軒なんですよ。
特に好きなのが「皿うどん」。私の地元では「あんかけ堅焼きそば」と言っていたモノなのですが、油で揚げた麺に野菜や魚介の入った餡をかけたモノです。パリパリした麺ととろみのある餡と豊富な具材が奏でるハーモニー! 時々無性に食べたくなるのですが、ところで皆さんは皿うどんに何をかけますか?
そのまま食べる人、和辛子をつける人、酢をかける人、ウスターソースをかける人。それぞれでしょう。しかし、どうやら長崎では一般的にウスターソースをかけるのが普通のようで、酢をかけると邪道みたいな言い方をされるみたいなんです。まあいいじゃん。人それぞれなんだし。ちなみに、私は1/3をそのまま食べて、1/3を酢をかけて、最後の1/3をソースをかけて頂きます。ソースると(ここ駄洒落)色んな味が楽しめていいんですよ。でもまあ、人それぞれでいいと思います。

以前、知り合いと何か食べようという話になり、通りすがりのラーメン屋に入ったのですが、二人ともその店は初めてだったんですよ。普通の醤油ラーメンだったのですが、出てくるなりその友人はコショウをかけたのね。私は驚いて「え! いきなりコショウかけるの?」と聞いてしまったんですよ。そしたら友人は普通に「うん、その方が美味しいから」と答えたんですね。なんか衝撃的でした。初めての店で、味見もする前に、コショウをかける。元々、私がラーメンにはあまりコショウをかけない派だったから余計に驚いたのかもしれません。
しかし、よく考えたら、私も同じようなもんです。初めての店でも、刺身が出れば醤油につけるし、蕎麦が出ればワサビを載せます。塩じゃダメか、大根おろしじゃダメか? 要するに、生まれてから今までの食習慣なんですよ。地元ではどうか、両親がどうしてきたか、物心ついてからどうしてきたか。刺身を塩で食べたり、トマトに砂糖をかけたり、赤飯に甘納豆が入っていたり、もう地方それぞれ、家庭それぞれの食習慣があるんだと思います。何が正解なんてないんだろうなあ。
かといって、今まで自分が食べていた作法に固執する必要も無いのかもしれません。人がやっている食べ方を真似してみたら新しい味覚が広がるかもしれませんし、予想外の展開をするかもしれません。色んな食べ方をしてみたいですよね。

とはいえ、個人的にはどうにもなじめない食べ方とかあるんですよね。色々試した結果、自分には合わない食べ方ってのもそろそろ確立しているんですよ、40代後半としては。とりあえず、ざる蕎麦ではつけ汁にワサビを溶かさずに載せて食べるし、刺身でも醤油にワサビは溶かさずに載せて食べるし、ラーメンにコショウはかけないし、豚骨ラーメンに紅ショウガや辛子高菜は入れないし、牛丼にも紅ショウガは入れないし、カレーにソースはかけません。その方がしっくり来るから。
でも、時々はあえて上記のコトをしてみたりもします。変化を求めてね。それがハマル時もあるのですが、結局元に戻ってしまうのだなあ。そして、上記のコトの方が好きだという人も否定はしません。要するに、好きなように食べれば良いのよ。美味しければ良いのよ。好きにやろうよ。好きにやらせてよ。うん、好きにやればいいんじゃない? てコトで。

2011/08/02

テシタル地上派 005 2011夏の任天堂の巻

「髑髏城の七人」の開演も間もなくですね。なかなかに面白く仕上がっているのではないかと思います。今までと同じようで違うドクロ。どうなっているかは舞台でお確かめ下さい。正直、私も幕が開くまで読めません。それくらい異質な感じですよ。

さて、つい先日、家庭用ゲーム界の雄、任天堂が色々と発表いたしましたね、いま、発表と打とうと思ったら間違えて「発砲」とタイピングしてしまい、慌てて打ち直しましたが、まさに発砲とも言える衝撃的な発表です。
7/28、任天堂が第一四半期決算(4〜6月)、いわゆるQ1決算を発表したのですが、なんと営業利益で377億円の赤字決算となりました。桁がデカ過ぎてピンと来ませんが、とにかく大赤字ってコトです。それにより株価も急落、Q2には株主に対して同社始まって以来の無配という結果を招き、役員報酬の減額も決定したようです。1400万株を持つ山内前社長は株価急落により240億円ほど損をしたんですって。
これまた額がデカ過ぎてピンと来ませんね。

直接の原因は3DSの不振とWii Uの研究開発費のようです。Wii Uの方は先行投資ですから納得できるとして、問題は3DSの不振の方ですね。
裸眼立体視という驚異のスペックで登場した3DSですが、値段設定がいわゆる任天堂上限の25,000円であったために売れ行きが芳しくなかったようです。いやいや、裸眼立体視だよ! しかもDS系列で今までのソフト資産も活用できるし、色々と専用のフィーチャーが用意されていましたよ? 私なんかにしてみればコレで25kなら安いんじゃないかと思ってしまうのですが、世間的にはそうは思われなかったようですね。ま、DSがあるからいいや的な判断で買い控えられてしまったのかもしれません。でも裸眼立体視ですよ! 画期的な変革ですよ! とは思われにくいだろうなあ。CMとかでもその魅力は伝えにくいしなあ。しょうがないか。

そんなワケで、同日、3DSが一万円値下げされるコトも発表されました。25kからいきなり15k。40%の値引きです。発売半年でこのような大幅値下げなんて任天堂では珍しい。それほどまでに切羽詰まっているというコトですか。まあ、そりゃそうだろうなあ。株価も暴落したしなあ。判りやすいテコ入れですが、触ってみて初めて判る3DSの魅力を伝えるためには仕方がない措置かもしれません。
年末にはマリオシリーズなどの同社人気のシリーズ新作が控えているので、それまでに稼働本体を増やし、勢いを付ける作戦だと思われます。ソフトが売れてこそのハードですからね。そもそもハードを安くしてソフトで儲けるという作戦は任天堂が得意とした戦法なんです。

家庭用ゲーム機の価格というのは、実は驚くほどお買い得なんですよ。時代の最先端の技術がこれでもかというホドに詰め込まれ、同時代のPCなんか目じゃないほどの高性能なんです。謂わば小さなスーパーコンピュータ。某国の軍がミサイルの部品にするために某ハードを大量に買い付けたとか買い付けなかったとかいう噂すらあったりなかったりするホドです。やけにボカした書き方だな。
まあ、それくらいに莫大な技術研究費と設備投資を掛けて開発されているんです。それを販売台数で割り、さらに部品原価を加えなければならないので実は高額なんです。生産台数が増えれば一個あたりの単価は下がりますし、時間が経てば技術革新により部品の値段も下がります。だから発売から一年半くらいすると値下げられたりはします。しかし! 発売直後の頃はそうではありませんから当然ハイコストなワケですよ。ですので、原価ギリギリ、あるいは売るごとに赤字が出るくらいの値段設定なんです。売れても儲けがでないか、もしくは損をするのです。

では、どうやって儲けるのか。それはソフトメーカーが、ソフトが一本売れるごとに何%かをハードメーカーに支払う「ロイヤリティ」という制度があり、それで儲けを出すのです(それだけではありませんが)。なので、ソフトが売れればハードメーカーも儲かる仕組み。当然、ソフトが売れなければハードメーカーは儲からない。しかし、ソフトが売れるためにはハードの台数が多く売れていなければならない。だから値段を下げる。そんなワケで、我々は高性能マシンを(性能の割には)安価に手に入れられるってワケさ。
確かに、3DS発売の頃には25kは高すぎるという評判でした。しかし、それほどまでに原価の高いマシンだったのでしょう。下げに下げて、我慢に我慢を重ねて25kだったハズです。それが半年も経たずに60%の値段に下がったってコトは相当な痛手でしょう。売れるごとに大損です。しかし、手にした時に与えられるエクスペリエンスに自信があるからこその決断だと思います。確かにビックリするから! 裸眼立体視スゲエ! これから、その機能を最大限に生かしたソフトが出てくると思うので、迷っている人は是非! 値下げは8/11。間もなくです。たったの15kですよ!

さて、ここからが本題。って前置き長いな! 長すぎるよ! 興味ない人には耐えられないよ! まあね。私もそう思います。そういう人は読み飛ばして下さい。で、本題ですよ。「じゃあ既に買っちゃった人は損だったの?」って話。一万円も差額があればソフトの2〜3本も買えちゃうってもんじゃないですか。ぼったくりだって話じゃないですか。ボルタック商店だって話じゃないですか。思わずWizネタも挟んじゃうって話じゃないですか。意味ないけど。
大丈夫、ご安心下さい。値下げされる直前の8/10までに買った方には「アンバサダー・プログラム」って救済措置が用意されています。先行購入者はファミコンやGBAのバーチャルコンソール作品を20本、無料でダウンロードできるんですって! まあ素敵! しかもその内10本はこのプログラムでしか手に入らない限定作品! なんとも太っ腹なプレゼントです。なかなか考えたもんですな、任天堂さん。

ただし! ココで注意が必要です。アンバサダー・プログラムに参加するためには8/10までに「ニンテンドーeショップ」にアクセスしておく必要があります。今までに一度でもアクセスしていれば大丈夫ですが、心配な人はもう一度繋いでおいて下さい。また、「ニンテンドーeショップ」のアイコンが見つからない人は本体を更新して最新状態にして下さい。詳しくはこちら。
8/10までですよ! 急いで! 持ってる人!

ええと、持ってない人は、ええと、8/11以降にお店で買えば良いんじゃないかと思います。買って裸眼立体視にビックリすればいいと思います。じゃ、そゆことで。

2011/07/26

テシタル地上派 004 2011夏のAppleの巻

「髑髏城の七人」の稽古も追い込みです。衣裳パレード(本番の衣裳をシーンごとに着てみて修整を加える稽古終盤の恒例行事)もやりました。しかし、まだまだ調整していかなければならないトコロがありますから、まだまだ変化していきますよ。ていうか、ココに来てみんな暴れ始めました。どうなることやら。

さて、Macファンならご存じでしょうが、先日新OSであるMac OSX Lionがリリースされましたね。さらに新MacBook Airを始め、いくつかの新製品も発売されました。「ドクロ」のスタッフの中にもさっそく新MBAを買っちゃった人もいますよ。とはいえ、Apple StoreでのBTO(Build To Order:通販で色々カスタマイズするコト)で最強マシンにしたらしいので、届くのはもうちょっと先のようですが。
そんな話を書きながらも、私には特に焦った気分はありません。それは何故か。それは、私にはMBAを買う気持ちがないからです。MacBook Pro 17"とiPhone4とiPad2があれば自分の必要は満たされますから。私にとって過般最大パワーと過般最小サイズと過般大画面の三つがあれば必要充分なんです。
人によって必要なモノはそれぞれです。何が最高なのか、何が決定なのか。ホントにバラバラです。パワーを求めるのかサイズが重要なのか? スピードが大事なのか軽さが必要なのか? その人が必要としている一番重要な要素が何なのかによって、適したモノが変わります。「コレを買えば全部安心!」みたいなコトはないんですね。「アメトーーク!!」で宮迫さんが言うトコロの「いっちゃんエエヤツ」では無いんです。まあ、アレはアレで大事な見解だとは思いますけど。

てなワケで、今回の発表で私が注目したのは「Lion」です。だってライオンなんですよ! 百獣の王ですよ! これまでネコ科の動物名で統一されていたMac OSXですが、ココに来てライオンが来たってコトはコレがOSXの完成形であるハズです。ハズなんですが、世間での評判を聞いてみるとどうやらそうでは無さそうです。どうやらOSXIへの橋渡しのようなんですよ。
かつて私が初めてMacを使い始めた頃のOSは「漢字Talk System7.1」と呼ばれた物でした。まあ、OS7時代ってコトですよ。今にして思えばなんとも貧弱なOSでしたが、日本版Macを制御できるOSはそれしかなかったし、それでもできることは山ほどありました。その創造性、その先進性、そのポテンシャルは高くて、狂喜乱舞して触っていました。その後、7.5.3や8.6、9.2といった名作OSがリリースされ(間にはどうしようもないバージョンもありましたが)、ついに10が出ることになります。ここで、かつての創業者であるスティーブ・ジョブズが復帰し、全く新しい技術に基づいたOSが完成しました。その名もOSX。この「X」は「エックス」ではなく「テン」です。ローマ数字の10です。ココからまた新しいApple社の歴史が刻まれていったワケですよ。
もちろん、ご想像通り、初めてのOSXである10.0 Cheetahは不安定でした。何事も、走り始めは未熟なもんです。Macユーザーの間でも、「Xはまだ未熟だから」とか「ソフトや周辺機器が対応してないから」という理由で導入を躊躇われていたもんです。私もそうでした。なにしろ根本から変わっているので、今まで買ったソフトや周辺機器が動かない上にしょっちゅうフリーズするんですから。しかしその後、10.1 Puma、10.2 Jaguarと進化し、ずいぶんと安定して使いやすくなりました。私が導入したのもJaguarからかな。その後は順調に10.3 Panther、10.4 Tiger、10.5 Leopard、10.6 Snow Leopardとリリースを重ね、どんどん完成していき、ユーザーの不満は消え、みな満足して使っていたのですよ。ね、ネコ科ばかりでしょ。

ココに来て10.7 Lionのリリース! もちろんユーザー達は興奮し、更に快適なユーザビリティを得るために早速インストールしちゃったワケですよ。ところがどっこい! Lionが目指したのはiOS的な使用感。そう、iPhoneやiPadで人気を得たiOSの操作を採り入れるコトでした。つまり、今までの使用感を更に洗練させるコトが目的ではなく、次の進化への布石となる変化。要するに、OSXIへの橋渡し的な役割が与えられていたのです。
もちろんOSXの今までの機能を更に進化させた機能も多かったのですが、それもまたiOS的な発想も多く、今までのユーザーは戸惑うことしきりだったようです。また、かつて動いていたPowerPCチップ用のソフトが動かなくなっていたりしたので、長く使っているほど困ることが多いようです。
そう、これはかつてOS9からOSXに変化した時に似ている変化です。64bitカーネルに完全対応し、古いアーキテクチャを排除する。どうやら、次のOSは本当にOSXIとなり、完全に新しいモノになるぞ、という布石のようです。次のOSに変わる時に発生するであろう混乱を少しでも緩和しようとする、まさに橋渡し的OS。それが悪い訳では全然無くて、いずれ起こるであろう問題を事前に知らせるという変革期にありがちな進化ですから、必要な混乱だと思います。

なんか他人事みたいな書き方ですね。そりゃそうですよ。それは、私がまだLionにバージョンアップしていないから! だって確かにややこしそうなんだもの。ここは様子見に徹した方が安全です。実際、知り合いにもいち早くLionにバージョンアップして困っちゃって、苦労してなんとかダウングレードした人もいるんですから。OSを新しくする時には慎重に。それが判っていてもやってしまうのが真のAppleファンなのかもしれません。けど、私はもう一寸待ちますよ。でも、バージョンアップしたいなら止めません。それこそが真のApple愛なのですから!

2011/07/21

OSX Lion!

かねてより噂されていたMac OSX Lionがいよいよリリースされましたね!
App StoreからDLできます。
ていうか、App Storeからしか買えません。
しかもSnow Leopardからしかアップグレードできません。
本家が混んでいるので、詳しくはこちらから。
http://japanese.engadget.com/2011/07/20/mac-os-x-lion-mac-app-store/

そして同時に新MacBook Airが発表されたり
http://japanese.engadget.com/2011/07/20/macbook-air-sandy-bridge-thunderbolt-8-4800/
新Mac Miniも発表されたり
http://japanese.engadget.com/2011/07/20/mac-mini/
新Apple Displayも発表されたり
http://japanese.engadget.com/2011/07/20/apple-thunderbolt-display/

なんか例年にない時期にApple新情報が公開されました。

そして同日、中国に偽アップルストアが発見されたり
http://japanese.engadget.com/2011/07/20/fake-apple-store/
していますが、
もうひとつ重大ニュースを。

STARWARSのBDセットに付随して
特典映像を先取りできるiOSアプリも発表されましたよ!
http://japanese.engadget.com/2011/07/20/bd-ios/
もちろんBDセットは予約しているんだけど
事前に手に入るならそれに越したことはありません。

ていうか、今忙しいからそれどころではありませんけどね。

なお、記事は全部Engadget Japanさんから勝手にリンクしました。
ココは毎日チェックした方がいい良サイトですよ!

2011/07/19

テシタル地上派 003 Mr.インクレディブルの巻

「髑髏城の七人」の稽古も佳境。全てのシーンを当たり、どんどん殺陣も作られていっていますよ。いやあ、例によってドクロは殺陣が多い!いずれもカッコよく仕上がっていますよ。なお、私はあまり闘いませんのであしからず。

さて先日、ピクサーのアニメ「Mr.インクレディブル」がiTunesで配信されたりBlu-rayDiscが発売されたりしました。オリジナル公開は2004年。もう7年も経つんですね。それまでピクサーのアニメと言えば「トイ・ストーリー」のオモチャや「バグズ・ライフ」の昆虫など、人間ではない世界がモチーフでした。その方がアニメにしやすかったし異世界感もありますからね。そんなピクサーアニメで初めて人間社会を描いた作品がこの「Mr.インクレディブル」なんです。

人間を描く3DCGアニメは難しいんですよ。髪の毛や服装の質感も、顔の表情も、オモチャや昆虫や車のようにカリカチュアライズしにくいですからね。戯画化した上でのリアリティ。そんな高いハードルがあったのですよ、人間CGアニメには。しかし、それに挑戦し、見事成功を収めたのが「アイアン・ジャイアント」のブラッド・バード監督。2Dアニメの天才が3Dでもその手腕を発揮しました。
人間と言っても主人公達はスーパーヒーロー。人間離れした誇張した表現は3DCGの得意とするところ。そんないくつかの要因がピクサー初の人間アニメを成功に導きました。メイキングを見ると相当大変だったようですが。
かつてスーパーヒーローが活躍し、現在では疎まれているという世界設定は「WATCHMEN」にも似ています。主人公であるMr.インクレディブルもかつては崇められていたヒーローでしたが、今ではその影もなく保険会社で働く会社員。でも時々コッソリヒーロー活動をしていたりします。同じくヒーローパワーを持つ奥様、イラスティガールも心配しています。そしてその三人の子供たちもヒーローパワーを持っており、それぞれがパワーを隠して日常生活に溶け込んでいます。そんな一家がひょんな事から悪の組織を闘うことになり、というのがあらすじ。

私がピクサーアニメが好きであるというコトは以前にも書きましたし、その中でも「WALL・E」が好きだとも書きました。それまでオモチャや車などの無機物を有機化して表情豊かに表現してきたピクサーが、機械を機械として描いてなおかつ表情豊かである「WALL・E」が好きなのですが、「Mr.インクレディブル」では人間を人間として描いて、その生き生きとした表現が素晴らしいと思うのです。
かつてのヒーローとしての栄光を取り戻したい夫、今ではパワーを隠して平穏な生活を送りたい妻、生まれてからずっとパワーを隠すコトを強いられてきた子供たち。そんな一家がパワー全開で悪に立ち向かうってだけでテンション上がるじゃないですか!荒唐無稽なヒーローモノであり、しっとりとした家族愛モノであり、成長モノであり冒険モノであり、とにかく色んな要素をブチ込んでなおかつエンターテインメントとして成立しているトコロが素晴らしい。

劇場公開時には見損ねたので、DVDで見て驚いて好きになったこの作品がiTunesでダウンロード販売されると聞けば当然買うじゃないですか。しかし、ダウンロード版は吹き替えのみのバージョン。そして同日にBDが発売され、そちらには英語版や特典映像も収録されているとなればそちらも買うじゃないですか。これはカブリじゃないよ。便利なんだよ。BDならディスクを入れ換える必要がありますが、ダウンロード版ならそんな面倒がないから便利なんだよ。まあ、言い訳、ですかね。でも欲しかったんだからいいんです。いい作品は何度見てもいいんです。
そんなワケで、iTunes版とBD版、二回続けて見ちゃいましたよ。そして気付いたのですが、この作品に関しては日本語吹き替え版が合ってる!ピクサーに限らずジブリアニメでもそうですが、俳優さんが吹き替えを当てているアニメで成功した例は多いのですが、この作品の吹き替えは素晴らしいと思います。主人公の声が三浦友和さんってのがまず凄い!何度聞いても三浦さんの顔が浮かびません。ええと、これは褒め言葉です。映画「転々」での名演も印象深い三浦さんですが、今作では完全にMr.インクレディブルとして存在しています。さらに奥さんが黒木瞳さん、娘が綾瀬はるかさん、息子が海鋒拓也さん(子役)でして、ピッタリ合っています。悪ボスが雨上がり決死隊の宮迫さんってのも意外ですがハマってます。
BDで英語版も聞いたんですが、なんかこの作品に関しては日本語吹き替え版が合っている様な気がするんですよね。個人的感想ではありますが。

サブキャラクターも個性的。みんな興味深いのですが、私が好きなのはエドナ・モード。スーパーヒーロー達の衣裳を担当してきたデザイナーですが、今作では重要な役割を演じます。英語版では監督自身が声を当てたキャラクターですが、実に個性的で勝手で才能があるキャラクターです。それと敵の秘書・ミラージュ。グラフィックも素敵ですが、声がまた色っぽい。やっぱり有能な秘書ってキャラは大事ですよね。

折しも「カーズ2」が間もなく公開される今日この頃。3DCGアニメの技術はどんどん向上していますが、やはり作品としてのクオリティを決めるのは監督やスタッフの才能と努力だと思うんですよね。その点に於いてピクサー作品にはいつも驚かされます。まあ、実写映画でも同じコトなんですけどね。
老若男女にウケる、というこコトが実はとても難しいコトだというコトは判っているので、ピクサーの作品群には単純に敬意を表したいと思います。「ドクロ」も色んな人々に楽しんで頂けるように作りたいと思います。もちろん、狭い範囲に向けて作られた作品もそれはそれで魅力的なんですけどね。まあ、結局は「キチンと丁寧に作る」ってことなんでしょう。頑張りましょう。